スクリプトの実行は、無人インストールで複数の ESXi ホストをデプロイするための効率的な方法です。

インストール スクリプトには、ホストの構成設定が含まれます。スクリプトは、同じ設定で複数のホストを構成するために使用できます。「スクリプトを使用したホストのインストールまたはアップグレード」を参照してください。

インストール スクリプトは、HTTP、HTTPS、FTP、NFS、CD-ROM、または USB を使用してホストからアクセスできる場所に保存されている必要があります。ESXi インストーラを PXE 起動したり、CD/DVD または USB ドライブから起動することが可能です。

図 1. スクリプトによるインストール
スクリプトによるインストールのフロー:インストーラの起動時にアクセスするインストール スクリプトを作成します。

スクリプトを使用したインストールの方法

複数のマシンに ESXi をインストールする場合は、すべてのマシンに 1 つのスクリプトを使用したり、各マシンに別々のスクリプトを使用したりできます。

たとえば、ディスク名はマシンごとに異なるため、スクリプトで構成が必要な設定の 1 つは、 ESXi のインストール先のディスクの選択になります。
表 1. スクリプトを使用したインストールの選択肢
オプション 操作
常に、複数のマシン上の最初のディスクにインストールします。 1 つのスクリプトを作成します。
それぞれのマシンで異なるディスクに ESXi をインストールします。 複数のスクリプトを作成します。

インストール先ディスクを指定するために必要なコマンドの詳細については、インストール スクリプトおよびアップグレード スクリプトのコマンド を参照してください。

インストール スクリプトまたはアップグレード スクリプトを実行するための起動オプションの入力

インストール スクリプトまたはアップグレード スクリプトを起動するには、ESXi インストーラの起動コマンド ラインで起動オプションを入力します。

起動時に、キックスタート ファイルへのアクセス オプションの指定が必要な場合があります。起動オプションは、ブート ローダで Shift + O を押すことで入力できます。PXE 起動のインストールの場合は、boot.cfg ファイルの kernelopts 行を使用してオプションを渡すことができます。boot.cfg ファイルについておよび ESXi インストーラのネットワーク ブートを参照してください。

インストール スクリプトの場所を指定するには、ks=filepath オプションを設定します。ここで、filepath は、キックスタート ファイルの場所を示します。このオプションを設定しないと、スクリプトを使用したインストールまたはアップグレードを開始できません。ks=filepath を省略すると、テキスト インストーラが実行されます。

サポートされている起動オプションは 起動オプション に記載されています。

手順

  1. ホストを起動します。
  2. ESXi インストーラのウィンドウが表示されたら、Shift + O を押して起動オプションを編集します。
    ESXi インストーラの画面
  3. runweasel コマンド プロンプトで、ks=location of installation script plus boot command-line options と入力します。

例: 起動オプション

次の起動オプションを入力します。
ks=http://00.00.00.00/kickstart/ks-osdc-pdp101.cfg nameserver=00.00.0.0 ip=00.00.00.000 netmask=255.255.255.0 gateway=00.00.00.000

起動オプション

スクリプトを使用したインストールを実行する際には、起動時にキックスタート ファイルへのアクセス オプションを指定することが必要な場合があります。

サポートされる起動オプション

表 2. ESXiインストール用の起動オプション
起動オプション 説明
BOOTIF=hwtype-MAC address

netdeviceオプションに似ていますが、syslinux.org サイトで SYSLINUX の IPAPPEND オプションで説明されている、PXELINUX 形式に関する点が異なります。

gateway=ip address このネットワーク ゲートウェイを、インストール スクリプトおよびインストール メディアをダウンロードするために使用する、デフォルトのゲートウェイとして設定します。
ip=ip address インストール スクリプトおよびインストール メディアのダウンロードに使用する固定 IP アドレスを設定します。注:このオプションでは PXELINUX 形式もサポートされています。syslinux.org サイトで、SYSLINUX の中の IPAPPEND オプションを参照してください。
ks=cdrom:/path path にあるスクリプトによるインストールを実行します。このスクリプトは CD-ROM ドライブの CD にあります。各 CDROM は、このパスと一致するファイルが見つかるまでマウントされ、チェックされます。
重要: カスタム インストールまたはアップグレード スクリプトを使用してインストーラ ISO イメージを作成した場合は、大文字を使用してスクリプトのパスを入力する必要があります。例: ks=cdrom:/KS_CUST.CFG
ks=file://path path にあるスクリプトを使用してインストールを実行します。
ks=protocol://serverpath ネットワーク上の指定された URL に置かれたスクリプトを使用してスクリプトによるインストールを実行します。protocol には httphttpsftp、または nfs を指定できます。NFS プロトコルを使用している例は、ks=nfs://host/porturl-path です。NFS URL の形式は、RFC 2224 で指定されています。
ks=usb

接続された USB ドライブにあるスクリプトにアクセスして、インストールを実行します。ks.cfg という名前のファイルが検索されます。このファイルは、ドライブのルート ディレクトリに置かれている必要があります。複数の USB フラッシュ ドライブが接続されている場合は、ks.cfg ファイルが見つかるまでそれらのドライブが検索されます。サポートされているのは FAT16 および FAT32 のファイル システムだけです。

ks=usb:/path USB 上にある、指定されたパスにあるスクリプト ファイルを使用して、スクリプトによるインストールを実行します。
ksdevice=device インストール スクリプトとインストール メディアの検索時にネットワーク アダプタ device の使用を試みます。MAC アドレス (00:50:56:C0:00:01 など) で指定します。この場所は vmnicNN 名にもできます。このサブコマンドを指定せず、ネットワーク経由でファイルを取得する必要がある場合は、最初に検出された接続済みネットワーク アダプタがデフォルトで使用されます。
nameserver=ip address インストール スクリプトとインストール メディアのダウンロードに使用するドメイン名サーバを指定します。
netdevice=device インストール スクリプトとインストール メディアの検索時にネットワーク アダプタ device の使用を試みます。MAC アドレス (00:50:56:C0:00:01 など) で指定します。この場所は vmnicNN 名にもできます。このサブコマンドを指定せず、ネットワーク経由でファイルを取得する必要がある場合は、最初に検出された接続済みネットワーク アダプタがデフォルトで使用されます。
netmask=subnet mask インストール スクリプトおよびインストール メディアをダウンロードするネットワーク インターフェイスのサブネット マスクを指定します。
vlanid=vlanid 指定した VLAN 上に置くネットワーク カードを構成します。
systemMediaSize=small
起動メディア上のシステム ストレージ パーティションのサイズを制限します。選択した値は、システムの目的に適合している必要があります。次の値の中から選択できます。
  • min(32 GB、1 台のディスクまたは組み込みのサーバ用)
  • small(64 GB、512 GB 以上の RAM を搭載したサーバ用)
  • default (128 GB)
  • max(使用可能なすべての容量を使用、マルチテラバイトのサーバ用)

ESXi のインストール後の起動オプションの詳細については、VMware ナレッジベースの記事 KB77009 を参照してください。