vSphere 8.0 以降、vSphere Distributed Services Engine (vDSE) は、SmartNIC としても知られるデータ処理ユニット (DPU) が追加された分散アーキテクチャとして仮想インフラストラクチャを導入します。これにより、ホストまたはサーバ CPU からデータ処理ユニット (DPU) にインフラストラクチャ機能をオフロードできるようになります。

ネットワーク オフロードの互換性により、ネットワーク操作を DPU デバイスにオフロードできます。パフォーマンスを向上させるために、ネットワーク機能を ESXi ホストから DPU にオフロードできます。DPU 上の ESXi によってバッキングされている vSphere Distributed Switch は、次のモードをサポートします。
  • NSX が有効になる前の非オフロード モード:DPU は従来の NIC として使用されます。
  • NSX が有効になった後のオフロード モード:トラフィック転送ロジックは ESXi ホストから vSphere Distributed Switch にオフロードされます。

DPU によってバッキングされるホストは、vSphere Distributed Switch に関連付けられています。これは、Distributed Switch の作成時に構成されます。ホストを Distributed Switch に関連付けてから、ネットワーク オフロードの互換性を変更することはできません。これらの Distributed Switch には、DPU によってバッキングされているホストのみを追加できます。DPU 上の ESXi は、VMware NSX® トランスポート ノードが構成されるまで、従来の NIC として使用されます。vCenter ServervSphere Distributed Switch は、VMware NSX® が有効になっているときにネットワーク オフロードが許可されているかどうかを示します。

DPU によってバッキングされる vSphere Distributed Switch でサポートされる機能。
  • vSphere Distributed Switch の作成と削除。
  • 構成管理。
  • vSphere Distributed Switch 健全性チェック。
  • Link Aggregation Control Protocol (LACP)。
  • ポート ミラーリング。
  • プライベート LAN。
  • リンク層探索プロトコル。
注: DPU によってバッキングされている vSphere Distributed Switch でサポートされない機能。
  • Network I/O Control。
  • トラフィック シェーピング ポリシー。
  • DV フィルタ。

デュアル DPU

vSphere 8.0 Update 3 以降では、2 つのデータ処理ユニット (DPU) を持つ vDSE を高可用性モードで使用できます。デュアル DPU の詳細については、DPU を使用した VMware vSphere® Distributed Services Engine とネットワーク アクセラレーションの概要を参照してください。

デュアル DPU は、高可用性 (HA) モードと非高可用性(非 HA)モードで使用できます。
  • HA モード:このモードでは、各 DPU が単一のオフロードされた Distributed Switch (vDS) によって使用されます。たとえば、DPU 1 がアクティブとして指定されている場合は、DPU 2 がスタンバイとして機能します。スタンバイ DPU はバックアップ DPU として指定されます。アクティブ DPU に障害が発生すると、アクティブなネットワーク オフロードがスタンバイ DPU に切り替わります。これにより、DPU の高可用性が実現します。この切り替えによって、アクティブなワークロードで障害が発生するリスクを最小限に抑えることができます。

    デュアル DPU が同じネットワーク スイッチに同時に接続されている場合は、その一方だけがデータ パケットを処理します。もう一方の DPU はスタンバイ モードです。ただし、シャドウ スイッチとポートはスタンバイ DPU に作成されます。ネットワーク ポリシーも DPU に適用されますが、シャドウ スイッチはパケットを処理しません。ESXi はアクティブ DPU の障害を検出すると、スタンバイ DPU へのフェイルオーバーを開始し、シャドウ スイッチに信号を送信してパケット処理を有効にします。

  • 非 HA モード:このモードでは、高可用性 (HA) はありませんが、個別のオフロードされた Distributed Switch で各 DPU を使用できます。このモードでは、アクティブなネットワーク データパス オフロードに両方の DPU を使用できます。

ネットワーク オフロードの有効化

ネットワーク オフロードを有効にするには、 vCenter ServerVMware NSX® で複数の手順を実行する必要があります。
手順 解決方法
vSphere Distributed Switch の作成 vSphere Distributed Switch の作成
ホストの vSphere Distributed Switch への関連付け vSphere Distributed Switch へのホストの追加
NSX ホスト トランスポート ノードの構成 DPU が有効な vSphere Lifecycle Manager クラスタでの NSX ホスト トランスポート ノードの構成
ネットワーク オフロードを使用した vSphere Distributed Switch のトポロジの表示 ネットワーク オフロード スイッチのトポロジの表示