重要なログ データの損失を防ぐため、スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンからリモート rsyslog レシーバに対するログ ストリーミングの構成方法をチェックします。

スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンのコンポーネントで生成されたログは、仮想マシンのファイル システムにローカルに保存されます。大量のログが溜まると、ログが急速にローテーションされ、さまざまな問題の根本原因の特定に役立つ貴重なメッセージが失われます。vCenter Serverスーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンでは、リモート rsyslog レシーバに対するローカル ログのストリーミングをサポートしています。この機能は、次のサービスとコンポーネントのログのキャプチャに便利です。

  • vCenter Server:ワークロード制御プレーン サービス、ESX Agent Manager サービス、認証局サービス、vCenter Server で実行しているその他のサービス。
  • スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン コンポーネントと スーパーバイザー クラスタ の組み込みサービス(仮想マシン サービスおよび Tanzu Kubernetes Grid サービス など)。

ローカル ログ データを収集して、それがリモートの rsyslog レシーバにストリーミングされるように、vCenter Server アプライアンスを構成できます。この構成を vCenter Server に適用すると、vCenter Server 内で実行している rsyslog センダーは、その vCenter Server システム内のサービスで生成されたログの送信を開始します。

スーパーバイザー クラスタ は、vCenter Server と同じメカニズムでローカル ログをオフロードして構成管理のオーバーヘッドを軽減します。ワークロード制御プレーン サービスは、定期的にログをポーリングして、vCenter Server rsyslog 構成を監視します。ワークロード制御プレーン サービスは、リモート vCenter Server rsyslog 構成が空でないことを検出すると、すべての スーパーバイザー クラスタ の各制御プレーン仮想マシンにこの構成を伝達します。その場合、大量の rsyslog メッセージ トラフィックが生成される場合があり、リモート rsyslog レシーバが過剰負荷になるおそれがあります。そのため、レシーバ マシンには、大量の rsyslog メッセージを保存できる十分なストレージ容量が必要です。

vCenter Server から rsyslog 構成を削除すると、vCenter Server からの rsyslog メッセージが停止します。ワークロード制御プレーン サービスは変更を検出すると、それをすべての スーパーバイザー クラスタ の各制御プレーン仮想マシンに伝達し、最終的に、制御プレーン仮想マシンのストリームも停止します。

構成手順

スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンの rsyslog ストリーミングは、次の手順に従って構成してください。

  1. 次のようなマシンをプロビジョニングして、rsyslog レシーバを構成します。
    • rsyslog サービスをレシーバ モードで実行する。rsyslog ドキュメントのハイ パフォーマンスで大量のメッセージを受信するの例を参照してください。
    • 大量のログ データを保存できる十分なストレージ容量がある。
    • vCenter Serverスーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンからデータを受信するためのネットワーク接続がある。
  2. https://<vcenter server address>:5480vCenter Server アプライアンス管理インターフェイスに root としてログインします。
  3. vCenter Server アプライアンス管理インターフェイスから rsyslog レシーバにストリーミングするように vCenter Server を構成します。vCenter Server のログ ファイルをリモート Syslog サーバへ転送を参照してください。

vCenter Server の rsyslog 構成が スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンに適用されるまでに数分かかる場合があります。vCenter Server アプライアンス上のワークロード制御プレーン サービスは、5 分ごとにアプライアンス構成をポーリングして、使用可能なすべての スーパーバイザー クラスタ にそれを伝達します。伝達の完了に必要な時間は、環境内の スーパーバイザー クラスタ の数によって異なります。スーパーバイザー クラスタ 上の一部の制御プレーン仮想マシンが健全でない場合、または他の操作を実行している場合、ワークロード制御プレーン サービスは rsyslog 構成が適用されるまでこの動作を繰り返します。

制御プレーン仮想マシン コンポーネントのログの検査

スーパーバイザー クラスタ 制御プレーン仮想マシンの rsyslog は、ログ メッセージのソース コンポーネントを示すタグをログ メッセージに組み込みます。

ログ タグ 説明
vns-control-plane-pods <pod_name>/<instance_number>.log 制御プレーン仮想マシンの Kubernetes ポッドから送信されたログ。例:

vns-control-plane-pods etcd/0.log

または

vns-control-plane-pods nsx-ncp/573.log

vns-control-plane-imc 制御プレーン仮想マシンから得られた初期構成ログ。
vns-control-plane-boostrap Kubernetes ノードの制御プレーンのデプロイから得られたブートストラップ ログ。
vns-control-plane-upgrade-logs 制御プレーン ノードのパッチとマイナー バージョンのアップグレードから得られたログ。
vns-control-plane-svchost-logs 制御プレーン仮想マシンのシステム レベルのサービス ホストまたはエージェントのログ。
vns-control-plane-update-controller 制御プレーンの目的の状態のシンクロナイザとリアライザのログ。
vns-control-plane-compact-etcd-logs 制御プレーンの etcd サービス ストレージ圧縮を維持するためのログ。