使用する NSX VIB は、ホストにインストールされている ESXi のバージョンによって異なります。ESXi をアップグレードする場合、新しい ESXi バージョンに対応した適切な NSX VIB を新しくインストールする必要があります。

NSX 6.4 環境で ESXi 6.5 以降にアップグレードする場合、新しい NSX VIB がインストールされるまで、VXLAN が設定された vSphere Distributed Switch を持つアップグレードされたホストへの仮想マシンの移行はブロックされます。

NSX 6.4 環境でホストを ESXi 6.5 以降にアップグレードする場合は、vSphere Upgrade Manager を使用することをお勧めします。

重要: 一度に 1 台のホストをアップグレードする必要があります。ESXi をアップグレードする際は、修正にクラスタまたはデータセンターを選択しないでください。
ESXi のアップグレードに使用するメソッドに関係なく、次のワークフローに従う必要があります。一度に 1 台のホストに対し、次を実行します。
  1. ESXi のアップグレード

    ESXi のアップグレードが完了すると、ホストのメンテナンス モードは終了しますが、次の手順が完了するまで論理スイッチに接続している仮想マシンをホストに移行することはできません。

  2. NSX VIB のアップグレード

    VIB がアップグレードされ、ホストのメンテナンス モードが終了すると、論理スイッチに接続されている仮想マシンをホストに移行できます。

前提条件

  • 重要: NSX 6.4 の一部のバージョンは、vSphere 6.5 および 6.7 と相互運用性がありません。VMware 製品の相互運用性マトリックスで、該当する NSX Data Center for vSphere インストール環境と互換性のある vSphere と ESXi のバージョンを確認してください。 http://partnerweb.vmware.com/comp_guide2/sim/interop_matrix.php を参照してください。
  • NSX 6.4 がインストールされていることを確認します。
  • NSX のリリース ノートで、NSX と vSphere の相互運用性に関する情報を確認します。https://docs.vmware.com/jp/VMware-NSX-for-vSphere/index.html を参照してください。
  • vSphere のアップグレードの詳細な手順については、『vSphere アップグレード ガイド』と『VMware vSphere Update Manager のインストールと管理ガイド』を含む、該当するバージョンの vSphere のドキュメントをお読みください。
  • Platform Services Controller および vCenter Server システムが新しい vSphere バージョンにアップグレードされていることを確認します。
  • vSphere Update Manager がインストールされ、設定されていることを確認します。
  • すべてのホストの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を解決できることを確認します。
  • DRS が無効な場合は、アップグレードを開始する前に、手動で仮想マシンのパワーオフまたは vMotion を実行します。
  • DRS が有効な場合は、実行中の仮想マシンは、ホスト クラスタのアップグレード中に自動的に移動されます。アップグレードを開始する前に、環境内で DRS が機能できることを確認します。
    • ホスト クラスタで DRS が有効であることを確認します。
    • vMotion が正しく機能することを確認します。
    • ホストと vCenter Server の接続状態を確認します。
    • 各ホスト クラスタに、少なくとも 3 台の ESXi ホストがあることを確認します。1 台または 2 台のホストを持つホスト クラスタでは、NSX のアップグレード中に、DRS のアドミッション コントロールの問題が発生することがあります。NSX を正しくアップグレードするため、各ホスト クラスタに少なくとも 3 台のホストを含めることをお勧めします。クラスタ内のホスト数が 3 台よりも少ない場合は、ホストを手動で退避させます。
    • ホストが 2 ~ 3 台の小規模クラスタで、特定の仮想マシンを個別のホストに配置することを指示する非アフィニティ ルールを作成している場合、アップグレード中に DRS が仮想マシンを移行できない場合があります。クラスタにホストを追加するか、アップグレード中に非アフィニティ ルールを無効にして、アップグレードの完了後に非アフィニティ ルールを再度有効にします。非アフィニティ ルールを無効にするには、[ホストおよびクラスタ (Hosts and Clusters)] に移動します。[ナビゲータ (Navigator)] でクラスタを右クリックし、[設定 (Settings)] をクリックします。[設定 (Configure)] > [設定 (Configuration)] > [仮想マシン/ホスト ルール (VM/Host Rules)] の順に移動します。ルールを編集して [ルールの有効化 (Enable rule)] の選択を解除します。

手順

  1. vSphere Web Client で、[Update Manager] > [Update Manager オブジェクト (Update Manager Object)] > [管理 (Manage)] の順に移動します。
  2. ホストのアップグレード イメージのインポートとホストのアップグレード ベースラインの作成」の手順に従って、ホストのアップグレード イメージをインポートし、ホストのアップグレード ベースラインを作成します。
    1. [ESXi イメージ (ESXi Images)] タブ選択し、[ESXi イメージのインポート (Import ESXi Image)] をクリックして、アップロードするイメージを参照します。
    2. [ホストのベースライン (Host Baselines)] タブ、[新規ベースライン (New Baseline)] の順にクリックします。新規ベースライン ウィザードを使用して新しいベースラインを作成し、ベースライン タイプとして [ホストのアップグレード (Host Upgrade)] を選択します。
  3. 一度に 1 台のホストをアップグレードします。ホストごとに次の手順を繰り返します。
    1. [ホストおよびクラスタ (Hosts and Clusters)] に移動し、アップグレードするホストを選択します。クラスタまたはデータセンターを選択しないでください。
    2. ホストを右クリックし、[Update Manager] > [ベースラインの添付... (Attach Baseline...)] の順に選択します。ベースラインまたはベースライン グループの添付ウィザードを使用して、ベースラインを選択します。完全な手順については、vSphere のドキュメントの「オブジェクトへのベースラインおよびベースライン グループの添付」を参照してください。
    3. ホストを右クリックし、[Update Manager] > [修正... (Remediate...)] の順に選択します。修正ウィザードを使用して、ベースラインを選択します。完全な手順については、vSphere のドキュメントの「アップグレード ベースラインを基準にしたホストの修正」を参照してください。
    4. 再起動後、ホストのステータスが [未接続] の場合はホストを接続します。ホストを右クリックし、[接続 (Connection)] > [接続 (Connect)] の順に選択します。
    5. アップグレードが完了したことを確認するには、ホストを右クリックし、[Update Manager] > [アップデートの有無のスキャン... (Scan for Updates...)] の順に選択します。[アップグレード (Upgrades)] チェック ボックスをクリックして、アップグレード基準に準拠しているかどうかスキャンします。[コンプライアンス ステータス] が [準拠] になっていれば、アップグレードは完了しています。
      詳細な手順については、vSphere のドキュメントの「 手動による ESXi ホストのスキャンの開始」を参照してください。
    6. [ネットワークとセキュリティ (Networking & Security)] > [インストールとアップグレード (Installation and Upgrade)] > [ホストの準備 (Host Preparation)] の順に移動します。
    7. ESXi をアップグレードしたホストを確認します。[インストール ステータス] 列または [NSX のインストール] 列に [準備ができていません (Not Ready)] と表示されます。
      詳細を確認する場合は、 [準備ができていません (Not Ready)] をクリックしてください。
    8. ホストを選択し、[アクション (Actions)] > [解決 (Resolve)] の順にクリックすると、NSX VIB のインストールが始まります。

      クラスタで DRS が有効になっている場合、DRS は、仮想マシンの動作を停止しない制御された方法で、ホストをメンテナンス モードに切り替えようとします。何らかの理由で DRS の操作が失敗した場合、[解決 (Resolve)] アクションは停止します。この場合、仮想マシンを手動で移動して、[解決 (Resolve)] アクションをもう一度実行するか、ホストを手動でメンテナンス モードにする必要があります。

      重要: 手動でホストをメンテナンス モードに切り替えてホストの VIB をインストールした場合は、ホストで VIB のインストールが完了していることを確認してから、ホストのメンテナンス モードを終了する必要があります。 [ホストの準備 (Host Preparation)] ページには、インストールが完了している場合でも、「 インストールしています」と表示されます。
      1. vSphere Web Client の [最近のタスク] ペインで、すべてのインストール タスクが完了していることを確認します。
      2. ホストのコマンド ラインにアクセスし、esxcli software vib list コマンドを実行します。VIB バージョンの最初の部分に、対応する ESXi のバージョンが表示されます。

        NSX 6.4 で ESXi 6.5 にアップグレードした後:

        [root@host-2:~] esxcli software vib list
        ...
        esx-nsxv    6.5.0-0.0.XXXXXXX    VMware  VMwareCertified   2018-01-16
        ...