ESXi の自動構成

ESXi ホストの初回起動時や、構成のデフォルト値の再設定後に、ホストは自動構成段階に入ります。この段階で、システムのネットワーク デバイスやストレージ デバイスがデフォルト設定で構成されます。

デフォルトでは、DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) によって IP が構成され、仮想マシンをディスクに格納できるよう、すべての空の仮想内蔵ディスクが VMFS (仮想マシン ファイル システム) でフォーマットされます。

ESXiのリモート管理

ESXiホストは、VMware Host ClientvSphere Client、および vCenter Server を使用して管理することができます。

vCenter Serverおよび vCenter Server コンポーネントのダウンロードとインストールの手順については、『vCenter Server のインストールとセットアップ』を参照してください。VMware Host Clientのインストールの詳細については、『vSphere 単一ホスト管理』を参照してください。

ESXi のダイレクト コンソール インターフェイスについて

ダイレクト コンソール インターフェイスは、初期の ESXi 構成とトラブルシューティングに使用します。

ダイレクト コンソールを使用するには、キーボードとモニタをホストに接続します。ホストの自動構成段階が完了すると、モニタにダイレクト コンソールが表示されます。デフォルトのネットワーク構成を確認し、ネットワーク環境と互換性がない設定を変更できます。

ダイレクト コンソールでは、キーを使用して次の処理を行えます。

  • ホストの構成
  • 管理用アクセスの設定
  • トラブルシューティング

また、vSphere Client を使用して vCenter Server からホストを管理することもできます。

表 1. ダイレクト コンソールでの操作
操作 キー
構成の表示と変更 F2
ユーザー インターフェイスのハイコントラスト モードへの変更 F4 キー
ホストのシャットダウンまたは再起動 F12 キー
VMkernel ログの表示 Alt + F12
シェル コンソールへの切り替え Alt + F1
ダイレクト コンソール ユーザー インターフェイスへの切り替え Alt + F2
フィールド間での選択の移動 矢印キー
メニュー項目の選択 Enter
値の切り替え スペースバー
構成をデフォルトにリセットするなどの、注意を払う必要があるコマンドの確認 F11 キー
保存して終了 Enter
保存せずに終了 Esc
システム ログを終了 q

ダイレクト コンソール用のキーボード レイアウトの構成

ダイレクト コンソールで使用するキーボードの配列を構成できます。

手順

  1. ダイレクト コンソールから、[キーボードの構成] を選択して [Enter] を押します。
  2. 使用する配列を選択します。
  3. スペースバーを押して、オンやオフの選択を切り替えます。
  4. [Enter] を押します。

ダイレクト コンソールのセキュリティ バナーの作成

セキュリティ バナーは、ダイレクト コンソールの[ようこそ]画面に表示されるメッセージです。

手順

  1. vSphere Client から vCenter Server に接続します。
  2. インベントリでホストを選択します。
  3. [設定] タブをクリックします。
  4. [システム] の下で [システムの詳細設定] を選択します。
  5. Annotations.WelcomeMessage を選択します。
  6. [編集] アイコンをクリックします。
  7. セキュリティ メッセージを入力します。

結果

このメッセージがダイレクト コンソールの [ようこそ]画面に表示されます。

ダイレクト コンソールのシリアル ポートへのリダイレクト

ESXi ホストをシリアル コンソールからリモートで管理するために、ダイレクト コンソールをシリアル ポートにリダイレクトすることができます。

vSphere は、シリアル ポートを介してダイレクト コンソールを表示するため、VT100 のターミナル タイプと PuTTy のターミナル エミュレータをサポートします。

ダイレクト コンソールは、いくつかの方法でシリアル ポートにリダイレクトできます。

起動オプションの手動設定によるダイレクト コンソールのシリアル ポートへのリダイレクト

起動オプションを設定してダイレクト コンソールをシリアル ポートにリダイレクトする場合、その変更は次回の起動では維持されません。

前提条件

シリアル ポートがシリアル ログ機能およびデバッグに使用されていないことを確認します。

手順

  1. ホストを起動します。
  2. VMware ハイパーバイザーのロード中ウィンドウが表示されたら、Shift + O を押して起動オプションを編集します。
  3. 次の起動オプションを入力して、com1 の logPort および gdbPort を無効にし、tty2Port を com1 に設定します。
    "gdbPort=none logPort=none tty2Port=com1";

    代わりに com2 を使用するには、com1com2 に置き換えます。

結果

ホストを再起動するまで、ダイレクト コンソールはシリアル ポートにリダイレクトされます。次回以降の起動でもダイレクト コンソールをリダイレクトするには、 vSphere Client からの、ダイレクト コンソールのシリアル ポートへのリダイレクト を参照してください。

vSphere Client からの、ダイレクト コンソールのシリアル ポートへのリダイレクト

com1 または com2 のいずれかのシリアル ポートにダイレクト コンソールをリダイレクトすることにより、シリアル ポートに接続されたコンソールから、リモートで ESXi ホストを管理できます。vSphere Client を使用してダイレクト コンソールをシリアル ポートにリダイレクトする場合、設定する起動オプションは以降の再起動後も維持されます。

前提条件

  • vSphere Client からホストにアクセスできることを確認します。
  • シリアル ポートが、シリアル ログおよびデバッグ、または ESX Shell (tty1Port) 用に使用されていないことを確認します。

手順

  1. vSphere Clientから vCenter Server に接続します。
  2. インベントリでホストを選択します。
  3. [設定] タブをクリックします。
  4. [システム] の下で [システムの詳細設定] を選択します。
  5. [VMkernel.Boot.logPort] および [VMkernel.Boot.gdbPort] のフィールドが、ダイレクト コンソールのリダイレクト先にする COM ポートを使用するように設定されていないことを確認します。
  6. ダイレクト コンソールをリダイレクトするシリアル ポート com1 または com2 に、[VMkernel.Boot.tty2Port] を設定します。
  7. ホストを再起動します。

結果

これで、シリアル ポートに接続されたコンソールから、リモートで ESXi ホストを管理できるようになりました。

Auto Deploy でデプロイされたホストのシリアル ポートへの、ダイレクト コンソールのリダイレクト

ダイレクト コンソールをシリアル ポートにリダイレクトしたあとで、その設定を、Auto Deploy でホストを再プロビジョニングするときも保持されるホスト プロファイルに組み込むことができます。

前提条件

シリアル ポートがシリアル ログ機能およびデバッグに使用されていないことが必要です。

手順

  1. から vCenter Server に接続します。
  2. インベントリでホストを選択します。
  3. [システム] の下で [システムの詳細設定] を選択します。
  4. [VMkernel.Boot.logPort] および [VMkernel.Boot.gdbPort] のフィールドが、ダイレクト コンソールのリダイレクト先にする COM ポートを使用するように設定されていないことを確認します。
  5. ダイレクト コンソールをリダイレクトするシリアル ポート com1 または com2 に、[VMkernel.Boot.tty2Port] を設定します。
  6. [OK] をクリックします。
  7. ホスト プロファイルを保存し、そのプロファイルにホストを添付します。『vSphere のホスト プロファイル』ドキュメントを参照してください。

結果

ダイレクト コンソールをシリアル ポートにリダイレクトする設定は、vCenter Server で保存され、Auto Deploy でホストを再プロビジョニングするときも保持されます。