複数の vCenter Server インスタンスを含んだ環境をアップグレードまたは移行するときは、アップグレードまたは移行の順序が重要となります。

外部にデプロイされた Platform Services Controller 6.0 および 6.5 インスタンスを最初にアップグレードまたは移行します。Platform Services Controller 6.0 または 6.5 インスタンスのアップグレード プロセスまたは移行プロセスを実行している間、バージョン 6.0 またはバージョン 6.5 の vCenter Server インスタンスは一時的に放置します。

  • Platform Services Controller 6.0 または 6.5 インスタンスは、段階的にアップグレードまたは移行する必要があります。
  • Windows 上の Platform Services Controller 6.0 または 6.5 インスタンスと vCenter Server Appliance インスタンスを含む混在プラットフォーム環境では、まず Windows 上の Platform Services Controller 6.0 または 6.5 インスタンスをすべてアップグレードまたは移行した後で、vCenter Server Appliance インスタンスをアップグレードします。
  • Platform Services Controller 6.0 または 6.5 アプライアンスと Windows 上の vCenter Server インスタンスを含む混在プラットフォーム環境では、まず Platform Services Controller 6.0 または 6.5 アプライアンスをすべてアップグレードした後で、Windows 上の vCenter Server インスタンスをアップグレードまたは移行します。
  • Platform Services Controller 6.0 または 6.5 インスタンスをアップグレードまたは移行した後、vCenter Server インスタンスをアップグレードすることができます。同じ Platform Services Controller を参照する vCenter Server インスタンスは、同時にアップグレードまたは移行することができます。

外部にデプロイされた Platform Services Controller 6.0 インスタンスを外部にデプロイされた Platform Services Controller 6.7 インスタンスにアップグレードしたとき、そのコンポーネントを使用していたレガシー vCenter Server インスタンスは影響を受けません。レガシー vCenter Server インスタンスは、アップグレード前と同様、アップグレードされた Platform Services Controller と連携し続け、問題が発生したり、再構成が必要になったりすることはありません。レガシー vCenter Server インスタンスは引き続きレガシー vSphere Web Client から見えますが、レガシー vSphere Web Client からは vCenter Server 6.7 インスタンスが見えません。

Windows 上の vCenter Server 環境からアプライアンス環境に移行するときの動作は、Windows 上における vCenter Server のアップグレードの場合と変わりません。

図 1. 6.0 と 6.7 のバージョンが混在する移行環境

6.0 および 6.7 のバージョンが混在する移行環境
重要: バージョン混在環境は、本番環境ではサポートされません。 vCenter Server のバージョンを移行する時以外は、そのような環境を使用しないでください。

vCenter Server 6.0 または 6.5 環境を vCenter Server6.7 環境にアップグレードまたは移行する場合も、移行の順序と動作は同じです。vCenter Server 6.0 インスタンスは、アップグレード前または移行前と同様に、Platform Services Controller 6.7 インスタンスと連携し続け、問題が発生したり、アクションが必要になったりすることはありません。

バージョンが混在する環境で移行後に必要とされるアクションは、レガシー vSphere Web Client インスタンスを再起動することのみです(まだアップグレードも移行もされていない vCenter Server インスタンスを表示する目的でそれらを使用する場合)。

図 2. 移行開始前の vSphere 6.0 または 6.5 環境の例

移行開始前の vSphere 6.0 または 6.5 環境の例

たとえば、3 つの vCenter Server インスタンスおよび 2 つの外部 Platform Services Controller インスタンスを使用するデプロイでは、1 つのインスタンスずつバージョン 6.7 にアップグレードする必要があります。

図 3. vSphere 6.0 または 6.5 環境の移行例(第 1 段階)


最初の外部 Platform Services Controller インスタンスを、現在のバージョンの外部 Platform Services Controller にアップグレードまたは移行しても、レガシー vCenter Server インスタンスに影響はありません。

図 4. vSphere 6.0 または 6.5 環境の移行例(第 2 段階)

vSphere 6.0 または 6.5 環境の移行例(第 2 段階)

2 つ目の外部 Platform Services Controller インスタンスを最新バージョンにアップグレードまたは移行しても、レガシー vCenter Server インスタンスの動作に影響はありません。

図 5. vSphere 6.0 または 6.5 環境の移行例(第 3 段階)

vSphere 6.0 または 6.5 環境の移行例(第 3 段階)

最初の vCenter Server インスタンスを 6.7 にアップグレードした後、vCenter Server インスタンス間の接続に変更が発生します。

  • 残り 2 つあるレガシー vSphere Web Client インスタンスは、新しくアップグレードされた vCenter Server 6.7 インスタンスが Platform Services Controller インスタンスに参加した後は、新しくアップグレードされたそのインスタンスを表示できなくなります。
  • レガシー vSphere Web Client インスタンスは引き続き、レガシー vCenter Server インスタンスを再起動後に表示することができます。
  • 新たにアップグレードされた vCenter Server6.7 インスタンスの構成要素である vSphere Web Client 6.7 インスタンスからは、レガシー vCenter Server インスタンスと 6.7 インスタンスとを表示することができます。

2 つ目の vCenter Server インスタンスを 6.7 にアップグレードした後、vCenter Server インスタンス間の接続にさらに変更が発生します。

  • リンク モード機能は、新しくアップグレードされた vCenter Server6.7 インスタンスが Platform Services Controller に参加した後に、それらのインスタンス間で拡張リンク モード機能に置き換えられます。
  • 残っているレガシー vSphere Web Client インスタンスからは、vCenter Server 6.7 インスタンスを表示できなくなります。
  • レガシー vSphere Web Client インスタンスは引き続き、レガシー vCenter Server インスタンスを再起動後に表示することができます。
  • 新たにアップグレードされた vCenter Server6.7 インスタンスの構成要素である vSphere Web Client 6.7 インスタンスからは、レガシー vCenter Server インスタンスと 6.7 インスタンスとを表示することができます。
図 6. アップグレードが完了した vSphere 6.0 デプロイ環境の例(第 5 段階後)

バージョン 6.7 へのアップデートが完了した vSphere 6.0 または 6.5 環境の例(第 5 段階後)

3 つ目と最後の vCenter Server インスタンスを 6.7 にアップグレードした後、すべての vCenter Server インスタンスが vCenter Server 6.7 の全機能に接続されます。

  • レガシー全 vCenter Server インスタンス間のリンク モード機能は、Platform Services Controller 6.7 インスタンスへの参加後、拡張リンク モード機能に置き換えられます。
  • vSphere Web Client6.7 インスタンスは、すべての vCenter Server 6.7 インスタンスを表示できます。