ハードウェア アクセラレーションにより、ESXi ホストでは、NAS デバイスと統合してその NAS ストレージによって提供されるいくつかのハードウェア操作を使用できます。ハードウェア アクセラレーションでは、vSphere APIs for Array Integration (VAAI) を使用して、ホストとストレージ デバイスの間の通信を有効にします。

VAAI NAS フレームワークは、NFS ストレージの両方のバージョン、NFS 3 と NFS 4.1 をサポートしています。

VAAI NAS は、ホストからアレイへのストレージ操作の負荷をオフロードするために、ストレージ プリミティブのセットを使用します。次のリストにサポートされる NAS 操作を示します。

ファイルのフル クローン
仮想ディスク ファイルのクローンを作成するため、NAS デバイスの機能をサポートします。この操作は、NAS デバイスがファイル セグメントではなく、ファイル全体のクローンを作成する点を除き、VMFS のブロック クローン作成と似ています。ファイルのフル クローン操作を利用できるタスクには、仮想マシンのクローン作成、Storage vMotion、テンプレートからの仮想マシンのデプロイなどがあります。

ESXi ホストは、VAAI NAS を使用してデータをコピーするときに、NAS からデータを読み取ってデータを NAS に書き戻す必要はありません。単にコピー コマンドを送信して、負荷を NAS にオフロードします。コピー プロセスは NAS で行われるため、ホストの負荷が軽減されます。

ファイルの高速クローン
この操作は、アレイベースのスナップショットまたはネイティブ スナップショットとも呼ばれ、仮想マシンのスナップショットとリンク クローンの作成の負荷をアレイにオフロードします。
容量の予約
シック フォーマットで仮想ディスク ファイルの容量を割り当てるため、ストレージ アレイの機能をサポートします。

通常、仮想ディスクを NFS データストアで作成するときに、NAS サーバは割り当てポリシーを決定します。ほとんどの NAS サーバのデフォルトの割り当てポリシーはシンですが、ストレージをファイルに戻すことは保証されません。ただし、容量の予約操作によって、ベンダー固有のメカニズムを使用して仮想ディスク用の容量を予約するように NAS デバイスに指示される場合があります。したがって、バッキング NAS サーバが容量予約操作をサポートしている場合は、NFS データストアにシック仮想ディスクを作成できます。

拡張された統計
NAS デバイスでの容量使用量の可視化をサポートします。この操作により、NFS データストア上の仮想ディスクの容量使用率の詳細をクエリできます。詳細には、仮想ディスクのサイズと仮想ディスクの容量使用量が含まれます。この機能は、シン プロビジョニングに役立ちます。

NAS ストレージ デバイスによって、ハードウェア アクセラレーションの統合は、ベンダー固有の NAS プラグインによって実装されます。これらのプラグインは通常、ベンダーによって作成され、ベンダー パッケージとして配布されます。NAS プラグインが動作するための要求ルールは不要です。

NAS プラグインをインストールおよびアップデートするツールがいくつか利用可能です。ツールには esxcli コマンドと vSphere Lifecycle Manager が含まれています。詳細については、『ESXi のアップグレード』および『ホストとクラスタのライフサイクルの管理』を参照してください。インストールと更新の推奨事項については、ナレッジベースの記事を参照してください。

注: NAS ストレージ ベンダーから、VAAI のパフォーマンスと操作に影響を与える可能性のある追加設定が提供される場合があります。ベンダーの推奨事項に従い、NAS ストレージアレイと ESXi の両方で適切な設定を行います。詳細については、ストレージ ベンダー のドキュメントを参照してください。