Workspace ONE Access で割り当てられた ThinApp パッケージをユーザーが実行できるようにするには、ユーザーの Windows システムに Workspace ONE Access Desktop アプリケーションがインストールされ実行されている必要があります。
ThinApp パッケージは、仮想 Windows アプリケーションです。ThinApp パッケージが Windows システムに配布されると、Windows システムにログインしたユーザーは、Windows システムに登録されたそれらの ThinApp パッケージを起動および実行することができます。Workspace ONE Access を使用して、Workspace ONE Access と互換性のある ThinApp パッケージを配布および管理できます。
- そのユーザーが使用するために、仮想アプリケーションの ThinApp パッケージが、Workspace ONE Access により登録されている。
- 使用される Windows システムで特定の DLL が利用できる。
- hws-desktop-client.exe プロセスが実行中である。
Windows システムでこの DLL が使用されるのは、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションがインストールされている場合のみであり、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションがそのシステム上で実行されている場合は、hws-desktop-client.exe プロセスが実行中であるため、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションを Windows システムにインストールして、Workspace ONE Access によって配布および管理される ThinApp パッケージを実行する必要があります。
ThinApp パッケージを使用するための Workspace ONE Access Desktop アプリケーションの展開
Workspace ONE Access Desktop アプリケーションは、そのインストーラ EXE ファイルをダブルクリックする、コマンド ライン オプションを使用して実行可能ファイルを実行する、またはコマンド ライン オプションを使用するスクリプトを実行するのいずれかの方法よりインストールできます。アプリケーションをインストールするには、ローカルの管理者権限が必要です。インストーラの EXE ファイルをダブルクリックして Workspace ONE Access Desktop アプリケーションをインストールする方法については、『Workspace ONE Access Desktop の使用』を参照してください。
インストールしたアプリケーションの構成により、Workspace ONE Access が配布する ThinApp パッケージを Windows システムに展開する方法が決まります。デフォルトでは、インストーラの EXE ファイルをダブルクリックして Workspace ONE Access Desktop アプリケーションをインストールすると、クライアントは AUTO_TRY_HTTP オプションが有効な COPY_TO_LOCAL 展開モードで ThinApp パッケージを展開するよう構成されます。このデフォルトのインストーラ オプションの結果、いわゆるダウンロード展開モードになります。COPY_TO_LOCAL と AUTO_TRY_HTTP を使用するデフォルト設定では、クライアント アプリケーションはまず Windows システムのエンドポイントに ThinApp パッケージをコピーする方法で、ThinApp パッケージをダウンロードしようとします。この方法が失敗すると、クライアント アプリケーションは HTTP を使用して ThinApp パッケージをダウンロードします。
ThinApp パッケージをローカル Windows システムにダウンロードしたら、ローカル システムで仮想アプリケーションを実行します。
仮想アプリケーションをローカル Windows システムにダウンロードすると Windows システムの領域が使用されるので、これを避けるため、ユーザーがいわゆるストリーミング展開モードを使用してネットワーク共有から ThinApp パッケージを実行するように設定できます。ユーザーがストリーミング モードを使用して ThinApp パッケージを実行できるようにするには、コマンドライン インストール プロセスを使用して Windows システムに Workspace ONE Access Desktop アプリケーションをインストールする必要があります。インストーラには、ThinApp パッケージにランタイム展開モードを設定するために使用するコマンドライン オプションが用意されています。ランタイム展開モードを設定して ThinApp パッケージをストリームするには、RUN_FROM_SHARE インストーラ オプションを使用します。
Windows エンドポイント上の ThinApp パッケージに適切な展開モードの決定
Windows エンドポイントの Workspace ONE Access Desktop アプリケーションの構成により、Workspace ONE Access を使用して配布される ThinApp パッケージの展開に、ThinApp ダウンロード モードのいずれか(COPY_TO_LOCAL または HTTP_DOWNLOAD)、ThinApp ストリーミング モード、または RUN_FROM_SHARE を使用するかどうかが決まります。Windows エンドポイントに Workspace ONE Access Desktop アプリケーションをサイレント インストールするスクリプトを作成する場合は、ThinApp パッケージ展開モードを設定するオプションを指定します。ネットワーク レイテンシなどを考慮しながら、選択したエンドポイントのネットワーク環境に最適な展開モードを選択します。
ストリーミング モードでは、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションを Workspace ONE Access と同期するときに、クライアントが ThinApp パッケージの仮想 Windows アプリケーションのアプリケーション ショートカットを Windows デスクトップにダウンロードします。ユーザーが ThinApp パッケージを起動すると、仮想 Windows アプリケーションは ThinApp パッケージが配置されているファイル共有で実行されます。
そのため、ストリーミング モードは、複数のユーザーが共有する Windows デスクトップ、または Horizon デスクトップなどのネットワーク共有に常に接続するシステム用に最適です。
ダウンロード モードでは、最初に ThinApp パッケージを使用または更新するときに、まず ThinApp パッケージが Windows システムにダウンロードされ、その後ショートカットが作成されるまで待機する必要があります。初回ダウンロードが終了したら、ローカル Windows システムで仮想 Windows アプリケーションを起動して実行します。
/v INSTALL_MODE=RUN_FROM_SHARE
を使用して ThinApp ストリーミング モードでクライアントを設定することをお勧めします。フローティング Horizon デスクトップで ThinApp パッケージを使用する場合は、RUN_FROM_SHARE オプションが最適なランタイムを実現します。
Workspace ONE Access Desktop 用のコマンド ライン インストーラ オプションを参照してください。
モード | 説明 |
---|---|
ThinApp ストリーミング モード | ThinApp ストリーミング モードでは、仮想アプリケーションは起動のたびにストリームされます。この方法では、仮想アプリケーションをデスクトップにコピーする際に使用されるはずのデスクトップのディスク容量を使用せずに済みます。アプリケーションを実行するには、デスクトップが ThinApp パッケージのネットワーク共有に接続されている必要があります。 次のような環境では、必要とされる一貫性と安定性がもたらされる可能性が高くなります。
Windows システムにログインするために使用するアカウントは、ネットワーク共有から ThinApp パッケージを取得する際に使用します。そのアカウントには、ネットワーク共有からファイルを読み取って実行するための適切な権限が必要です。 |
ThinApp ダウンロード モード | ThinApp ダウンロード モードでは、アプリケーションは Windows エンドポイントにダウンロードされます。ユーザーは、エンドポイントでローカルに仮想アプリケーションを実行します。次のような状況では、ThinApp ダウンロード モードをお勧めします。
Workspace ONE Access では、COPY_TO_LOCAL および HTTP_DOWNLOAD の 2 種類の ThinApp ダウンロード モードが提供されます。クライアントが COPY_TO_LOCAL 用に構成されている場合は、AUTO_TRY_HTTP オプションが有効でない限り、Windows エンドポイントをファイル共有と同じドメインに参加させる必要があります。 AUTO_TRY_HTTP オプションが有効で、Windows エンドポイントが同じドメインに参加していなかったり、ThinApp パッケージの初回ダウンロードに失敗すると、Workspace ONE Access Desktop アプリケーションは、HTTP_DOWNLOAD モードで HTTP プロトコルを使用して ThinApp パッケージを自動的にダウンロードします。HTTP_DOWNLOAD を使用する場合、Windows エンドポイントはファイル共有と同じドメインに参加する必要はありません。ただし、HTTP_DOWNLOAD を使用する場合のコピーおよび同期にかかる時間は、COPY_TO_LOCAL を使用する場合に比べてかなり長くなります。 COPY_TO_LOCAL を使用する場合は、Windows システムにログインするために使用するアカウントをネットワーク共有から ThinApp パッケージを取得する際に使用します。そのアカウントには、ネットワーク共有からファイルを読み取ってコピーするための適切な権限が必要です。HTTP_DOWNLOAD を使用する場合、コネクタから ThinApp パッケージのネットワーク共有へのアクセスを構成するときに Workspace ONE Access コンソールに入力する共有ユーザー アカウントは、ThinApp パッケージのダウンロードに使用するアカウントです。共有ユーザー アカウントには、ネットワーク共有からファイルをコピーするために、ThinApp パッケージのネットワーク共有の読み取り権限が必要です。 |
ThinApp パッケージのネットワーク共有は、Windows エンドポイントに対して設定されている展開モードの適切な要件を満たしている必要があります。