診断やテクニカル サポートを行うために、ESXi では、ホスト障害時に診断情報を事前構成済みの場所に保存できるようになっている必要があります。

通常、診断情報を収集するパーティション(コア ダンプとも呼ばれる)は、ESXi のインストール中にローカル ストレージ デバイスに作成されます。ESXi Dump Collector を構成し、デバッグ中に使用できるようにコア ダンプをネットワーク サーバに保持することもできます。ESXi Dump Collector の設定の詳細については、『ESXi のインストールとセットアップ』ドキュメントの「ESXi Dump Collector の構成」を参照してください。

また、VMFS データストア上のファイルを使用して診断情報を収集する方法もあります。

コア ダンプの場所としてのファイルの設定

使用可能なコア ダンプ パーティションのサイズが十分でない場合、VMFS データストア上の診断情報用のファイルを使用するように ESXi を構成できます。

注: ソフトウェア iSCSI の VMFS データストアは、コア ダンプ ファイルをサポートしていません。

前提条件

  • コア ダンプ ファイルに使用できるデータストアの容量が、推奨ファイル サイズの 2 倍であることを確認します。詳細については、ナレッジベースの記事 KB2058416 を参照してください。
  • ESXCLI をインストールします。ESXCLI スタート ガイドを参照してください。トラブルシューティングするには、ESXi Shellesxcli コマンドを実行します。

手順

  1. 次のコマンドを実行して、VMFS データストア コア ダンプ ファイルを作成します。
    esxcli system coredump file add

    このコマンドには次のオプションがありますが、これらのオプションは必須ではないので省略できます。

    オプション 説明
    --datastore | -d datastore_UUID or datastore_name ダンプ ファイルのデータストアを指定します。指定しない場合は、十分なサイズを持つデータストアがシステムによって選択されます。
    --file | -f file_name ダンプ ファイルのファイル名を指定します。指定しない場合は、ファイルの一意の名前がシステムによって作成されます。
    --size |-s file_size_MB ダンプ ファイルのサイズを MB 単位で設定します。指定しない場合は、ホストに装着されているメモリに対して適切なサイズのファイルがシステムによって作成されます。
  2. 次のコマンドを実行して、ファイルが作成されたことを確認します。
    esxcli system coredump file list
    次のような出力が表示されます。
    Path                                             Active Configured Size
    ------------------------------------------------ ------ ---------- ---------
    /vmfs/volumes/52b021c3-.../vmkdump/test.dumpfile false  false      104857600
    
  3. ホストのコア ダンプ ファイルを有効にします。
    esxcli system coredump file set

    このコマンドには次のオプションがあります。

    オプション 説明
    --enable |-e ダンプ ファイルを有効または無効にします。このオプションは、ダンプ ファイルの設定を解除するときには指定できません。
    --path | -p 使用するコア ダンプ ファイルのパスです。ファイルは、事前に割り当てられていることが必要です。
    --smart | -s このフラグは [--enable | -e=true] 指定時にのみ使用できます。その場合は、洗練された選択アルゴリズムを使用してファイルが選択されます。

    次に例を示します。

    esxcli system coredump file set --smart --enable true

    --unconfigure | -u 現在の VMFS ダンプ ファイルの設定を解除します。
  4. 次のコマンドを実行して、コア ダンプ ファイルがアクティブであり、構成されていることを確認します。
    esxcli system coredump file list
    次のような出力は、コア ダンプ ファイルがアクティブであり、構成されていることを示します。
    Path                                             Active Configured Size
    ------------------------------------------------ ------ ---------- ---------
    /vmfs/volumes/52b021c3-.../vmkdump/test.dumpfile True   True       104857600

次のタスク

コア ダンプ ファイルの管理で使用できるその他のコマンドの詳細については、『ESXCLI のリファレンス』ドキュメントを参照してください。

コア ダンプ ファイルの無効化と削除

構成済みのコア ダンプ ファイルを無効化し、必要に応じて、VMFS データストアから削除します。

一時的にコア ダンプ ファイルを無効化することができます。無効化したファイルを使用する予定がない場合、VMFS データストアから削除できます。無効化されていないファイルを削除するには、esxcli system coredump file remove コマンドを --force | -F パラメータと一緒に使用します。

前提条件

ESXCLI をインストールします。ESXCLI スタート ガイドを参照してください。トラブルシューティングするには、ESXi Shellesxcli コマンドを実行します。

手順

  1. コア ダンプ ファイルをリストします。
    esxcli system coredump file list
  2. 次のコマンドを実行して、コア ダンプ ファイルを無効化します。
    esxcli system coredump file set --unconfigure | -u
  3. ファイルを VMFS データストアから削除します。
    esxcli system coredump file remove --file | -f file_name

    このコマンドには次のオプションがあります。

    オプション 説明
    --file | -f 削除するダンプ ファイルのファイル名を入力します。名前を入力しない場合、コマンドは、デフォルト設定されているコア ダンプ ファイルを削除します。
    --force | -F 削除するダンプ ファイルを無効化し、構成解除します。このオプションは、ファイルが今までに無効化されておらず、アクティブな場合に必要です。

結果

コア ダンプ ファイルは VMFS データストアから削除されます。