NSX-T Data Center で構成された分散ロード バランサは、各 ESXi ホストで実行されるため、East-West トラフィックを効果的にロード バランシングし、トラフィックをスケーリングできます。

重要: 分散ロード バランサは、 vSphere with Kubernete によって管理されている Kubernetes (K8s) クラスタの IP でのみサポートされます。他のワークロード タイプでは分散ロード バランサはサポートされません。管理者は、 NSX Manager GUI で分散ロード バランサ オブジェクトの作成または変更を行うことはできません。 vCenter Server で K8 クラスタの IP が作成されたときに、これらのオブジェクトは NSX-T API を介して vCenter Server によってプッシュされます。

従来のネットワークでは、ロード バランサで構成されている仮想サーバで管理されているトラフィックの負荷を分散するように、NSX Edge ノードに展開された中央集中型ロード バランサが構成されます。

中央のロード バランサを使用している場合、ロード バランサ プール内の仮想サーバ数が増えると、マルチティア分散アプリケーションのスケーリングまたはパフォーマンスの条件を満たさない場合があります。分散ロード バランサは、クライアントやサーバなどのロード バランシング ワークロードが展開されている各ハイパーバイザーで実現され、トラフィックが各ハイパーバイザーで分散され、ロード バランシングされます。

分散ロード バランサは、中央集中型ロード バランサとともに NSX-T Data CenterT ネットワーク上に構成できます。

分散ロード バランサを使用して構成された ESXi ホストの論理トポロジ。

この図では、分散ロード バランサのインスタンスが仮想マシン グループに接続しています。仮想マシンは分散論理ルーターへのダウンリンクであるため、分散ロード バランサでは East-West トラフィックのみがロード バランシングされます。これに対して、中央集中型ロード バランサは North-South トラフィックを管理します。

アプリケーションの各コンポーネントまたはモジュールのロード バランシング要件を満たすため、分散ロード バランサをアプリケーションの各層に接続できます。たとえば、ユーザーの要求を処理する場合、アプリケーションのフロントエンドが中央のモジュールにアクセスしてデータを取得する必要があります。ただし、ユーザーに最終的なデータを提供するために中間レイヤーが展開されるとは限らないため、追加のデータを取得するにはバックエンド レイヤーにアクセスする必要があります。複雑なアプリケーションの場合、多くのモジュールが相互に通信を行い、情報を取得する必要があります。複雑さだけでなく、ユーザー要求の数が急増したときに、分散ロード バランサはパフォーマンスに影響を与えることなく、ユーザーの要件を効率的に満たすことができます。すべてのホストで分散ロード バランサを構成すると、スケーリングとパケット転送の効率が低下します。
重要: DLB ワークロードの DFW を有効にします。DFW をグローバルに無効にするか、DFW 除外リストを使用して無効にすると、DLB ワークロードが停止します。