ESXi 環境で NVMe ストレージの使用を開始する前に、NVMe の基本的な概念について理解しておく必要があります。

NVM Express (NVMe)
NVMe は、ホストとターゲット ストレージ システム間で接続およびデータ転送するための方法です。NVMe は、フラッシュ デバイスなどの不揮発性メモリを備えた高速ストレージ メディアで使用するように設計されています。このタイプのストレージは、低遅延、少ない CPU 使用率、高パフォーマンスを実現し、通常は SCSI ストレージの代替手段として機能します。
NVMe の転送
NVMe ストレージは、PCIe インターフェイスを使用してホストに直接接続することも、異なるファブリック転送を使用して間接的に接続することもできます。VMware NVMe over Fabrics (NVMe-oF) では、ホストと共有ストレージ アレイ上のターゲット ストレージ デバイス間の遠距離接続が可能になります。
NVMe の転送については現在、次のタイプがあります。詳細については、『 VMware NVMe ストレージの要件および制限事項』を参照してください。
NVMe の転送 ESXi のサポート対象
NVMe over PCIe ローカル ストレージ。
NVMe over RDMA 共有 NVMe-oF ストレージ。RoCE v2 テクノロジーを使用します。
NVMe over Fibre Channel (FC-NVMe) 共有 NVMe-oF ストレージ。
NVME over TCP 共有 NVMe-oF ストレージ。
NVMe 名前空間
NVMe ストレージ アレイでは、名前空間は、一定量の不揮発性メモリによってバッキングされるストレージ ボリュームです。 ESXi のコンテキストでは、名前空間はストレージ デバイスまたは LUN の類義語です。 ESXi ホストが NVMe 名前空間を検出すると、その名前空間を表すフラッシュ デバイスが vSphere Client のストレージ デバイスのリストに表示されます。そのデバイスを使用して VMFS データストアを作成し、仮想マシンを格納できます。
NVMe コントローラ
コントローラは、1 つまたは複数の NVMe 名前空間に関連付けられ、 ESXi ホストとストレージ アレイ内の名前空間との間のアクセス パスを提供します。コントローラにアクセスするため、ホストはコントローラ検出とコントローラ接続の 2 つのメカニズムを使用します。詳細については、『 NVMe over Fabrics のコントローラの追加』を参照してください。
コントローラ検出
このメカニズムを使用すると、 ESXi ホストは最初に検出コントローラに接続します。検出コントローラは、使用可能なコントローラのリストを返します。ホストがアクセスするコントローラを選択すると、このコントローラに関連付けられたすべての名前空間がホストで使用できるようになります。
コントローラ接続
ESXi ホストは、指定したコントローラに接続します。このコントローラに関連付けられたすべての名前空間がホストで使用できるようになります。
NVMe サブシステム
通常、NVMe サブシステムは、複数の NVMe コントローラ、複数の名前空間、不揮発性メモリ ストレージ媒体、およびコントローラと不揮発性メモリ ストレージ媒体間のインターフェイスを含むストレージ アレイです。このサブシステムは、サブシステムの NVMe 修飾名 (NQN) で識別されます。
VMware High-Performance Plug-in (HPP)
デフォルトでは、 ESXi ホストは HPP を使用して、NVMe-oF ターゲットを要求します。I/O 要求の物理パスを選択する際、HPP は適切なパス選択スキーム (PSS) を適用します。HPP の詳細については、 VMware High Performance プラグインとパス選択スキームを参照してください。デフォルトのパス選択メカニズムを変更するには、 パス選択ポリシーの変更を参照してください。