vSphere Lifecycle Manager がソフトウェア アップデートを利用できるのは、オンライン デポでオフライン デポ、またはインストール可能な ISO イメージとして配布されている場合のみです。したがって、VMware、OEM、およびサードパーティのソフトウェア ベンダーは、この 3 つのいずれかの形式でソフトウェア アップデートを配布する必要があります。

オンライン デポ

オンライン デポは、VMware、OEM、およびサードパーティ ソフトウェア プロバイダが配布するソフトウェア アップデートのホスト バージョンです。オンライン デポにアクセスするには、URL を使用します。vSphere Lifecycle Manager は、使用するように設定されたオンライン デポから vSphere Lifecycle Manager デポにコンテンツをダウンロードします。vSphere Lifecycle Manager は、デフォルトの VMware オンライン デポからアップデートをダウンロードするように事前に構成されています。vSphere Client を使用すると、追加のコンポーネントを含むサードパーティ オンライン デポにアクセスできます。

同期とは、vSphere Lifecycle Manager が使用するように構成されたオンライン デポのコンテンツを vSphere Lifecycle Manager デポに取り込むプロセスです。同期中は、ソフトウェア メタデータのみがダウンロードされます。実際のペイロードは、ステージング時や修正時など、必要なときにダウンロードされます。vCenter Server をデプロイすると、vSphere Lifecycle Manager は公式の VMware オンライン デポと自動的に同期します。最初の同期の後、ダウンロード タスクを定期的に実行するようにスケジューリングしたり、ダウンロード タスクを手動で開始したりできます。

デフォルトの VMware オンライン デポ

VMware が提供する、VMware によって認定された ESXi 基本イメージ、ベンダー アドオン、および ESXi 互換の I/O デバイス ドライバ、および非同期 VMware Tools リリースがホストされているデフォルトのオンライン デポです。デフォルトでは、vSphere Lifecycle Manager は、ソフトウェア アップデートのダウンロード元として VMware の公式オンライン デポを使用するように構成されています。

以前の vSphere のリリースとは異なり、ホストの ESXi バージョンをインストール、更新、またはカスタマイズするために必要なすべてのソフトウェアは、オンラインの VMware 公式デポで入手できます。


vSphere 7.0 での VMware 公式デポの違いを示す図

ファームウェアのアップデートは VMware デポにホストされていません。ファームウェアのアップデートを実行するには、ハードウェア ベンダーが提供するハードウェア サポート マネージャ プラグインをインストールする必要があります。このプラグインを使用すると、必要なファームウェアおよび関連ドライバのアップデートが含まれているデポにアクセスできます。

vSphere Client では、CIM モジュールなど、追加のサードパーティ コンポーネントのダウンロード元となる vSphere Lifecycle Manager の他のオンライン デポを一覧表示できます。ただし、他のサードパーティ デポおよび独立したコンポーネントを使用する必要はほとんどありません。ほとんどの場合、公式の VMware デポで入手可能なベンダー アドオンは、ESXi の完全な OEM カスタマイズ版となります。

VMware の公式オンライン デポにホストされているすべてのソフトウェア アップデートは、オフライン バンドルとしても利用できます。オフライン バンドルは、my.vmware.com からダウンロードして、vSphere Lifecycle Manager デポに手動でインポートできます。

オフライン デポ

オフライン デポは、オフライン バンドルとも呼ばれている ZIP ファイルです。ユーザーはこのファイルをインターネットからダウンロードするか、メディア ドライブからコピーして、ローカル ドライブまたは共有ネットワーク ドライブに保存します。その後、オフライン バンドルを vSphere Lifecycle Manager デポにインポートできます。オフライン バンドルは、VMware の Web サイト、またはサードパーティ ベンダーの Web サイトからダウンロードすることもできます。

OEM は offline.zip ファイル(オフライン バンドル)とカスタム ISO イメージを配布するほかに、OEM 独自のイメージと VMware が提供する基本イメージの差分が含まれている Add-on.zip ファイルを配布します。OEM アドオンの詳細については、通知、コンポーネント、アドオン、および ESXi の基本イメージを参照してください。

インポートとは、オフライン バンドルのコンテンツを vSphere Lifecycle Manager デポに取り込む操作です。インポート操作では、ソフトウェア メタデータと実際のペイロードの両方が vSphere Lifecycle Manager デポにダウンロードされます。

表 1. ソフトウェア配布ファイルと対応する配布形式
ソフトウェア ベンダー ソフトウェア配布ファイル ソフトウェア配布形式
VMware 基本イメージ
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
  • ISO イメージ
OEM アドオン
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
  • アドオンの ZIP ファイル
  • ISO イメージ
サードパーティ ソフトウェア プロバイダ コンポーネント VMware 認定デバイス ドライバの場合:
  • デフォルトの VMware オンライン デポ
  • オフライン バンドル
OEM が検証および認定した他のサードパーティ ソフトウェア(I/O フィルタ、CIM モジュールなど)の場合:
  • オンライン デポ
  • オフライン バンドル