NSX Manager は、vCenter Server 環境内の任意の ESXi ホスト上に仮想アプライアンスとしてインストールされます。
NSX Manager は、コントローラ、論理スイッチ、Edge Services Gateway などの、
NSX コンポーネントの作成、設定、監視を行うためのグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) と REST API を提供します。
NSX Manager は、
NSX Data Center for vSphere のネットワーク集中管理コンポーネントで、集約されたシステム ビューを提供します。
NSX Manager 仮想マシンは OVA ファイルとしてパッケージされており、
vSphere Web Client を使って
NSX Manager をデータストアと仮想マシン インベントリにインポートすることができます。
高可用性を実現するには、高可用性 (HA) と DRS が構成されたクラスタに NSX Manager をデプロイします。オプションで、NSX Manager と相互運用する vCenter Server とは異なる vCenter Server に NSX Manager をインストールすることもできます。1 台の NSX Manager は 1 つの vCenter Server 環境で動作します。
Cross-vCenter NSX インストールでは、各 NSX Manager に一意の UUID があることを確認します。OVA ファイルから展開した NSX Manager インスタンスには、一意の UUID があります。テンプレートからデプロイされた NSX Manager(仮想マシンをテンプレートに変換する場合)には、テンプレートの作成に使用した元の NSX Manager と同じ UUID が設定されます。つまり、NSX Manager の新しいアプライアンスは、この手順で示されているとおりにインストールする必要があります。
NSX Manager 仮想マシンのインストールには、VMware Tools が含まれています。NSX Manager 上で VMware Tools をアップグレードしたり、インストールしたりしないでください。
インストール中に、NSX Data Center for vSphere のカスタマー エクスペリエンス向上プログラム (CEIP) への参加を選択できます。プログラムへの参加または参加を中止する方法については、『NSX 管理ガイド』の NSX のカスタマー エクスペリエンス向上プログラムのセクションを参照してください。
前提条件
- https://www.vmware.com/go/download-nsxから適切なバージョンの OVA ファイルをダウンロードします。
- NSX Manager をインストールする前に、必要なポートが開いていることを確認します。NSX Data Center for vSphere で必要となるポートおよびプロトコルを参照してください。
- ターゲットの ESXi ホストでデータストアが構成されており、アクセスできることを確認します。共有ストレージの使用をお勧めします。高可用性 (HA) では共有ストレージが必要です。それによって、元のホストに障害が発生したときに NSX Manager アプライアンスを別のホストで再起動できます。
- NSX Manager で使用する IP アドレスとゲートウェイ、DNS サーバの IP アドレス、ドメイン検索リスト、および NTP サーバの IP アドレスを確認します。
- NSX Manager のネットワークを IPv4 アドレスのみ、IPv6 アドレスのみ、またはデュアル スタックのいずれの設定にするかを決定します。NSX Manager のホスト名は他のエンティティによって使用されるため、そのネットワークで使用される DNS サーバでホスト名を適切な IP アドレスにマッピングする必要があります。
- NSX Manager の通信が行われる、管理トラフィックの分散ポート グループを準備します。例:vSphere Distributed Switch の操作を参照してください。NSX Manager の管理インターフェイス、vCenter Server、および ESXi ホストの管理インターフェイスにゲスト イントロスペクション インスタンスからアクセスできるようにする必要があります。
- クライアント統合プラグインがインストールされている必要があります。[OVF テンプレートのデプロイ] ウィザードは Firefox Web ブラウザで最適に動作します。Chrome Web ブラウザでは、クライアント統合プラグインがすでに正常にインストールされているにもかかわらず、クライアント統合プラグインのインストールに関するエラー メッセージが表示されることがあります。クライアント統合プラグインをインストールするには、次の手順を実行します。
-
Web ブラウザを開き、vSphere Web Client の URL を入力します。
- vSphere Web Client ログイン ページの下部にある [Download Client Integration Plug-in](Client Integration Plug-in のダウンロード)をクリックします。
Client Integration Plug-in がシステムにインストールされている場合、プラグインのダウンロード リンクは表示されません。Client Integration Plug-in をアンインストールすると、このプラグインのダウンロード リンクが vSphere Web Client のログイン ページに表示されます。
手順
- NSX Manager の OVA (Open Virtualization Appliance) ファイルを検索します。
ダウンロード URL をコピーするか、OVA ファイルをコンピュータにダウンロードします。
- vSphere Web Client にログインして、[仮想マシンおよびテンプレート (VMs and Templates)] に移動します。
- 仮想マシンの有効なオブジェクトである任意のインベントリ オブジェクト(データセンター、フォルダ、クラスタ、リソース プール、ホストなど)を右クリックして、[OVF テンプレートのデプロイ (Deploy OVF Template)] を選択します。
[OVF テンプレートのデプロイ] ウィザードが開きます。
- [テンプレートの選択] ページで、ダウンロード URL を貼り付けます。または、[参照 (Browse)] をクリックして、コンピュータにある OVA または OVF テンプレートを選択します。OVF テンプレートに関連付けられているすべてのファイルが選択されていることを確認します。これには、.ovf、.vmdk などのファイルがあります。必要なファイルをすべて選択しないと、警告メッセージが表示されます。
注:
Operation timed out エラーでインストールに失敗した場合、ストレージ デバイスとネットワーク デバイスに接続の問題が発生していないかどうかを確認します。この問題は、ストレージ デバイスへの接続が失われた場合や、物理 NIC またはスイッチとの接続エラーなど、物理インフラストラクチャに問題がある場合に発生します。
- [名前とフォルダの選択] ページで、NSX Manager 仮想アプライアンスの一意の名前を入力し、展開する場所を選択します。
仮想アプライアンスのデフォルト名は、選択した OVF または OVA テンプレートの名前と同じです。デフォルトの名前を変更する場合は、それぞれの vCenter Server 仮想マシン フォルダ内で重複しない名前を選択します。仮想アプライアンスのデフォルトの展開場所は、ウィザードを起動したインベントリ オブジェクトとなります。
- [リソースの選択] ページで、NSX Manager 仮想アプライアンスを展開するホストまたはクラスタを選択します。
たとえば、すべての管理コンポーネントと Edge コンポーネントをインストールする管理クラスタに、
NSX Manager 仮想アプライアンスを展開できます。
- [詳細の確認] ページで OVF または OVA テンプレートの詳細を確認します。
- VMware 使用許諾契約書に同意します。
- [ストレージの選択] ページで、展開された OVF または OVA テンプレートのファイルを格納する場所と方法を指定します。
- 仮想マシンの仮想ディスクのディスク フォーマットを選択します。
オプション |
説明 |
シック プロビジョニング (Lazy Zeroed) |
仮想ディスクをデフォルトのシック フォーマットで作成します。仮想ディスクに必要な容量は、仮想ディスクの作成時に割り当てられます。物理デバイスに残っているデータは、作成中には消去されませんが、後で仮想マシンへ初めて書き込みを行うときに必要に応じてゼロアウトされます。 |
シック プロビジョニング (Eager Zeroed) |
Fault Tolerance などのクラスタリング機能をサポートする、シック仮想ディスクのタイプ。仮想ディスクに必要な容量は、作成時に割り当てられます。フラット フォーマットの場合とは異なり、物理デバイスに残っているデータは、仮想ディスクの作成時に消去されます。ほかのタイプのディスクに比べて、ディスクの作成に非常に長い時間がかかることがあります。 |
シン プロビジョニング |
このフォーマットを使用してストレージ容量を節約します。シン ディスクの場合、入力したディスク サイズの値に応じて、ディスクに必要な容量と同じデータストア容量をプロビジョニングします。ただし、シン ディスクは最初は小さく、初期処理に必要なデータストア容量のみを使用します。 |
vSphere でのシック プロビジョニングとシン プロビジョニング ストレージ モデルの詳細については、『
vSphere ストレージ』を参照してください。
ヒント: 最適なパフォーマンスを維持するため、
NSX Manager 仮想アプライアンス用のメモリを予約する必要があります。メモリ予約は、ホストが仮想マシン用に予約する物理メモリ容量の確実な下限であり、メモリがオーバーコミットされる場合でも、この容量が確保されます。
NSX Manager が効率的に動作するのに十分なメモリが確保されるように、予約のレベルを設定します。
- 仮想マシン ストレージ ポリシーを選択します。
このオプションは、ターゲット リソースでストレージ ポリシーが有効になっている場合にのみ使用できます。
- (オプション) [Storage DRS クラスタのデータストアを表示 (Show datastores from Storage DRS clusters)] チェック ボックスをクリックして、この仮想アプライアンスの初期配置用に、Storage DRS クラスタから個別のデータストアを選択します。
- 展開された OVF または OVA テンプレートを保存するデータストアを選択します。
設定ファイルと仮想ディスク ファイルがデータストアに格納されます。この仮想アプライアンスおよび関連するすべての仮想ディスク ファイルを保存できる十分な容量を持つデータストアを選択します。
- [ネットワークの選択] ページで、送信元ネットワークを選択して宛先ネットワークにマッピングします。
たとえば、管理トラフィック用に準備した分散ポート グループに送信元ネットワークをマッピングできます。
[ソース ネットワーク] 列には、OVF または OVA テンプレートで定義されているネットワークがすべて一覧表示されます。
- [テンプレートのカスタマイズ] ページで、CLI 管理者ユーザーのパスワードを指定します。また、この NSX Manager 仮想アプライアンスの展開プロパティのカスタマイズに使用できる CLI 権限モードのパスワードを指定します。
- [設定内容の確認] ページで内容を確認し、[完了 (Finish)] をクリックします。
結果
NSX Manager のコンソールを開いて、ブート プロセスを追跡します。
NSX Manager が起動した後、CLI にログインし、show interface コマンドを実行して、IP アドレスが想定どおりに適用されていることを確認します。
nsxmgr1> show interface
Interface mgmt is up, line protocol is up
index 3 metric 1 mtu 1500 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST>
HWaddr: 00:50:56:8e:c7:fa
inet 192.168.110.42/24 broadcast 192.168.110.255
inet6 fe80::250:56ff:fe8e:c7fa/64
Full-duplex, 0Mb/s
input packets 1370858, bytes 389455808, dropped 50, multicast packets 0
input errors 0, length 0, overrun 0, CRC 0, frame 0, fifo 0, missed 0
output packets 1309779, bytes 2205704550, dropped 0
output errors 0, aborted 0, carrier 0, fifo 0, heartbeat 0, window 0
collisions 0
NSX Manager がデフォルト ゲートウェイ、NTP サーバ、vCenter Server、および管理するすべてのハイパーバイザー ホスト上の管理インターフェイスの IP アドレスに ping できることを確認します。
Web ブラウザを開き、NSX Manager の IP アドレスまたはホスト名を入力して、NSX Manager アプライアンスの GUI に接続します。
インストール時に設定したパスワードを使用して
[admin] としてログインした後、[ホーム] ページで
[サマリの表示 (View Summary)] をクリックし、次のサービスが実行されていることを確認します。
- vPostgres
- RabbitMQ
- NSX 管理サービス
次のタスク
NSX Manager で vCenter Server を登録します。