RAID 5 または RAID 6 イレージャ コーディングを使用して、データ損失から保護してストレージの効率を高めることができます。

イレージャ コーディングでは、ミラーリング (RAID 1) と同じレベルのデータ保護が可能であるのに加えて、使用するストレージ容量が少なくて済みます。RAID 5 または RAID 6 イレージャ コーディングにより、vSAN はデータストア内で最大 2 個のキャパシティ デバイスまで障害を許容できます。4 つ以上のフォルト ドメインがあるオールフラッシュ クラスタでは、RAID 5 を構成できます。6 つ以上のフォルト ドメインがあるオールフラッシュ クラスタでは、RAID 5 または RAID 6 を構成できます。

RAID 5 または RAID 6 イレージャ コーディングでは、RAID 1 ミラーリングよりデータを保護するために必要な追加の容量が少なくて済みます。たとえば、RAID 1 での [許容される障害の数] 値 1 で保護される仮想マシンで必要となる仮想ディスク サイズは 2 倍ですが、RAID 5 で必要となる仮想ディスク サイズは 1.33 倍です。次の表に、RAID 1 と RAID 5 または RAID 6 の全般的な比較を示します。

表 1. 各 RAID レベルでデータを保存して保護するために必要な容量
RAID 構成 許容される障害の数 データ サイズ 必要な容量
RAID 1(ミラーリング) 1 100 GB 200 GB
4 つのフォルト ドメインがある RAID 5 または RAID 6(イレージャ コーディング) 1 100 GB 133 GB
RAID 1(ミラーリング) 2 100 GB 300 GB
6 つのフォルト ドメインがある RAID 5 または RAID 6(イレージャ コーディング) 2 100 GB 150 GB

RAID 5 または RAID 6 イレージャ コーディングは、仮想マシン コンポーネントに適用できるポリシー属性です。RAID 5 を使用するには、[障害の許容方法][RAID-5/6(イレージャ コーディング)] に、[許容される障害の数] を 1 に設定します。RAID 6 を使用するには、[障害の許容方法][RAID-5/6(イレージャ コーディング)] に、[許容される障害の数] を 2 に設定します。RAID 5 または RAID 6 イレージャ コーディングでは、[許容される障害の数] の値を 3 に設定することはできません 。

RAID 1 を使用するには、[障害の許容方法][RAID-1(ミラーリング)] に設定します。RAID 1 ミラーリングではストレージ デバイスに対して必要な I/O 操作が少なくなるため、パフォーマンスが向上します。たとえば、RAID 1 ではクラスタ再同期を完了するのにかかる時間が短くなります。

注: vSAN ストレッチ クラスタで、 [RAID-5/6(イレージャ コーディング)][障害の許容方法] は、 [サイトの耐障害性] 設定にのみ適用されます。
注: vSAN Express Storage Architecture クラスタの場合、使用するフォルト ドメインの数に応じて、 [RAID 5][監視] > [vSAN]> [仮想オブジェクト]> testVM > [配置の詳細の表示])に表示されるコンポーネントの数が変わります。クラスタで 6 つ以上のフォルト ドメインが使用可能な場合は、5 つのコンポーネントが [RAID 5] に表示されます。使用可能なフォルト ドメインが 5 個以下の場合は、3 つのコンポーネントが表示されます。

ポリシーの構成の詳細については、「vSAN ポリシーの使用」を参照してください。