スーパーバイザー クラスタ および Tanzu Kubernetes クラスタの HTTP プロキシ設定の構成方法を確認します。スーパーバイザー クラスタ および Tanzu Kubernetes クラスタを Tanzu Mission Control に登録する際に、これらのクラスタに HTTP プロキシを構成するためのワークフローについて説明します。Tanzu Mission Control に管理クラスタとして登録するオンプレミス スーパーバイザー クラスタ のイメージ プルおよびコンテナ トラフィックには、HTTP プロキシを使用します。

Tanzu Mission Control で使用する スーパーバイザー クラスタ および Tanzu Kubernetes クラスタで HTTP プロキシ設定を構成するためのワークフロー

Tanzu Mission Control に管理クラスタとして登録する スーパーバイザー クラスタ で HTTP プロキシを構成するには、次の手順を実行します。

  1. vSphere で、vCenter Server から HTTP プロキシ設定を継承するか、名前空間管理クラスタの API または DCLI コマンド ラインを使用して個々の スーパーバイザー クラスタ のプロキシ設定を構成して、スーパーバイザー クラスタ で HTTP プロキシを構成します。
  2. Tanzu Mission Control では、vSphere with Tanzuスーパーバイザー クラスタ に構成したプロキシ設定を使用して、プロキシ構成オブジェクトを作成します。vSphere with Tanzu で実行されている Tanzu Kubernetes Grid サービス クラスタのプロキシ構成オブジェクトの作成を参照してください。
  3. Tanzu Mission Control で、スーパーバイザー クラスタ を管理クラスタとして登録する場合は、このプロキシ構成オブジェクトを使用します。Tanzu Mission Control への管理クラスタの登録およびvSphere with Tanzu でのスーパーバイザー クラスタの登録の完了を参照してください。

Tanzu Mission Control でワークロード クラスタとしてプロビジョニングまたは追加する Tanzu Kubernetes クラスタに HTTP プロキシを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Tanzu Kubernetes クラスタで使用するプロキシ設定を使用して、プロキシ構成オブジェクトを作成します。vSphere with Tanzu で実行されている Tanzu Kubernetes Grid サービス クラスタのプロキシ構成オブジェクトの作成を参照してください。
  2. Tanzu Kubernetes クラスタをワークロード クラスタとしてプロビジョニングまたは追加する場合は、このプロキシ構成オブジェクトを使用します。vSphere with Tanzu でのクラスタのプロビジョニングおよびTanzu Mission Control 管理へのワークロード クラスタの追加を参照してください。

vSphere with Tanzu での Tanzu Kubernetes クラスタへの HTTP プロキシの構成

次のいずれかの方法を使用して、 vSphere with TanzuTanzu Kubernetes クラスタにプロキシを構成します。
注: Tanzu Mission Control を使用して Tanzu Kubernetes クラスタを管理する場合は、 vSphere with Tanzu のクラスタ YAML ファイルを使用してプロキシ設定を構成する必要はありません。 Tanzu Kubernetes クラスタをワークロード クラスタとして Tanzu Mission Control に追加するときにプロキシ設定を構成できます。

新規作成された vSphere 7.0 Update 3 スーパーバイザー クラスタ でのプロキシ設定の構成

vSphere 7.0 Update 3 環境で新規作成された スーパーバイザー クラスタ の場合、HTTP プロキシ設定は vCenter Server から継承されます。vCenter Server で HTTP プロキシ設定を構成する前または後に スーパーバイザー クラスタ を作成したかに関係なく、設定はクラスタによって継承されます。

vCenter Server で HTTP プロキシ設定を構成する方法については、DNS、IP アドレス、およびプロキシの設定を参照してください。

また、クラスタ管理 API または DCLI を使用して、個々の スーパーバイザー クラスタ で継承された HTTP プロキシの構成をオーバーライドすることもできます。

vCenter Server プロキシ設定の継承は、新しく作成された vSphere 7.0.3 スーパーバイザー クラスタ のデフォルト構成であるため、スーパーバイザー クラスタ がプロキシを必要とせず、vCenter Server が引き続きプロキシを必要とする場合は、クラスタ管理 API または DCLI を使用して HTTP プロキシ設定を継承しないことも可能です。

vSphere 7.0 Update 3 にアップグレードされた スーパーバイザー クラスタ でのプロキシ設定の構成

スーパーバイザー クラスタ を vSphere 7.0 Update 3 にアップグレードした場合、vCenter Server の HTTP プロキシ設定は自動的に継承されません。この場合は、vcenter/namespace-management/clusters API または DCLI コマンド ラインを使用して、スーパーバイザー クラスタ のプロキシ設定を構成します。

クラスタ管理 API を使用した スーパーバイザー クラスタ での HTTP プロキシの構成

vcenter/namespace-management/clusters API を使用して スーパーバイザー クラスタ プロキシ設定を構成します。この API には、スーパーバイザー クラスタ でプロキシを構成するオプションが 3 つあります。

API 設定

新規作成された vSphere 7.0.3 スーパーバイザー クラスタ

vSphere 7.0.3 にアップグレードされた スーパーバイザー クラスタ

VC_INHERITED これは新しい スーパーバイザー クラスタ のデフォルト設定です。API を使用して スーパーバイザー クラスタ のプロキシ設定を構成する必要はありません。vCenter Server の管理インターフェイスを使用してプロキシ設定を構成するだけで済みます。 この設定を使用して、HTTP プロキシの構成を vSphere 7.0.3 にアップグレードされた スーパーバイザー クラスタ にプッシュします。
CLUSTER_CONFIGURED

この設定を使用して、次のいずれかの場合に、vCenter Server から継承された HTTP プロキシ構成をオーバーライドします。

  • スーパーバイザー クラスタvCenter Server と異なるサブネット上にあり、別のプロキシ サーバが必要になる。
  • プロキシ サーバはカスタム CA バンドルを使用している。

この設定を使用して、次のいずれかの場合に、vSphere 7.0.3 にアップグレードされた個々の スーパーバイザー クラスタ に HTTP プロキシを構成します。

  • スーパーバイザー クラスタvCenter Server と異なるサブネット上にあり、別のプロキシ サーバが必要になるため、vCenter Server プロキシは使用できない。
  • プロキシ サーバはカスタム CA バンドルを使用している。
NONE スーパーバイザー クラスタ がインターネットに直接接続されている一方で、vCenter Server がプロキシを必要としている場合は、この設定を使用します。NONE の設定を使用すると、vCenter Server のプロキシ設定が スーパーバイザー クラスタ によって継承されなくなります。

HTTP プロキシを スーパーバイザー クラスタ に設定するか、既存の設定を変更するには、vCenter Server との SSH セッションで次のコマンドを使用します。

vc_address=<IP address>
cluster_id=domain-c<number>
session_id=$(curl -ksX POST --user '<SSO user name>:<password>' https://$vc_address/api/session | xargs -t)
curl -k -X PATCH -H "vmware-api-session-id: $session_id" -H "Content-Type: application/json" -d '{ "cluster_proxy_config": { "proxy_settings_source": "CLUSTER_CONFIGURED", "http_proxy_config":"<proxy_url>" } }' https://$vc_address/api/vcenter/namespace-management/clusters/$cluster_id

クラスタ ID 全体の中で渡す必要があるのは domain_c<number> だけです。たとえば、クラスタ ID が ClusterComputeResource:domain-c50:5bbb510f-759f-4e43-96bd-97fd703b4edb の場合は、そこから domain-c50 を取得します。

VC_INHERITED または NONE の設定を使用する場合は、コマンド内で "http_proxy_config:<proxy_url>" を省略します。

カスタム CA バンドルを使用するには、TSL CA 証明書をプレーン テキストで指定して、コマンドに "tlsRootCaBundle": "<TLS_certificate>" を追加します。

DCLI を使用した スーパーバイザー クラスタ での HTTP プロキシ設定の構成

次の DCLI コマンドを使用すると、CLUSTER_CONFIGURED 設定を使用して スーパーバイザー クラスタ に HTTP プロキシ設定を構成することができます。

<dcli> namespacemanagement clusters update --cluster domain-c57 --cluster-proxy-config-http-proxy-config <proxy URL> --cluster-proxy-config-https-proxy-config <proxy URL> --cluster-proxy-config-proxy-settings-source CLUSTER_CONFIGURED