SAN から起動するようにホストを設定すると、ホストの起動イメージが SAN ストレージ システム内の 1 つ以上の LUN に格納されます。ホストが起動するとき、ローカル ディスクではなく、SAN の LUN から起動します。

SAN からの起動は、ローカル ストレージのメンテナンスを行いたくない場合や、ブレード システムのようなディスクレス ハードウェア構成の場合に使用できます。

ESXi はさまざまな方法の iSCSI SAN からの起動がサポートされています。

表 1. iSCSI SAN からの起動のサポート
独立型ハードウェア iSCSI ソフトウェア iSCSI
SAN から起動するよう iSCSI HBA を構成します。HBA の構成の詳細については、SAN 起動のための独立型ハードウェア iSCSI アダプタの構成を参照してください。 ソフトウェア iSCSI アダプタと、iSCSI Boot Firmware Table (iBFT) 形式をサポートするネットワーク アダプタを使用します。詳細については、『ESXi のインストールとセットアップ』を参照してください。

iSCSI SAN ブートに関する一般的な推奨事項

ホストの起動デバイスとして iSCSI LUN を設定し、使用する場合は、一般的なガイドラインを実行します。

次のガイドラインは、独立型ハードウェア iSCSI および iBFT からの起動に適用されます。
  • 起動構成で使用するハードウェアに関するベンダーの推奨事項を確認してください。
  • インストールの前提条件と要件については、『vSphere Installation and Setup』を参照してください。
  • DHCP の競合を避けるためには、固定 IP アドレスを使用します。
  • VMFS データストアとブート パーティションに、異なる LUN を使用します。
  • ストレージ システムで適切な ACL を構成します。
    • 起動 LUN は、その LUN を使用するホストからのみ認識できるようにします。その SAN のほかのホストからその起動 LUN を参照できないようにします。
    • VMFS データストアに LUN を使用する場合、複数のホストが LUN を共有できます。
  • 診断パーティションを構成します。
    • 独立型のハードウェア iSCSI のみを使用している場合は、診断パーティションを起動 LUN に配置できます。診断パーティションを起動 LUN に構成する場合、この LUN は複数のホストで共有できません。診断パーティションに独立した LUN を使用する場合、複数のホストが LUN を共有できます。
    • iBFT を使用して SAN から起動する場合は、SAN LUN 上に診断パーティションを設定できません。ホストの診断情報を収集するには、リモート サーバ上で vSphere の ESXi ダンプ コレクタを使用します。ESXi Dump Collector の詳細については、『vCenter Server のインストールとセットアップ』および『vSphere のネットワーク』を参照してください。

iSCSI SAN の準備

iSCSI LUN から起動するようにホストを構成する前に、ストレージ エリア ネットワークの準備と構成を行います。

注意: SAN から起動する場合、 ESXi をインストールするためにスクリプトによるインストールを使用するときは、誤ってデータが失われないように、特別な手順を実行する必要があります。

手順

  1. ネットワーク ケーブルを接続します。現在の環境に該当する配線ガイドを参照してください。
  2. ストレージ システムとサーバ間の IP 接続を確認します。
    ストレージ ネットワークのあらゆるルーターまたはスイッチが適切に構成されていることを確認してください。ストレージ システムでは、ホストの iSCSI アダプタに ping が通っている必要があります。
  3. ストレージ システムを構成します。
    1. ストレージ システムでホストの起動元となるボリューム (または LUN) を作成します。
    2. ストレージ システムを構成して、ホストが、割り当てた LUN にアクセスできるようにします。
      この手順には、ホストで使用する、IP アドレスによる ACL、iSCSI 名、および CHAP 認証パラメータのアップデートが含まれることがあります。一部のストレージ システムでは、 ESXi ホストにアクセス情報を指定するだけでなく、割り当てた LUN をそのホストに明示的に関連付ける必要もあります。
    3. LUN がホストで正しく認識されていることを確認します。
    4. ほかのシステムが構成済みの LUN にアクセスしないことを確認します。
    5. ホストに割り当てられたターゲットの iSCSI 名と IP アドレスを記録します。
      この情報は iSCSI アダプタの構成時に必要です。

SAN 起動のための独立型ハードウェア iSCSI アダプタの構成

ESXi ホストが QLogic HBA などの独立型ハードウェア iSCSI アダプタを使用する場合には、SAN ブートするようにアダプタを設定できます。

この手順では、QLogic iSCSI HBA が SAN から起動できるように構成する方法を説明します。QLogic アダプタ設定の詳細および最新の情報については、QLogic の Web サイトを参照してください。

手順

  1. インストール メディアを起動し、ホストを再起動します。
  2. BIOS を使用して、最初にインストール メディアから起動するようにホストを設定します。
  3. サーバが POST で送信中に Crtl + q キーを押し、QLogic iSCSI HBA 設定メニューに入ります。
  4. 構成する I/O ポートを選択します。
    デフォルトで、アダプタの起動モードは無効に設定されます。
  5. HBA を構成します。
    1. [Fast!UTIL オプション] メニューから、[構成設定] > [ホスト アダプタの設定] の順に選択します。
    2. (オプション) ホスト アダプタのイニシエータ IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ、イニシエータ iSCSI 名、および CHAP を設定します。
  6. iSCSI 設定を構成します。
    iSCSI 起動の設定を参照してください。
  7. 変更内容を保存し、システムを再起動します。

iSCSI 起動の設定

iSCSI 起動パラメータを構成して ESXi ホストが iSCSI LUN から起動できるようにします。

手順

  1. [Fast!UTIL オプション] メニューから、[構成設定] > [iSCSI 起動設定] を選択します。
  2. SendTargets を設定する前に、アダプタの起動モードを [手動] に設定します。
  3. [プライマリ起動デバイス設定] を選択します。
    1. 検出する [ターゲット IP] および [ターゲット ポート] を入力します。
    2. [起動 LUN] パラメータと [iSCSI 名] パラメータを構成します。
      • ターゲット アドレスで 1 つの iSCSI ターゲットと 1 つの LUN しか利用できない場合は、[起動 LUN][iSCSI 名] は空のままにしてください。

        ホストがターゲット ストレージ システムに到達すると、これらのテキスト ボックスに適切な情報が設定されます。

      • 複数の iSCSI ターゲットと LUN が利用できる場合は、[起動 LUN][iSCSI 名] の値を指定します。
    3. 変更内容を保存します。
  4. [iSCSI 起動設定] メニューからプライマリ起動デバイスを選択します。
    HBA の自動再スキャンによって新しいターゲット LUN が検出されます。
  5. iSCSI ターゲットを選択します。
    複数の LUN がターゲット内にある場合は、iSCSI デバイスを見つけてから、 [Enter] キーを押すと、特定の LUN ID を選択できます。
  6. [プライマリ起動デバイス設定] メニューに戻ります。再スキャン後、[起動 LUN] および [iSCSI 名] フィールドに値が設定されます。[起動 LUN] の値を目的の LUN ID に変更します。