vSphere HAvSAN を同じクラスタで有効にできます。vSphere HA では、vSAN データストアに従来のデータストアと同じレベルの仮想マシンの保護を提供します。このレベルの保護では、vSphere HAvSAN がやり取りするときに、特定の制限が適用されます。

ESXi ホストの要件

vSAN は、次の条件を満たす場合にのみ vSphere HA クラスタと併用できます。
  • クラスタの ESXi ホストはすべてバージョン 5.5 Update 1 以降である必要があります。
  • クラスタには、3 台以上の ESXi ホストが必要です。最適な結果を得るには、4 台以上のホストで vSAN クラスタを構成します。
注: vSAN 7.0 Update 2 以降では、Proactive HA がサポートされます。修正方法として [すべての障害を対象としたメンテナンス モード] を選択します。隔離モードはサポートされますが、隔離モードのホストで障害が発生し、FTT=0 のオブジェクトまたは FTT=1 のオブジェクトが低下状態になった場合、データ損失から保護されません。

ネットワークの相違点

vSAN は独自の論理ネットワークを使用します。vSANvSphere HA が同じクラスタに対して有効にされていると、HA のエージェント間のトラフィックは管理ネットワークではなくこのストレージ ネットワークを通過します。vSphere HA は、vSAN がオフになっている場合にのみ、管理ネットワークを使用します。ホストで vSphere HA が構成されている場合、vCenter Server は適切なネットワークを選択します。

注: クラスタで vSAN を有効にするときに、 vSphere HA が有効になっていないことを確認します。その後、 vSphere HA を再度有効にすることができます。

仮想マシンがすべてのネットワーク パーティションで部分的にのみアクセス可能な場合、仮想マシンをパワーオンしたり、すべてのパーティションで仮想マシンに完全にアクセスしたりすることはできません。たとえば、クラスタを P1 と P2 にパーティション分割した場合、仮想マシン ネームスペース オブジェクトはパーティション P1 にはアクセスできますが、P2 にはアクセスできません。VMDK はパーティション P2 にアクセスできますが、P1 にはアクセスできません。このような場合、仮想マシンはパワーオンできず、すべてのパーティションで完全にアクセスすることはできません。

次の表に、vSAN が使用されているときと使用されていないときの vSphere HA ネットワークの相違点を示します。

表 1. vSphere HA ネットワークの相違点
vSAN オン vSAN オフ
vSphere HA が使用するネットワーク vSAN ストレージ ネットワーク 管理ネットワーク
ハートビート データストア 2 台以上のホストにマウントされる、vSAN データストア以外のデータストア 2 台以上のホストにマウントされるデータストア
ホストは「隔離」と宣言 隔離アドレスは ping 不可、vSAN ストレージ ネットワークはアクセス不可 隔離アドレスは ping 不可、管理ネットワークはアクセス不可

vSAN のネットワーク構成を変更すると、vSphere HA エージェントは新しいネットワーク設定を自動的に取得しません。vSAN ネットワークを変更するには、vSphere HA クラスタのホストの監視を有効に戻す必要があります。

  1. vSphere HA クラスタの [ホストの監視] を無効にします。
  2. vSAN ネットワークに変更を加えます。
  3. クラスタのすべてのホストを選択して右クリックし、[HA の再構成] を選択します。
  4. vSphere HA クラスタの [ホストの監視] を再度有効にします。

容量の予約設定

アドミッション コントロール ポリシーで vSphere HA クラスタの容量を予約する場合は、この設定が vSAN ルール セットの対応する [許容される障害の数] ポリシー設定と連携する必要があります。vSphere HA アドミッション コントロールの設定で予約されている容量よりも少なくすることはできません。たとえば、vSAN のルール セットが 2 つの障害しか許容していない場合、vSphere HA アドミッション コントロール ポリシーでは 1 つまたは 2 つのホスト障害に相当する容量を予約する必要があります。ホストが 8 台あるクラスタで [予約されたクラスタ リソースの割合] ポリシーを使用している場合、クラスタ リソースの 25 パーセントを超えて予約をしないでください。同じクラスタで、[許容される障害の数] ポリシーを使用してホストの台数が 2 を超えないように設定します。vSphere HA によって予約される容量が少なすぎると、フェイルオーバーが期待されたとおりに動作しない可能性があります。過度に大きな容量が予約されると、仮想マシンのパワーオンとクラスタ間の vSphere vMotion 移行に大きな制約が生じることがあります。[予約されたクラスタ リソースの割合] ポリシーの詳細については、『vSphere 可用性』ドキュメントを参照してください。

複数のホストで障害が発生した状況での vSAN と vSphere HA の動作

仮想マシン オブジェクトのフェイルオーバー クォーラムが失われて vSAN クラスタが失敗すると、クラスタ クォーラムがリストアされている場合でも、vSphere HA が仮想マシンを再起動できない場合があります。 vSphere HA は、クラスタ クォーラムがあり、仮想マシン オブジェクトの最新のコピーにアクセスできる場合にのみ、再起動を保証します。最新のコピーとは、書き込みが行われた最後のコピーのことです。

1 台のホストでの障害を許容するために vSAN 仮想マシンがプロビジョニングされる例を検討してみましょう。この仮想マシンは、ホスト H1、H2、および H3 という 3 台のホストが含まれている vSAN クラスタで実行しています。3 台のすべてのホストに順番に障害が発生します。最後に障害が発生するホストは H3 です。

H1 と H2 がリカバリした後、クラスタには 1 つのクォーラムがあります(1 つのホストの障害が許容される)。しかし、障害が発生した最後のホスト (H3) に仮想マシン オブジェクトの最新コピーが含まれており、そのコピーにはまだアクセスできないため、vSphere HA は仮想マシンを再起動できません。

この例では、3 台のすべてのホストを同時にリカバリするか、2 台のホストのクォーラムに H3 が含まれている必要があります。どちらの条件も満たされない場合、HA はホスト H3 が再度オンラインになったら、仮想マシンの再起動を試行します。