このトピックでは、ブートストラップ マシンに Tanzu コマンド ライン インターフェイス (CLI) をインストールする方法について説明します。ブートストラップ マシンは、管理クラスタとワークロード クラスタを展開するラップトップ、ホスト、またはサーバで、展開環境の Tanzu および Kubernetes 構成ファイルを保持します。ブートストラップ マシンは通常ローカルですが、リモートからアクセスする物理マシンまたは仮想マシンの場合もあります。コマンド リファレンスを含む Tanzu CLI の詳細については、VMware Tanzu CLI v1.0.x のドキュメントを参照してください。
スーパーバイザーを使用しない vSphere、または AWS や Azure に Tanzu Kubernetes Grid を展開する場合は、Tanzu CLI を使用して、環境内の各クラウド プロバイダにスタンドアローン管理クラスタを作成します。Tanzu CLI は、この管理クラスタと通信して、ターゲット クラウド インフラストラクチャでワークロード クラスタを作成および管理します。
注このトピックの手順は、スーパーバイザーを使用しない vSphere、または AWS や Azure にスタンドアローン管理クラスタを展開するために Tanzu CLI をインストールする場合に固有のものです。vSphere 8 の vSphere with Tanzu スーパーバイザーで使用する Tanzu CLI をインストールする場合は、『Tanzu CLI を使用した TKG 2.3 ワークロード クラスタの作成と管理』の対応するトピック「vSphere with Tanzu スーパーバイザーで使用する Tanzu CLI と Kubernetes CLI のインストール」を参照してください。
Tanzu Kubernetes Grid で使用する Tanzu CLI をインストールして実行するブートストラップ マシンは、特定の要件を満たしている必要があります。管理クラスタとしての vSphere with Tanzu スーパーバイザーで Tanzu CLI を使用するか、スタンドアローン管理クラスタを展開するか、またはその両方を実行するかに応じて、さらに要件があります。
Tanzu Kubernetes Grid v2.3 で Tanzu CLI を実行するには、Tanzu CLI をインストールして実行するブートストラップ マシンに以下が必要です。
ブートストラップ マシンが Windows で動作している場合、VMware では、Ubuntu 20.04.4 LTS で Windows Subsystem for Linux (WSL) をインストールすることを推奨しています。これにより、Windows で Linux コマンドを実行できます。WSL の詳細については、Microsoft のドキュメントの「WSL のインストール」を参照してください。
VMware Cloud on AWS および Azure VMware Solution では、ブートストラップ マシンはローカル物理マシンではなく、クラウド仮想マシンである必要があります。セットアップ手順については、「VMware Cloud 環境への管理クラスタの展開の準備」を参照してください。
スタンドアローン管理クラスタを展開するには、ブートストラップ マシンが実行されているオペレーティング システムに応じて、追加の要件があります。
kind
コンテナに対応するために、Docker デスクトップに少なくとも 6 GB のメモリを割り当てる。kind
ドキュメントの「Settings for Docker Desktop」を参照してください。snap
の代わりに apt
を使用します。インターネットが制限された環境に Docker クライアント アプリケーションをインストールする手順については、「インターネットが制限された環境の準備」を参照してください。docker
ユーザー グループに追加します。グループがまだない場合は作成します。これにより、Tanzu CLI は、root
ユーザーが所有する Docker ソケットにアクセスできます。詳細については、Docker ドキュメントの「Manage Docker as a non-root user」を参照してください。ブートストラップ マシンで Ubuntu 22.04 が実行されている場合は、リバース パス フィルタリングが無効になっていることを確認します。リバース パス フィルタリングを無効にするには、次のオーバーライドを追加します。
# New file /etc/sysctl.d/90-override.conf
ipv4.conf.all.rp_filter = 0
ブートストラップ マシンに 2021 年 5 月の Linux セキュリティ パッチの後にビルドされた Linux カーネルがある場合は、Tanzu CLI がローカル ブートストラップ クラスタの作成に使用する kind
を有効にして、直近の Linux バージョンがデフォルトで読み取り専用にした制御ファイルに書き込む必要があります。
このファイル権限を変更する方法は、Linux ディストリビューションによって異なります。たとえば、Linux 5.11 および 5.12 の Fedora ディストリビューションでは、次のコマンドを実行します。
sudo sysctl net/netfilter/nf_conntrack_max=131072
Debian ディストリビューションで、nf_conntrack_max=131072
を sysctl.conf
ファイルに追加し、次のコマンドを実行します。
sudo modprobe nf_conntrack
「既存のブートストラップ クラスタを使用した管理クラスタの展開と削除」の説明に従ってトラブルシューティングを行う場合は、kind
v0.11 以降を使用して、事前に存在するパーシステント ブートストラップ クラスタを作成する必要があります。
kind
コンテナに対応するために、Docker デスクトップに少なくとも 6 GB のメモリを割り当てる。kind
ドキュメントの「Settings for Docker Desktop」を参照してください。ブートストラップ マシンが Windows Subsystem for Linux を実行しており、2021 年 5 月の Linux セキュリティ パッチの後に作成された Linux カーネル(Fedora を使用する Linux 5.11 や 5.12 など)を持つ場合は、次のコマンドを実行します。
sudo sysctl net/netfilter/nf_conntrack_max=131072
これにより、tanzu
CLI がローカル ブートストラップ クラスタの作成に使用する kind
が、直近の Linux バージョンがデフォルトで読み取り専用にした制御ファイルに書き込みます。
「既存のブートストラップ クラスタを使用した管理クラスタの展開と削除」の説明に従ってトラブルシューティングを行う場合は、kind
v0.11 以降を使用して、事前に存在するパーシステント ブートストラップ クラスタを作成する必要があります。
Tanzu Kubernetes Grid v2.3 で使用する Tanzu CLI をインストールするには、Tanzu Core CLI と Tanzu Kubernetes Grid v2.3 用の Tanzu CLI プラグインの互換性のあるバージョンをインストールします。これらのプラグインによって提供されるコマンドにより、クラスタおよびパッケージの操作が可能になります。互換 CLI バージョンのリストについては、製品の相互運用性マトリックスを参照してください。
Tanzu Core CLI をインストールするには、次の手順を実行します。手順を確認するには、[パッケージ マネージャを使用したインストール (Install using a package manager)] または [バイナリ リリースからのインストール (Install from a binary release)] タブをクリックします。
Tanzu Core CLI をインストールしたら、「TKG v2.3 の Tanzu CLI プラグインのインストール」に進みます。
注Tanzu CLI の既存のインストールを保持する場合は、CLI バイナリを
/usr/local/bin/tanzu
から別の場所に移動し、次の手順を実行します。
Tanzu CLI の互換性のあるバージョンを選択します。このリリースの Tanzu Kubernetes Grid と互換性のある CLI バージョンのリストについては、「製品の相互運用性マトリックス」を参照してください。
以下のパッケージ マネージャの手順に従います。
APT(Debian または Ubuntu):
インストールするバージョンが、Tanzu CLI の最新バージョン(たとえば、v1.0.0
)である場合、次のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install -y ca-certificates curl gpg
sudo mkdir -p /etc/apt/keyrings
curl -fsSL https://packages.vmware.com/tools/keys/VMWARE-PACKAGING-GPG-RSA-KEY.pub | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/tanzu-archive-keyring.gpg
echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/tanzu-archive-keyring.gpg] https://storage.googleapis.com/tanzu-cli-os-packages/apt tanzu-cli-jessie main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/tanzu.list
sudo apt update
sudo apt install -y tanzu-cli
Tanzu CLI の以前のバージョン(たとえば v0.90.1
)をインストールする場合は、次のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install -y ca-certificates curl gpg
sudo mkdir -p /etc/apt/keyrings
curl -fsSL https://packages.vmware.com/tools/keys/VMWARE-PACKAGING-GPG-RSA-KEY.pub | sudo gpg --dearmor -o /etc/apt/keyrings/tanzu-archive-keyring.gpg
echo "deb [signed-by=/etc/apt/keyrings/tanzu-archive-keyring.gpg] https://storage.googleapis.com/tanzu-cli-os-packages/apt tanzu-cli-jessie main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/tanzu.list
sudo apt update
sudo apt install tanzu-cli=0.90.1
Chocolatey (Windows):
インストールするバージョンが、Tanzu CLI の最新バージョン(たとえば、v1.0.0
)である場合、次のコマンドを実行します。
choco install tanzu-cli
Tanzu CLI の以前のバージョン(たとえば v0.90.1
)をインストールする場合は、次のコマンドを実行します。
choco install tanzu-cli --version 0.90.1
Homebrew (MacOS):
インストールするバージョンが、Tanzu CLI の最新バージョン(たとえば、v1.0.0
)である場合、次のコマンドを実行します。
brew update
brew install vmware-tanzu/tanzu/tanzu-cli
Tanzu CLI の以前のバージョン(たとえば v0.90.1
)をインストールする場合は、次のコマンドを実行します。
brew update
brew tap-new local/tap
brew extract --version=0.90.1 vmware-tanzu/tanzu/tanzu-cli local/tap
brew install [email protected]
YUM または DNF (RHEL):
インストールするバージョンが、Tanzu CLI の最新バージョン(たとえば、v1.0.0
)である場合、次のコマンドを実行します。
cat << EOF | sudo tee /etc/yum.repos.d/tanzu-cli.repo
[tanzu-cli]
name=Tanzu CLI
baseurl=https://storage.googleapis.com/tanzu-cli-os-packages/rpm/tanzu-cli
enabled=1
gpgcheck=1
repo_gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.vmware.com/tools/keys/VMWARE-PACKAGING-GPG-RSA-KEY.pub
EOF
sudo yum install -y tanzu-cli # If you are using DNF, run sudo dnf install -y tanzu-cli.
Tanzu CLI の以前のバージョン(たとえば v0.90.1
)をインストールする場合は、次のコマンドを実行します。
cat << EOF | sudo tee /etc/yum.repos.d/tanzu-cli.repo
[tanzu-cli]
name=Tanzu CLI
baseurl=https://storage.googleapis.com/tanzu-cli-os-packages/rpm/tanzu-cli
enabled=1
gpgcheck=1
repo_gpgcheck=1
gpgkey=https://packages.vmware.com/tools/keys/VMWARE-PACKAGING-GPG-RSA-KEY.pub
EOF
sudo yum install tanzu-cli-0.90.1 # If you are using DNF, run sudo dnf install tanzu-cli-0.90.1.
CLI の正しいバージョンが正しくインストールされていることを確認します。例:
tanzu version
version: v1.0.0
...
Tanzu CLI のバイナリ リリースを Customer Connect からダウンロードしてインストールするには、次の手順を実行します。
Tanzu CLI バイナリをダウンロードして展開します。
OS の Tanzu CLI ファイルを展開します。ファイルを展開するには、選択した抽出ツールを使用します。たとえば、Linux または macOS では、tar
コマンドを使用できます。
macOS:
tar -xvf tanzu-cli-darwin-amd64.tar.gz
Linux:
tar -xvf tanzu-cli-linux-amd64.tar.gz
Windows:
Windows の解凍ツールを使用して、tanzu-cli-windows-amd64.zip
を解凍します。
CLI をシステムで使用できるようにします。
macOS:
バイナリを /usr/local/bin
にインストールします。
install tanzu-cli-darwin_amd64 /usr/local/bin/tanzu
Linux:
バイナリを /usr/local/bin
にインストールします。
sudo install tanzu-cli-linux_amd64 /usr/local/bin/tanzu
Windows:
Program Files\tanzu
フォルダを作成します。tanzu-cli-windows_amd64.exe
ファイルを新しい Program Files\tanzu
フォルダにコピーします。tanzu-cli-windows_amd64.exe
の名前を tanzu.exe
に変更します。tanzu
フォルダを右クリックして [プロパティ] > [セキュリティ] を選択し、ユーザー アカウントに [フル コントロール] 権限があることを確認します。env
を検索します。Path
行を選択し、[編集] をクリックします。tanzu
CLI へのパスを入力します。パスの値に .exe
拡張子を含めないようにしてください。たとえば、C:\Program Files\tanzu
です。CLI の正しいバージョンが正しくインストールされていることを確認します。例:
tanzu version
version: v1.0.0
...
GitHub のバイナリ リリースから Tanzu CLI をダウンロードしてインストールするには、『Tanzu CLI のインストール』の「GitHub プロジェクトのバイナリ リリースから」セクションの手順に従います。
Tanzu Kubernetes Grid v2.3 用のスタンドアローン Tanzu CLI プラグインをインストールするには、次の手順を実行します。
Tanzu Kubernetes Grid v2.3 用のスタンドアローン Tanzu CLI プラグインを一覧表示します。
tanzu plugin group get vmware-tkg/default:v2.3.1
出力は次のようになります。
Plugins in Group: vmware-tkg/tkg:v2.3.1
NAME TARGET VERSION
isolated-cluster global v0.30.2
management-cluster kubernetes v0.30.2
package kubernetes v0.30.2
pinniped-auth global v0.30.2
secret kubernetes v0.30.2
telemetry kubernetes v0.30.2
vmware-tkg/default
プラグイン グループで使用可能なすべてのバージョンを一覧表示するには、次のコマンドを実行します。
tanzu plugin group search -n vmware-tkg/default --show-details
Tanzu Kubernetes Grid v2.3 用のスタンドアローン プラグインをインストールします。
tanzu plugin install --group vmware-tkg/default:v2.3.1
プラグインが正常にインストールされたことを確認します。
tanzu plugin list
tanzu plugin group get vmware-tkg/default:v2.3.1
によって返される各プラグイン名とプラグインのバージョンが tanzu plugin list
の出力に含まれている必要があります。
注Tanzu CLI および Tanzu Kubernetes Grid のスタンドアローン プラグインをインストールした後でも、それらを使用して管理クラスタに接続するまでは、
tanzu cluster
やtanzu kubernetes-release
など、コンテキスト固有のすべての CLI コマンド グループは使用できず、Tanzu CLI--help
の出力にも含まれません。管理クラスタに接続すると、Tanzu CLI はコンテキストスコープのプラグインを自動的にインストールします。Tanzu CLI プラグインとそのインストール方法の詳細については、「Tanzu CLI プラグインのインストール」を参照してください。
ブートストラップ マシンで Kubernetes CLI kubectl
をダウンロードして展開し、システムで使用できるようにします。
VMware Customer Connect にアクセスし、VMware Customer Connect の認証情報を使用してログインします。
Kubectl 1.26.8 for VMware Tanzu Kubernetes Grid 2.3.1 というラベルのセクションまでスクロールします。
(オプション)ダウンロードしたファイルが元のファイルから変更されていないことを確認します。VMware は、ダウンロードごとに SHA-1、SHA-256、および MD5 チェックサムを提供します。これらのチェックサムを取得するには、ダウンロードするエントリの下にある [詳細を表示] をクリックします。詳細については、「暗号化ハッシュの使用」を参照してください。
オペレーティング システムの kubectl
バイナリを展開するには、選択した抽出ツールを使用します。たとえば、gunzip
コマンドなどです。
gunzip kubectl-mac-v1.26.8+vmware.2.gz
gunzip kubectl-linux-v1.26.8+vmware.2.gz
kubectl-windows-v1.26.8+vmware.2.exe.gz
を解凍します。
CLI をシステムで使用できるようにします。
ダウンロードしたファイルを実行可能にします。
chmod ugo+x kubectl-mac-v1.26.8+vmware.2
バイナリを /usr/local/bin
にインストールします。
sudo install kubectl-mac-v1.26.8+vmware.2 /usr/local/bin/kubectl
kubectl version
を実行して、kubectl
の正しいバージョンがインストールされ、実行可能であることを確認します。
kubectl version
ダウンロードしたファイルを実行可能にします。
chmod ugo+x kubectl-linux-v1.26.8+vmware.2
バイナリを /usr/local/bin
にインストールします。
sudo install kubectl-linux-v1.26.8+vmware.2 /usr/local/bin/kubectl
kubectl version
を実行して、kubectl
の正しいバージョンがインストールされ、実行可能であることを確認します。
kubectl version
Program Files\kubectl
フォルダを作成します。kubectl-windows-v1.26.8+vmware.2.exe
ファイルを見つけて、新しい Program Files\kubectl
フォルダにコピーします。kubectl-windows-v1.26.8+vmware.2.exe
の名前を kubectl.exe
に変更します。kubectl
フォルダを右クリックして [プロパティ] > [セキュリティ] を選択し、ユーザー アカウントに [フル コントロール] 権限があることを確認します。env
を検索します。Path
行を選択し、[編集] をクリックします。kubectl
CLI へのパスを入力します。kubectl version
を実行して、CLI の正しいバージョンが適切にインストールされていることを確認します。
kubectl version
スタンドアローン管理クラスタをクラウド プロバイダに展開するには、「スタンドアローン管理クラスタの展開」の手順に従います。