vSphere Client では、単一のイメージを使用して管理するホストとクラスタ、およびベースラインを使用して管理するホストとクラスタに、vSphere Lifecycle Manager の修正設定を個別に構成することができます。

グローバルな修正設定は、イメージまたはベースラインをそれぞれ使用して管理するすべてのホストおよびクラスタに対して有効です。単一のイメージを使用して管理するクラスタまたはスタンドアローン ホストの場合、グローバルな修正設定をオーバーライドし、特定のクラスタまたはホストに対して特定の修正設定を使用することができます。

vSAN クラスタ内にあるホストの場合、同時にメンテナンス モードに切り替えられるホストは 1 台のみです。この動作は、vSAN クラスタの特性です。vSAN クラスタ内のホストの修正中の vSphere Lifecycle Manager の動作の詳細については、vSAN クラスタの修正の詳細を参照してください。

単一イメージを使用して管理するクラスタまたはスタンドアローン ホストの vSphere Lifecycle Manager 修正設定の構成

1 つのイメージで管理しているクラスタまたはスタンドアローン ホストの修正前および修正中に、ESXi ホストと仮想マシンの動作方法を構成できます。

自動的にトリガされたハードウェア互換性チェック(この機能も vSAN クラスタにのみ適用可能)の詳細については、ハードウェア互換性チェック タスクが実行されるタイミングを参照してください。

前提条件

手順

  1. vSphere Lifecycle Manager ホスト ビューに移動します。
    1. vSphere Client[メニュー] > [Lifecycle Manager] の順に選択します。
    2. [Lifecycle Manager] ドロップダウン メニューから vCenter Server システムを選択します。
      ドロップダウン メニューは、複数の vCenter Server システムが共通の vCenter Single Sign-On ドメインによって接続されている場合にのみ使用できます。 vCenter Server システムを選択して、管理する vSphere Lifecycle Manager インスタンスを指定します。
  2. [設定] タブで [クラスタのライフサイクル] > [イメージ] の順に選択します。
  3. クラスタまたはスタンドアローン ホストの修正設定を編集します。
    • [イメージ] ペインで [編集] ボタンをクリックします。

      [クラスタの修正設定を編集] ダイアログ ボックスが開きます。

    • [スタンドアローン ホスト イメージ] ペインで [編集] ボタンをクリックします。

      [スタンドアローン ホスト修正設定の編集] ダイアログ ボックスが開きます。

  4. イメージを使用するクラスタおよびスタンドアローン ホストの修正設定を構成し、[保存]をクリックします。
    設定 説明
    Quick Boot Quick Boot を使用すると、修正中のホストの再起動時間が短縮されます。

    デフォルトでは、Quick Boot はオンになっています。

    この設定は、クラスタまたはスタンドアローン ホストに対して構成できます。

    仮想マシンの電源状態 [仮想マシンの電源状態] オプションを使用すると、ESXi ホストで実行される仮想マシンの動作を制御できます。

    次のオプションの中から選択できます。

    • [電源状態を変更しない]
    • [ディスクのサスペンド]
    • [メモリのサスペンド]

      [メモリのサスペンド] オプションを選択するには、Quick Boot をオンにする必要があります。Quick Boot を有効にしない場合、[メモリのサスペンド] オプションはグレーアウトされます。

      Quick Boot と一緒に [メモリのサスペンド] オプションを有効にすると、ホストのアップグレード時間が短縮されます。vSphere Lifecycle Manager は、ホスト上のパワーオン状態の仮想マシンを、ディスクではなく、ホストのメモリにサスペンドします。Quick Boot の実行後、サスペンドされた仮想マシンはメモリからレジュームされます。

    • [パワーオフ]

    デフォルトの選択項目は [電源状態を変更しない] です。

    これらのオプションは、クラスタまたはスタンドアローン ホストに対して構成できます。

    VM 移行 サスペンド状態およびパワーオフ状態の仮想マシンを、メンテナンス モードに切り替える必要があるホストから、クラスタ内の他のホストに移行するように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。

    デフォルトでは、[パワーオフ状態またはサスペンド状態の仮想マシンをクラスタ内の他のホストに移行] チェック ボックスはオンになっています。

    DRS クラスタ内のホストにパススルー デバイスを持つ仮想マシンがある場合は、その仮想マシンの移行を自動化してください。詳細については、VMware ナレッジベースの記事 (https://kb.vmware.com/s/article/88271) を参照してください。

    この設定は、単一のイメージを使用して管理するクラスタに対してのみ構成できます。

    ポリシーの再試行 ホストがメンテナンス モードにならなかった場合、またはそのホストのステージングや修正に失敗した場合は、vSphere Lifecycle Manager の動作方法を構成できます。指定された再試行遅延時間の経過後、[再試行回数] テキスト ボックスで指定した回数までホストをメンテナンス モードにすることを試みるように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。

    この設定は、クラスタまたはスタンドアローン ホストに対して構成できます。

    HA アドミッション コントロール

    アドミッション コントロールは vSphere HA が使用するポリシーです。これにより、クラスタ内のフェイルオーバーのキャパシティが確保されます。修正中に vSphere HA のアドミッション コントロールが有効になっている場合、vMotion がクラスタ内の仮想マシンを移行できないことがあります。

    アドミッション コントロールを無効にすると、フェイルオーバー キャパシティが不十分になる場合でも仮想マシンをパワーオンすることができます。このような場合でも、警告が表示されず、クラスタは赤になりません。クラスタに十分なフェイルオーバー キャパシティがない場合でも、vSphere HA はフェイルオーバーを実行し、仮想マシン再起動の優先順位設定を使用して、どの仮想マシンを最初にパワーオンするかを判断できます。

    注: 2 ノード クラスタを修正する前に HA アドミッション コントロールを無効にすると、クラスタは実質的に高可用性に関するすべての保証を失います。
    • [クラスタで HA アドミッション コントロールを無効化] オプションを選択すると、vSphere Lifecycle Manager はクラスタ内のホストを修正し、修正が完了した後で HA アドミッション コントロールを再度有効にします。
    • [クラスタで HA アドミッション コントロールを無効化] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager は HA アドミッション コントロールが有効になっているクラスタの修正をスキップします。

    デフォルトでは、[クラスタで HA アドミッション コントロールを無効化] チェック ボックスの選択は解除されています。

    この設定は、単一のイメージを使用して管理するクラスタに対してのみ構成できます。

    DPM

    VMware Distributed Power Management (DPM) は、クラスタ内で実行中の仮想マシンによって消費されるリソースを監視します。十分なキャパシティがある場合、VMware DPM は仮想マシンをクラスタ内の他のホストに移動し、元のホストをスタンバイ モードにして節電することを推奨します。キャパシティが不足している場合、VMware DPM はスタンバイ モードのホストをパワーオン状態に戻すことを推奨します。

    • [クラスタで DPM を無効化] オプションを選択した場合、vSphere Lifecycle Manager はクラスタ内のホストを修正し、修正が完了した後で DPM を再度有効にします。
    • [クラスタで DPM を無効化] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager は DPM が有効になっているクラスタの修正をスキップします。

    デフォルトでは、[クラスタで DPM アドミッション コントロールを無効化] チェック ボックスはオンになっています。

    この設定は、単一のイメージを使用して管理するクラスタに対してのみ構成できます。

    ハードウェア互換性の問題 vSphere Lifecycle Manager は、vSAN クラスタの修正の事前チェック タスクおよび修正タスクの一環としてハードウェア互換性チェックを実行します。クラスタのハードウェア互換性に問題がある場合に修正を防止するように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。
    • [ハードウェア互換性の問題が見つかった場合、修正を防止する] オプションを選択すると、vSphere Lifecycle Manager はハードウェア互換性の問題をエラーとして報告し、修正を防止します。
    • [ハードウェア互換性の問題が見つかった場合、修正を防止する] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager はハードウェア互換性の問題を警告として報告し、修正は防止されません。

    クラスタが vSAN に対応していない場合、vSphere Lifecycle Manager は修正の事前チェック タスクまたは修正タスクの一環としてハードウェア互換性チェックを実行しません。

    この設定は、単一のイメージを使用して管理するクラスタに対してのみ構成できます。

    並行修正 並行修正を有効にすると、複数の ESXi ホストを同時に修正できます。[並行修正] チェック ボックスを選択すると、vSphere Lifecycle Manager は、メンテナンス モードのすべてのホストを順番にではなく並行して修正できます。同時修正の最大数を手動で指定することもできます。
    注: vSphere Distributed Switch に移行する準備のできた NSX 分散仮想スイッチがホストにある場合は、並行修正の最大数を手動で 4 以下に設定する必要があります。ホスト スイッチの移行が必要な場合、並行して修正するホストの数が 4 を超えると、修正が失敗することがあります。これは、 vSphere Lifecycle Manager が並行修正の完了に要する時間よりも、ホスト スイッチの移行に要する時間の方が長いためです。

    この設定は、単一のイメージを使用して管理するクラスタに対してのみ構成できます。

結果

これらの設定が、 vSphere Lifecycle Manager イメージを使用して管理するクラスタまたはスタンドアローン ホストのデフォルトの修正設定になります。クラスタまたはホストの場合は、個々の修正タスクを構成するときにデフォルトの設定を変更できます。

単一イメージを使用して管理する、クラスタのグローバル vSphere Lifecycle Manager 修正設定のオーバーライド

特定のクラスタの修正設定はカスタマイズできますが、グローバル修正設定はそのまま残り、vSphere Lifecycle Manager イメージで管理し、同じ vCenter Server インスタンスにある他のすべてのクラスタに適用されます。

単一クラスタのグローバル修正設定をオーバーライドすると、その特定のクラスタの修正中にもオーバーライドが使用されます。その他のすべてのクラスタには、グローバル修正設定が適用されます。

前提条件

手順

  1. vSphere Client で、単一のイメージを使用して管理するクラスタに移動します。
  2. [更新] タブで [ホスト] > [イメージ] の順に選択します。
  3. [イメージのコンプライアンス] カードで、横の省略符号アイコンをクリックし、[修正設定の編集] を選択します。
  4. [修正設定の編集] ダイアログ ボックスで、ターゲット クラスタの修正設定を行い、[保存] をクリックします。

    設定

    説明

    Quick Boot

    Quick Boot を使用すると、修正中のホストの再起動時間が短縮されます。デフォルトでは、Quick Boot は無効になっています。

    仮想マシンの電源状態

    [仮想マシンの電源状態] オプションを使用すると、ESXi ホストで実行される仮想マシンの動作を制御できます。

    次のオプションの中から選択できます。

    • [電源状態を変更しない]

    • [ディスクのサスペンド]

    • [メモリのサスペンド]

      [ディスクのサスペンド] オプションを選択するには、Quick Boot を有効にする必要があります。Quick Boot を有効にしない場合、[メモリのサスペンド] オプションはグレーアウトされます。

      Quick Boot と一緒に [メモリのサスペンド] オプションを有効にすると、ホストのアップグレード時間が短縮されます。vSphere Lifecycle Manager は、ホスト上のパワーオン状態の仮想マシンを、ディスクではなく、ホストのメモリにサスペンドします。Quick Boot の実行後、サスペンドされた仮想マシンはメモリからレジュームされます。

    • [パワーオフ]

    VM 移行

    サスペンド状態およびパワーオフ状態の仮想マシンを、メンテナンス モードに切り替える必要があるホストから、クラスタ内の他のホストに移行するように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。

    ポリシーの再試行

    ステージングまたは修正が失敗した場合や、ホストをメンテナンス モードに切り替えられなかった場合の vSphere Lifecycle Manager の動作方法を構成できます。指定された再試行遅延時間の経過後、[再試行回数] テキスト ボックスで指定した回数までホストをメンテナンス モードにすることを試みるように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。

    HA アドミッション コントロール

    アドミッション コントロールは vSphere HA が使用するポリシーです。これにより、クラスタ内のフェイルオーバーのキャパシティが確保されます。修正中に vSphere HA のアドミッション コントロールが有効になっている場合、vMotion がクラスタ内の仮想マシンを移行できないことがあります。

    アドミッション コントロールを無効にすると、フェイルオーバー キャパシティが不十分になる場合でも仮想マシンをパワーオンすることができます。このような場合でも、警告が表示されず、クラスタは赤になりません。クラスタに十分なフェイルオーバー キャパシティがない場合でも、vSphere HA はフェイルオーバーを実行し、仮想マシン再起動の優先順位設定を使用して、どの仮想マシンを最初にパワーオンするかを判断できます。

    注:

    2 ノード クラスタを修正する前に HA アドミッション コントロールを無効にすると、クラスタは実質的に高可用性に関するすべての保証を失います。

    • [クラスタで HA アドミッション コントロールを無効化] オプションを選択すると、vSphere Lifecycle Manager はクラスタ内のホストを修正し、修正が完了した後で HA アドミッション コントロールを再度有効にします。

    • [クラスタで HA アドミッション コントロールを無効化] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager は HA アドミッション コントロールが有効になっているクラスタの修正をスキップします。

    DPM

    VMware Distributed Power Management (DPM) は、クラスタ内で実行中の仮想マシンによって消費されるリソースを監視します。十分なキャパシティがある場合、VMware DPM は仮想マシンをクラスタ内の他のホストに移動し、元のホストをスタンバイ モードにして節電することを推奨します。キャパシティが不足している場合、VMware DPM はスタンバイ モードのホストをパワーオン状態に戻すことを推奨します。

    • [クラスタで DPM を無効化] オプションを選択した場合、vSphere Lifecycle Manager はクラスタ内のホストを修正し、修正が完了した後で DPM を再度有効にします。

    • [クラスタで DPM を無効化] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager は DPM が有効になっているクラスタの修正をスキップします。

    ハードウェア互換性の問題

    vSphere Lifecycle Manager は、vSAN クラスタの修正の事前チェック タスクおよび修正タスクの一環としてハードウェア互換性チェックを実行します。クラスタのハードウェア互換性に問題がある場合に修正を防止するように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。

    • [ハードウェア互換性の問題が見つかった場合、修正を防止する] オプションを選択すると、vSphere Lifecycle Manager はハードウェア互換性の問題をエラーとして報告し、修正を防止します。

    • [ハードウェア互換性の問題が見つかった場合、修正を防止する] オプションの選択を解除すると、vSphere Lifecycle Manager はハードウェア互換性の問題を警告として報告し、修正は防止されません。

    クラスタが vSAN に対応していない場合、vSphere Lifecycle Manager は修正の事前チェック タスクまたは修正タスクの一環としてハードウェア互換性チェックを実行しません。

    並行修正

    並行修正を有効にすると、複数の ESXi ホストを同時に修正できます。[並行修正] チェック ボックスを選択すると、vSphere Lifecycle Manager は、メンテナンス モードのすべてのホストを順番にではなく並行して修正できます。同時修正の最大数を手動で指定することもできます。

    注:

    vSphere Distributed Switch に移行する準備のできた NSX 分散仮想スイッチがホストにある場合は、並行修正の最大数を手動で 4 以下に設定する必要があります。ホスト スイッチの移行が必要な場合、並行して修正するホストの数が 4 を超えると、修正が失敗することがあります。これは、vSphere Lifecycle Manager が並行修正の完了に要する時間よりも、ホスト スイッチの移行に要する時間の方が長いためです。

結果

これらの設定が、選択したクラスタの修正設定になります。vSphere Lifecycle Manager は、以降のすべての修正タスクで、そのクラスタに対してこれらの設定を使用します。グローバル修正設定は変更されず、他のすべてのクラスタに適用されます。

[イメージのコンプライアンス] カードの vSphere Lifecycle Manager に、グローバル修正設定がオーバーライドされたことを示すメッセージが表示されます。また、値をリセットするオプションがカードに表示されます。

ベースラインを使用して管理するホストおよびクラスタの vSphere Lifecycle Manager 修正設定の構成

ベースラインまたはベースライン グループに対する修正前および修正中の vSphere Lifecycle Manager の動作を構成できます。修正設定により、vSphere Lifecycle ManagerESXi ホストをメンテナンス モードにしてから修正することができます。

vSphere Lifecycle Manager ベースラインを使用するとき、他のソフトウェアが PXE ブートを使用する ESXi ホストの修正を開始できるように vSphere Lifecycle Manager を設定できます。修正により、ソフトウェア モジュールがホストにインストールされますが、通常、ホストのアップデートは再起動後に失われます。再起動後、ステートレス ホストのアップデートを保持するには、アップデートが含まれる PXE ブート イメージを使用します。PXE ブート イメージは、vSphere Lifecycle Manager でアップデートを適用する前に更新できます。したがって、再起動によりアップデートが失われることはありません。また、vSphere Lifecycle Manager 自体がホストを再起動することはありません。Update Manager では、PXE ブート ESXi ホストでの再起動を必要とするアップデートがインストールされないためです。

前提条件

  • 必須権限:VMware vSphere Lifecycle Manager.構成
  • Quick Boot を有効にするには、ESXi ホストがこの機能に対応していることを確認する必要があります。詳細については、『Quick Boot』を参照してください。

手順

  1. vSphere Lifecycle Manager ホスト ビューに移動します。
    1. vSphere Client[メニュー] > [Lifecycle Manager] の順に選択します。
    2. [Lifecycle Manager] ドロップダウン メニューから vCenter Server システムを選択します。
      ドロップダウン メニューは、複数の vCenter Server システムが共通の vCenter Single Sign-On ドメインによって接続されている場合にのみ使用できます。 vCenter Server システムを選択して、管理する vSphere Lifecycle Manager インスタンスを指定します。
  2. [設定] タブで [クラスタのライフサイクル] > [ベースライン] の順に選択します。
  3. [編集] ボタンをクリックします。
    [ホスト修正設定の編集] ダイアログ ボックスが開きます。
  4. ベースライン修正設定を構成し、[保存] をクリックします。
    オプション 説明
    仮想マシンの電源状態 ホストを修正する前に、実行中のすべての仮想マシンをパワーオフまたはサスペンドするように vSphere Lifecycle Manager を構成できます。または、仮想マシンの電源状態を変更しないように vSphere Lifecycle Manager を構成することもできます。
    メンテナンス モードの障害 修正前にホストをメンテナンス モードに切り替えられなかった場合の vSphere Lifecycle Manager の動作方法を構成できます。vSphere Lifecycle Manager がホストのメンテナンス モードへの切り替えを再試行できるようにする場合は、再試行回数と再試行遅延を指定する必要があります。vSphere Lifecycle Manager は、[再試行遅延] オプションに構成された時間だけ待機し、[再試行回数] テキスト ボックスに指定された回数だけホストのメンテナンス モードへの切り替えを再試行します。
    PXE ブートされたホスト vSphere Lifecycle Manager ベースラインで管理できる vSphere インベントリの PXE ブート ESXi ホストのソリューションに対して、ソフトウェアのインストールを有効にできます。
    VM 移行 それぞれのオプションを選択して仮想マシンの移行を有効にすると、vSphere Lifecycle Manager は、サスペンド状態およびパワーオフ状態の仮想マシンを、メンテナンス モードに切り替える必要があるホストからクラスタ内の他のホストに移行します。
    リムーバブル メディア デバイス vSphere Lifecycle Manager は、CD ドライブ、DVD ドライブまたはフロッピー ドライブが接続されている仮想マシンが配置されたホストを修正しません。ホスト上の仮想マシンに接続されているリムーバブル メディア ドライブは、ホストをメンテナンス モードに切り替える際の妨げになったり、修正が中断される原因となる可能性があります。そのため、すべてのリムーバブル メディア デバイスを切断して、それぞれのホストがメンテナンス モードに正常に切り替わるようにすることができます。修正後に、リムーバブル メディア デバイスが引き続き利用可能な場合、vSphere Lifecycle Manager はそれらのデバイスを再接続します。
    Quick Boot Quick Boot を使用すると、修正中のホストの再起動時間が短縮されます。デフォルトでは、Quick Boot は無効になっています。
    並行修正 並行修正を有効にすると、複数の ESXi ホストを同時に修正できます。[並行修正] オプションを選択すると、vSphere Lifecycle Manager は、メンテナンス モードのすべてのホストを順番にではなく並行して修正できます。また、同時修正の最大数を手動で指定することもできます。
    注:

    vSphere Distributed Switch に移行する準備のできた NSX 分散仮想スイッチがホストにある場合は、並行修正の最大数を手動で 4 以下に設定する必要があります。ホスト スイッチの移行が必要な場合、並行して修正するホストの数が 4 を超えると、修正が失敗することがあります。これは、vSphere Lifecycle Manager が並行修正の完了に要する時間よりも、ホスト スイッチの移行に要する時間の方が長いためです。

結果

これがvSphere Lifecycle Managerベースラインのデフォルトの障害応答の設定になります。個々の修正タスクに、異なる設定を指定することができます。

vSphere Lifecycle Manager ベースラインを使用して管理する vSAN クラスタの vSphere Lifecycle Manager 修正設定の構成

vSphere Lifecycle ManagervSAN クラスタに対して生成する推奨ベースライン グループに含めるベースラインのタイプを構成できます。

推奨ベースライン グループには、アップグレードを含めることも、ホストのパッチとアップデートのみを含めることもできます。デフォルトでは、 vSphere Lifecycle Manager は、パッチおよびアップデートだけでなく、アップグレードを含む推奨ベースラインを生成するように設定されています。ただし、デフォルトの構成はいつでも変更できます。ベースラインを使用して管理する vSAN クラスタでは、推奨ベースライン グループを生成しないように vSphere Lifecycle Manager を構成することもできます。このような場合でも、ベースラインを手動で作成して、ホストをアップグレードできます。

前提条件

手順

  1. vSphere Client でベースラインを使用して管理する vSAN クラスタに移動します。
  2. [更新] タブで、[ホスト] > [クラスタ設定] の順に選択します。
  3. [このクラスタの修正の設定] ペインで [編集] ボタンをクリックします。
    [クラスタの修正設定を編集] ダイアログ ボックスが表示されます。
  4. vSphere Lifecycle Manager が選択した vSAN クラスタに対して生成する推奨ベースライン グループに含めるベースラインのタイプを選択します。
    • アップグレード ベースラインをこのクラスタの推奨ベースライン グループに含めるには、[新しい ESXi バージョンへのアップグレードを含める] ラジオ ボタンを選択します。

      [新しい ESXi バージョンへのアップグレードを含める] オプションは、新しく作成された vSAN クラスタでデフォルトで選択されています。

    • このクラスタの推奨ベースライン グループにパッチとアップデートのみを含めるには、[現在の ESXi バージョンのパッチとアップデートを含める] ラジオ ボタンを選択します。
    • このクラスタの推奨ベースライン グループの生成を停止するには、[推奨なし] ベースライン グループを選択します。
  5. [完了] ボタンをクリックして選択内容を保存し、ダイアログ ボックスを閉じます。

    選択したオプションが vSAN クラスタのデフォルト構成になります。