リファレンス ホストにホスト プロファイルを作成すると、共有属性を使用した複数のホストをカスタマイズできます。ホストを個別にカスタマイズするには、各ホストでユーザーに入力を求めるように、ホスト プロファイル内のいくつかのフィールドを設定します。ホストのカスタマイズを編集してエクスポートすることもできます。

ホストのカスタマイズ

ホスト プロファイルを使用すると、リファレンス ホストのストレージ設定や Syslog 設定などの情報を事前に指定できます。また、作成したホスト プロファイルは、同じ設定を持つ一連のターゲット ホストに適用できます。さらに、ホスト プロファイルを使用して、ホスト固有の設定を指定することができます。この場合、Auto Deploy でホストをプロビジョニングすると、ホストはメンテナンス モードで起動します。ホストを修正するか、ホストのカスタマイズをリセットして、入力プロンプトを表示します。ユーザーが入力した情報はシステムに保存され、次回のホスト起動時に使用されます。

ユーザー入力を求めるようにホスト プロファイルが設定されており、ホストのカスタマイズをリセットする場合、表示されるダイアログ ボックスに値を指定する必要があります。値を指定しないと、エラーが発生します。

表 1. iSCSI のユーザー入力を求めるホスト プロファイル オプション
ユーザー入力を要求する情報 ホスト プロファイル オプションの設定方法
iSCSI のプロファイルが含まれるシステムにホスト プロファイルを適用する場合は、いくつかのプロパティの指定が求められます。それらのプロパティの多くには、システムのデフォルト値が適用されます。一部のプロパティでは、値を指定しないとエラーが発生します。
IQN 名
iSCSI の設定で IQN 名が使用されている場合、ホスト プロファイルを適用する際に入力が求められます。名前を指定するまで続行することはできません。
CHAP 情報
CHAP 認証を要求するように iSCSI を設定している場合は、ホスト プロファイルを適用する際に、ユーザー名やシークレットを含む CHAP 情報の入力を求められます。名前を指定するまで続行することはできません。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [ストレージ構成] > し、[iSCSI イニシエータ構成] をクリックします。
  2. すでに有効になっているイニシエータのフォルダを選択し、イニシエータを設定します。
  3. イニシエータを設定します。ホストのカスタマイズの一部として、多くのフィールドでユーザー入力が求められます。
表 2. ストレージのユーザー入力を求めるホスト プロファイル オプション
ユーザー入力を要求する情報 ホスト プロファイル オプションの設定方法
固定のパス選択ポリシー (PSP) を設定する際に、固定 PSP を使用するストレージ アレイのアダプタおよびターゲット ID の入力を求めるプロンプトが表示されるようにします。
このオプションは、固定 PSP を使用するようにアダプタが設定されている場合にのみ使用できます。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して、[ストレージ構成] をクリックします。
  2. [ネイティブ マルチパス (NMP)] をクリックします。
  3. [パス選択ポリシー (PSP) の構成] をクリックします。
  4. [優先パス] ウィンドウで、[ユーザーにホスト上のアダプタ ID とターゲット ID を入力するプロンプトを表示] を選択します。
表 3. セキュリティのユーザー入力を求めるホスト プロファイル オプション
ユーザー入力を要求する情報 ホスト プロファイル オプションの設定方法
ホストが最初に起動するときに、ESXi ホストの管理者パスワードを要求します。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して、[セキュリティおよびサービス] をクリックします。
  2. [セキュリティの設定] > [セキュリティ構成] の順にクリックします。
  3. 右側のパネルで、[管理者パスワード] ドロップダウン メニューから [ユーザーが入力したパスワードを使用して管理者パスワードを構成する] を選択します。
ESXi ホストのユーザーは事前に構成しますが、ユーザーのパスワードは、ホストの初回起動時に各ホストで要求します。

このタスクは、ユーザー設定がすでに存在している場合にのみ実行できます。オプションのいずれかを選択してユーザーを設定します。

  • [固定ユーザー構成を割り当て] は、ESX/ESXi 4.1 システムとの互換性を提供するためのオプションで、パスワードが暗号化されずに表示されます。
  • [詳細な固定ユーザー構成を割り当て] は、ESXi 5.0 以降のシステムのユーザー向けのオプションです。
  • [プロファイルにユーザー構成を指定 (ホスト構成中にパスワードの入力が必要)] を選択すると、ユーザーに関する情報を指定し、各ホストでパスワードの入力プロンプトを表示できます。
ホストが Active Directory ドメインに参加するとき、ユーザーに認証情報の入力を要求します。
  1. 固定ドメインを使用するように認証の構成プロファイルを設定します。
    1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して、[セキュリティおよびサービス] をクリックします。
    2. [セキュリティの設定] > [認証の構成] の順にクリックします。
    3. [Active Directory の構成] をクリックします。
    4. [ドメイン名] ドロップダウン メニューで、[固定ドメイン名を構成] を選択します。
  2. ドメインへの参加方法の入力をユーザーに求めるように設定します。
    1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [セキュリティおよびサービス] をクリックし、[認証の構成] をクリックします。
    2. [Active Directory の構成] をクリックします。
    3. [ドメインへの参加方法] ドロップダウン メニューで、[ユーザー指定の AD 認証情報を使用してホストをドメインに参加] を選択します。
表 4. ネットワークのユーザー入力を求めるホスト プロファイル オプション
ユーザー入力を要求する情報 ホスト プロファイル オプションの設定方法
ポート グループの MAC アドレスの入力をユーザーに求めます。システム プロンプトを必ず表示して、ユーザー指定の MAC アドレスの入力を求めることも、デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示することもできます。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [ネットワーク構成] > [ホスト ポート グループ] の順にクリックします。
  2. [管理ネットワーク] をクリックします。
  3. [vmknic の MAC アドレスを決定する方法を確認] フィールドで、システムが MAC アドレスをどのように処理するか選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の MAC アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに MAC アドレスを入力するプロンプトを表示]
プロファイルを適用する ESXi ホストごとに、IPv4 アドレスの入力をユーザーに求めます。システム プロンプトを必ず表示して、ユーザー指定の IPv4 アドレスの入力を求めることも、デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示することもできます。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [ネットワーク構成] > [ホスト ポート グループ] の順にクリックします。
  2. [管理ネットワーク] > [IP アドレス設定] の順にクリックします。
  3. [IPv4 アドレス] フィールドで、システムが IPv4 アドレスをどのように処理するか選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の IPv4 アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに IPv4 アドレスを入力するプロンプトを表示]
プロファイルを適用する ESXi ホストごとに、IPv6 アドレスの入力をユーザーに求めます。システム プロンプトを必ず表示して、ユーザー指定の IPv6 アドレスの入力を求めることも、デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示することもできます。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [ネットワーク構成] > [ホスト ポート グループ] の順にクリックします。
  2. [管理ネットワーク] > [IP アドレス設定] の順にクリックします。
  3. [固定 IPv6 アドレス] フィールドで、システムが IPv6 アドレスをどのように処理するか選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の IPv6 アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに IPv6 アドレスを入力するプロンプトを表示]
ホストの DNS 名の入力をユーザーに求めます。システム プロンプトを必ず表示して、ユーザー指定のホスト名の入力を求めることも、デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示することもできます。
  1. [ホスト プロファイルの編集] を選択して [ネットワーク構成] > [DNS 構成] の順にクリックします。
  2. [ホスト名] フィールドで、システムが DNS 設定をどのように処理するか選択します。
    • [デフォルトが利用不能の場合、ユーザーにホスト名を入力するプロンプトを表示]
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定のホスト名]
Distributed Switch の MAC アドレス、ポート グループ、またはサービスの 1 つを入力するようにユーザーに求めます。ホストの仮想 NIC フォルダのアイコンを右クリックし、[サブプロファイルの追加] アイコンをクリックして設定の適用先コンポーネントを決定します。

デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示するか、必ずプロンプトを表示するかを指定できます。

  1. [ネットワーク構成] を開きます。
  2. [ホスト仮想 NIC] をクリックします。
  3. [vmknic の MAC アドレスを決定する方法を決定] フィールドで、システムが分散スイッチの MAC アドレスをどのように処理するかを選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の MAC アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに MAC アドレスを入力するプロンプトを表示]
Distributed Switch の IPv4 アドレス、ポート グループ、またはサービスの 1 つを入力するようにユーザーに求めます。ホストの仮想 NIC フォルダのアイコンを右クリックし、[サブプロファイルの追加] アイコンをクリックして設定の適用先コンポーネントを決定します。

デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示するか、必ずプロンプトを表示するかを指定できます。

  1. [ネットワーク構成] を開きます。
  2. [ホスト仮想 NIC] をクリックします。
  3. [IP アドレス設定] をクリックします。
  4. [IPv4 アドレス] フィールドで、システムが分散スイッチの IPv4 アドレスどのように処理するか選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の IPv4 アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに IPv4 アドレスを入力するプロンプトを表示]
Distributed Switch の IPv6 アドレス、ポート グループ、またはサービスの 1 つを入力するようにユーザーに求めます。ホストの仮想 NIC フォルダのアイコンを右クリックし、[サブプロファイルの追加] アイコンをクリックして設定の適用先コンポーネントを決定します。

デフォルト値が設定されていない場合にのみプロンプトを表示するか、必ずプロンプトを表示するかを指定できます。

  1. [ネットワーク構成] を開きます。
  2. [ホスト仮想 NIC] を開きます。
  3. [IP アドレス設定] を開きます。
  4. [固定 IPv6 アドレス] フィールドで、システムが分散スイッチの IPv6 アドレスをどのように処理するか選択します。
    • [構成を適用中に使用されるユーザー指定の IPv6 アドレス]
    • [デフォルトが利用不能の場合は、ユーザーに IPv6 アドレスを入力するプロンプトを表示]

ホストのカスタマイズをエクスポートする方法

vSphere ホスト プロファイルのカスタム属性を .CSV ファイルとしてデスクトップにエクスポートする方法について説明します。

セキュリティ上の理由から、パスワードなどの機密データはエクスポートされません。

手順

  1. [ホストおよびクラスタ] に移動し、ホスト プロファイルが添付されている ESXi ホストを選択します。
  2. ESXi ホストを右クリックして、[ホスト プロファイル] > [ホストのカスタマイズのエクスポート] を選択します。
  3. [[保存]] をクリックします。
    注: サポートされているのは、英語版の .csv ファイルのみです。
    ファイルは .csv ファイルとして保存されています。

次のタスク

このファイルをデスクトップに保存したら、ファイルを手動で編集して、カスタム値を後で適用できるように保存します。

ホストのカスタマイズの編集方法

vSphere ホスト プロファイルに添付された特定のホスト、またはホスト プロファイルに添付されたクラスタのホストのカスタマイズを編集する方法について説明します。

手順

  1. vSphere Client で、[メニュー] > [ポリシーおよびプロファイル] の順に選択します。
  2. [ポリシーおよびプロファイル] で、[ホスト プロファイル] をクリックします。
  3. ホスト プロファイルを右クリックして、[ホストのカスタマイズの編集] を選択します。
  4. カスタマイズを編集するホストを選択して、[次へ] をクリックします。
  5. (オプション) デスクトップからホストのカスタマイズをインポートするには、[ホストのカスタマイズ] 画面で ホストのカスタマイズのインポート[.csv] を選択します。
    .csv ファイルを使用してホストのカスタマイズを編集する場合は、ホストのカスタマイズを .csv ファイル形式でエクスポートし、応答ファイルのフィールド内の値を編集してから、ファイルをインポートできます。ホストのカスタマイズのエクスポート方法の詳細については、「 ホストのカスタマイズをエクスポートする方法」を参照してください。
    注: インポート プロセスを実行して、 .csv ファイルから値をインポートすると、 [ホストのカスタマイズ] ペインにユーザーが入力した内容が上書きされます。
    .csv ファイルをインポートすると、テキスト ボックスがファイル内の情報を使用して更新されます。
  6. ホストの構成値を編集し、[完了] をクリックします。

応答ファイル フィールドと vSphere ホスト プロファイルの抽出

新しいプロファイルが ESXi ホストから抽出された場合(またはアップグレード後)は、ホスト プロファイル ポリシーのオプションおよびホストのカスタマイズ値が変更されます。この変更の詳細については、「応答ファイル フィールドとホスト プロファイルの抽出」テーブルを参照してください。

ESXi ホストから新しいホスト プロファイルを抽出すると、一部のポリシー オプションの値が変更されます。これらの値を保持するには、ホスト プロファイルを抽出する前に手動で保存する必要があります。「応答ファイル フィールドとホスト プロファイルの抽出」テーブルに、値が変更されているポリシー オプション、および新規に抽出されたホスト プロアイルで同じ値が保持されるオプションを示します。

ポリシー オプションを特定するには、[ホスト プロファイル] メイン ビューに移動し、抽出されたホスト プロファイルを右クリックして、[ホストのカスタマイズの編集] を選択します。

表 5. 応答ファイル フィールドとホスト プロファイルの抽出
ポリシー オプションのパス ポリシー オプション 新規に抽出されたプロファイルのポリシー オプション値の変化
[セキュリティおよびサービス -> セキュリティ設定 -> セキュリティ] UserInputPasswordConfigOption デフォルト ユーザーの場合は、パスワードをそのまま残します (root)。

デフォルト以外のユーザーの場合は、常にユーザー入力が抽出されます。

UserInputPasswordConfigOption ホスト プロファイルのバージョンが 6.5 より前の場合、このオプションは抽出されません。抽出されたホスト プロファイル内に UserAccount profile プロファイルを明示的に作成する必要があります。
UserInputAdminPasswordOption 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
[ストレージ設定 -> iSCSI イニシエータの設定] AdvancedUserInputUserConfigOption 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputIqn ユーザー入力値を維持します。
UserInputAlias ユーザー入力値を維持します。
UserInputChapName 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputChapSecret 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputFirstBurstLength 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputMaxBurstLength 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
[一般システム設定 -> 管理エージェント設定 -> SNMP エージェント設定] UserInputMaxReceiveSegmentLength 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputUsers 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputV3Targets 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputEngineId 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputContact 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
UserInputLocation 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
[セキュリティおよびサービス -> セキュリティの設定][ -> セキュリティ -> Active Directory 権限] UserInputUserName ユーザー入力値を維持します。
UserInputPassword ユーザー入力値を維持します。
[ネットワーク設定] UserInputMacAddress 使用できるデフォルト値がない場合の、条件付きのプロンプト表示。
UserInputHostName 使用できるデフォルト値がない場合の、条件付きのプロンプト表示。
UserInputIPAddress 使用できるデフォルト値がない場合の、条件付きのプロンプト表示。
[詳細設定 -> 詳細オプション] UserInputAdvancedConfigOption 固定に変更します。ユーザー入力値を維持しません。
[詳細設定 -> システム イメージ キャッシュ設定] Enable Stateless Caching ポリシー オプションを明示的に選択する必要があります。
Enable Stateful Install ポリシー オプションを明示的に選択する必要があります。
注: 次の表には、ポリシー オプションの一部が表示されていません。新しいホスト プロファイルを抽出する前に、変更したポリシー オプションを認識する必要があります。