vSphere Replication でコンパイルされるレポートを使用して、レプリケーション用の環境を最適化し、環境の問題を特定し、原因として最も可能性が高いものを解明できます。

管理者は、サーバとサイトの接続、RPO 違反の数、その他のメトリックを使用して、さまざまなレプリケーションの問題を診断するために必要な情報を取得できます。

次のセクションには、vSphere Replication[サイト ペア] タブの [vSphere Replication のレポート] に表示されるデータの解釈例が含まれます。

RPO 違反

環境のさまざまな問題により、保護サイトとリカバリ サイトの両方で多数の RPO 違反が発生する可能性があります。履歴レプリケーション ジョブの詳細を使用して、レプリケーション環境を監視する方法に関して知識に基づいた決定を行うことができます。

表 1. RPO 違反の分析
考えられる原因 ソリューション
  • ネットワーク バンド幅がすべてのレプリケーションに対応できません。
  • レプリケーション トラフィックが増えた可能性があります。
  • 大きな仮想マシンの初期完全同期に仮想マシンに構成されている RPO より長い時間がかかっています。
  • 相対的に変更率の低い仮想マシンで RPO 目標を達成するため、変更率の高い一部の仮想マシンでレプリケーションを無効にします。
  • 選択されたホストに対しネットワーク バンド幅を増やします。
  • レプリケーション トラフィックが増えたかどうかを確認します。トラフィックが増えている場合、アプリケーションの使用状況が通知されずに変わったなど、考えられる原因を調査します。
  • 明らかに継続して増加している場合、転送されたバイト数の平均について履歴データを確認します。増加がみられる場合は、アプリケーション所有者に連絡して、この増加に関連する可能性のある最近のイベントを特定します。
  • より積極的でない RPO に調整するか、バンド幅を増やして現在の RPO 要件に対応するための別の方法を考えます。
  • 保護サイトとリカバリ サイトの間で接続の問題が発生しています。
  • インフラストラクチャ変更がリカバリ サイトで発生した可能性があります。
  • 保護サイトとリカバリ サイトの間の接続を確認するには、サイト接続データを確認します。
  • リカバリ サイトのインフラストラクチャが変更されたかどうか、または vSphere Replication がリカバリ データストアに書き込めないようにする問題が発生しているかどうかを確認します。たとえば、リカバリ ホストに行われたストレージ バンド幅管理の変更によって、レプリケーション プロセスでストレージ遅延が発生することがあります。
  • vSphere Replication 管理サーバアプライアンスと vSphere Replication サーバ アプライアンスを確認します。誰かがアプライアンスをシャット ダウンしたか、接続が切断された可能性があります。

転送されたバイト数

転送されたバイトの合計数と RPO 違反の数を相互に関連付けることにより、RPO 目標の達成に必要となるバンド幅に関する決定を行うことができます。

表 2. 転送されたバイト数の率と RPO 違反の分析
グラフ値 考えられる原因 ソリューション
  • 転送済みバイト数の率が高く、多数の RPO 違反
  • 転送済みバイト数の率が低く、多数の RPO 違反
ネットワーク バンド幅がすべてのレプリケーションに対応するのに不十分である可能性があります。
  • [転送されたバイト数] グラフを確認し、ドロップダウン メニューを使用してデータを仮想マシンおよび時間別にフィルタします。変更率の低い仮想マシンで RPO 目標を達成するため、変更率の高い一部の仮想マシンでレプリケーションを無効にします。
  • 選択されたホストに対しネットワーク バンド幅を増やします。
  • 転送済みバイト数の率が高く、少数の RPO 違反または RPO 違反なし
  • 転送済みバイト数の率が低く、少数の RPO 違反または RPO 違反なし
環境は想定したとおりに機能します。 該当なし