vSAN データストアの容量監視、使用率の分析、および容量の内訳のクラスタ レベルでの表示が可能です。
クラスタの [サマリ] 画面には、vSAN キャパシティのサマリが表示されます。また、キャパシティ モニターで詳細情報も表示することもできます。
手順
- vSAN クラスタに移動します。
- [監視] タブをクリックします。
- vSAN で [容量] をクリックして、vSAN の容量情報を表示します。
結果
- [容量の概要] には、vSAN データストアのストレージ容量が表示されます。具体的には、合計容量、使用済み容量、空き容量、vSAN ディスク上で実際に書き込まれた容量、物理的に使用されている容量などが表示されます。クラスタでデデュープおよび圧縮が有効になっている場合は、デデュープおよび圧縮の節約量と比率を確認できます。
用語 説明 合計容量 クラスタ内の物理容量の合計。 空き容量 クラスタ内の空き容量の合計。 使用済み容量 クラスタ内で書き込み済みの物理容量の合計。 実際に書き込み済み 実際に使用されている容量。この容量は、デデュープまたは圧縮が有効になっていない場合に表示されます。 予約されたオブジェクト オブジェクト スペースの予約が指定されたポリシーで作成されたオブジェクトの予約容量。これは、オブジェクトが実際に使用している容量ではありません。 予約済み容量 操作の予約とホスト再構築の予約の容量。 - What-If 分析では、デデュープ比率を 1 に維持しながら、空き容量を予測できます。有効な空き容量は、選択したストレージ ポリシーに基づいて利用可能な空き容量の予測値です。トポロジまたはクラスタ内のフォルト ドメインの存在により、有効な空き容量はディスクで使用可能な空き容量を下回っています。
オーバーサブスクリプションには、シン プロビジョニングされたすべての仮想マシンとユーザー オブジェクトの容量がすべて使用された場合に必要な vSAN の容量が示されます。これは、vSAN の合計容量と比べて必要な使用量の比率を表します。オーバーサブスクリプションを計算する際に、vSAN は使用可能なすべての仮想マシン、ユーザー オブジェクト、ストレージ ポリシーのオーバーヘッドを考慮しますが、vSAN の名前空間とスワップ オブジェクトは考慮されません。
注: オーバーサブスクリプションは、6.7 Update 1 以降を実行している vSAN ホストにのみ適用されます。 - [デデュープおよび圧縮前の使用量の内訳] には、仮想マシン使用量、ユーザー オブジェクト、システム使用量などのカテゴリに基づいて使用量の内訳が表示されます。使用量カテゴリを円グラフで確認できます。円グラフをクリックすると、選択したカテゴリの詳細が表示されます。
表示される各種の使用カテゴリを以下に示します。
カテゴリ 説明 仮想マシン使用量 以下が表示されます。 - VM Home オブジェクト - 仮想マシンの名前空間オブジェクトの使用量。
- スワップ オブジェクト - 仮想マシンのスワップ ファイルの使用量。
- [VMDK] - プライマリ データおよびレプリカの使用量として分類できる、vSAN データストア上の VMDK オブジェクトによって使用される容量。プライマリ データには、オーバーヘッドを含まない、物理ディスクに書き込まれた実際のユーザー データが含まれます。[レプリカの使用量] には、仮想ディスクの RAID オーバーヘッドが表示されます。
- 仮想マシン メモリのスナップショット - 仮想マシンのメモリ スナップショット ファイルの使用量。
- [ブロック コンテナ ボリューム(仮想マシンに接続済み)] - 仮想マシンに接続されたコンテナ オブジェクトで使用される容量。
- vSphere Replication パーシステント状態ファイル - ソース サイトでパーシステント状態ファイル (PSF) の保存に使用される vSAN オブジェクト。
ユーザー オブジェクト iSCSI オブジェクト、仮想マシンに接続していないブロック コンテナ ボリューム、ユーザーが作成したファイル、ISO ファイル、仮想マシン テンプレート、ファイル共有、ファイル コンテナ ボリューム、ターゲット サイトで vSphere Replication サービスが使用している vSAN オブジェクトが表示されます。 システムの使用量 以下が表示されます。 - [パフォーマンス管理オブジェクト] - パフォーマンス サービスを有効にした場合に、パフォーマンス メトリックを保存するために作成されたオブジェクトで使用される容量。
- [ファイル システムのオーバーヘッド] - キャパシティ ドライブ上で発生する可能性のある vSAN オンディスク フォーマットのオーバーヘッド。
- [チェックサムのオーバーヘッド] - すべてのチェックサムを保存するオーバーヘッド。
- [デデュープおよび圧縮のオーバーヘッド] - デデュープと圧縮を利用するためのオーバーヘッド。このデータは、デデュープと圧縮を有効にした場合にのみ表示されます。
- 操作の使用量 - クラスタでの一時的な容量の使用量。一時的な容量の使用量には、FTT の変更によるリバランス操作やオブジェクトの移動で使用される一時的な容量が含まれています。
デデュープおよび圧縮が有効な場合、ディスク容量の再要求および再割り当てが行われるため、容量の更新がキャパシティ モニターに反映されるまでに数分かかることがあります。デデュープおよび圧縮の詳細については、『VMware vSAN の管理』の「デデュープおよび圧縮の使用」を参照してください。
vSAN データストアの使用量の履歴を確認できます。[容量の履歴] をクリックして時間の範囲を選択し、[結果を表示] をクリックします。
- 操作のしきい値:vSAN がクラスタの内部操作に必要とする容量を表します。使用中の容量が操作のしきい値を超えると、vSAN が正常に動作しなくなる場合があります。
- ホスト再構築のしきい値:1 台のホスト障害を許容するために vSAN が必要とする容量を表します。使用中の容量がホスト再構築のしきい値を超えると、ホストに障害が発生したときに、vSAN が障害ホストのすべてのデータを正常にリストアできない場合があります。
- 操作の予約:内部操作用にクラスタに予約された容量。
- ホスト再構築の予約:1 台のホストで障害が発生した場合に修復できるように vSAN に予約された容量。ホスト再構築の予約が有効になっている場合にのみ、キャパシティ モニターにホスト再構築のしきい値が表示されます。
クラスタ内でオブジェクトの再同期が進行中の場合、vSAN は、使用済みの容量を操作の使用量として容量チャートに表示します。クラスタ内に十分な空き容量がある場合、vSAN は再同期処理の時間を短縮するため、操作のしきい値よりも多くの容量を使用することがあります。
[構成] 使用して、容量の予約を有効にします。また、[構成] > [vSAN] > [サービス] で、容量の予約を有効にすることもできます。予約済みの容量を構成する方法については、予約済み容量の構成を参照してください。
クラスタ内で使用量がホスト再構築のしきい値を上回り、予約済み容量が有効になっていない場合、容量チャートが黄色に変わり、警告状態を示します。健全性アラームが生成され、容量を最も多く使用しているホストで障害が発生したときに vSAN がデータをリカバリできないことを通知します。ホスト再構築の予約を有効にした場合、再構築のしきい値の 80% に達すると、予約チャートが黄色に変わります。使用済みの容量が操作のしきい値を上回り、予約済み容量が有効になっていない場合、vSAN は、ポリシー変更によるリバランス、オブジェクト コンポーネントの再同期などの操作を実行または完了できなくなります。この場合、棒グラフが赤くなります。健全性アラームが生成され、ディスク使用量が操作のしきい値を超えていることを示します。容量の予約については、予約済み容量についてを参照してください。