VMware SASE Orchestrator は、API を介して、カスタマーとそのネットワークに関する機密情報を保存およびエクスポートします。オンプレミスのカスタマーの機密情報を外部の攻撃から保護し、API へのアクセスを制限するために、
VMware SD-WAN は、
SD-WAN Edge のステージングとアクティベーションの目的で、インターネットに面した非武装地帯 (DMZ) での Bastion Orchestrator(パブリック Orchestrator)の設定をサポートします。Bastion Orchestrator 機能を有効にすると、オペレータ スーパー ユーザーは、本番環境の(プライベート)Orchestrator から受信したアクティベーション キーを使用して、Bastion Orchestrator に対してプロビジョニングされた Edge をアクティベーションできます。次に、アクティベーションされた Edge は、安全な通信を介して Bastion Orchestrator から本番環境の Orchestrator に昇格されます。
注: このドキュメントでは、「Bastion Orchestrator」という用語は「パブリック Orchestrator」という用語と同じ意味で使用され、「本番環境の Orchestrator」という用語は「プライベート Orchestrator」という用語と同じ意味で使用されます。
次の図は、Bastion Orchestrator のアーキテクチャとアクティベーション ワークフローを示しています。
Bastion Orchestrator アーキテクチャは、相互に通信する 2 つの Orchestrator インスタンスで構成されています。Bastion ペアのパブリック向けのインスタンスは「Bastion Orchestrator」で、プライベート インスタンスは「本番環境の Orchestrator」です。Bastion Orchestrator - Edge アクティベーション ワークフローには、次の手順が含まれます。
制限事項
- Bastion の設定中、Bastion Orchestrator にステージングできるオペレータ スーパー ユーザー アカウントは 1 つだけです。Bastion と本番環境の Orchestrator の間で Bastion 接続が確立されると、オペレータ スーパー ユーザー アカウントを緊急の目的で使用して、Bastion Orchestrator にアクセスできます。ステージングされたオペレータ スーパー ユーザーは、[Bastion Orchestrator 設定 (Bastion Orchestrator Configuration)] ページにのみアクセスできます。
- Bastion Orchestrator と本番環境の Orchestrator のペアリング解除([スタンドアローン モードに戻る (Return to Standalone Mode)] 操作)はサポートされていません。
- Edge をアクティベーションするには、Edge が [証明書の取得 (Certificate Acquire)] モードである必要があります。Edge を昇格している間、Gateway との WAN リンクを UP 状態にするには、Gateway が [証明書の取得 (Certificate Acquire)] または [証明書が必要 (Certificate Required)] モードである必要があります。
- Bastion Orchestrator から本番環境の Orchestrator に Edge を昇格させた後、Edge ソフトウェア イメージをアップグレードする場合は、本番環境の Orchestrator の
vco.trusted.uuids
システム プロパティを次のように設定します。[ { "uuid": "72292451-d34f-45df-ac47-2ff1fd274ba2", "sessionSecret": "a3c0930b-43c5-41a6-b50b-5095aee50598" } ]
ここで、
uuid
とsessionSecret
は、Bastion Orchestrator の UUID とセッション シークレットの値です。UUID とセッション シークレットは、それぞれvco.uuid
とsession.secret
のシステム プロパティから取得できます。 - Bastion Orchestrator で Gateway と Edge がステージングされ、アクティベーションされると、Bastion Orchestrator でステージングされた Gateway と Edge に対して本番環境の Orchestrator を使用してリモート診断テストを実行することはできません。ただし、本番環境の Orchestrator からリモート診断バンドルを要求して生成することができます。
- エンタープライズ カスタマーを Bastion Orchestrator にステージングする目的で作成される Bastion ステージング プロファイルは、グローバル セグメントに関連する最小限の設定にする必要があります。プロファイル エンティティが更新されると、[グローバル セグメント (Global segment)] の [デバイス設定 (Device settings)]、[ビジネス ポリシー (Business Policy)]、および [ファイアウォール (Firewall)] のみが Bastion Orchestrator と同期されます。次のプロファイル設定は、Bastion Orchestrator と同期されません。
- グローバル セグメント以外のセグメント
- ネットワーク セグメント設定
- オブジェクト グループ
Bastion Orchestrator のディザスタ リカバリ
基本的に、ディザスタ リカバリ (DR) 機能は本番環境の(プライベート)Orchestrator でサポートされていますが、Bastion(パブリック)Orchestrator はステートレスであり、本番環境の Orchestrator から指示を受け取るため、Bastion Orchestrator の DR 機能は現在サポートされていません。
5.4.0 リリースで新たにサポートされる機能
5.4.0 リリースでは、Bastion Orchestrator に次の新機能が導入されました。
- Bastion Orchestrator を介して本番環境の Orchestrator からステージングされた Edge のイベントを表示する機能。
- ステージングされた Edge の Bastion Orchestrator を介して本番環境の Orchestrator から診断バンドルを要求する機能。
- 何らかの理由で Edge の昇格に失敗した場合、Edge は最後に既知の良好な設定に戻ります。つまり、Bastion に再接続されます。
- SD-WAN Edge を Bastion Orchestrator にステージングしているときに、Edge のアップグレード(ソフトウェアとファームウェアのアップグレード)関連情報を設定して Bastion Orchestrator に送信する機能。これにより、Edge が Bastion Orchestrator に対してアクティベーションされた直後に Edge をアップグレードできます。詳細については、Bastion Orchestrator への SD-WAN Edge のステージングを参照してください。