esxcli コマンドまたは vSphere Client を使用し、設定する NFS のバージョンと構成に応じて NFS データストアを構成できます。

NFS データストアの esxcli コマンド パラメータの概要

esxcli コマンドを使用して、NFS の特定の設定を構成します。

コマンド 説明

NFS 4.1:esxcli storage nfs41 add

NFS 3:esxcli storage nfs add

新しい NFS または NAS ボリュームを追加し、指定されたボリューム名を使用して ESXi ホストにマウントします。

NFS 4.1:esxcli storage nfs41 param set

NFS 3:esxcli storage nfs param set

NFS ボリューム パラメータを設定します。
これらのコマンドでは、次のオプションを使用できます。
オプション 説明
-H|--hosts=<str>

NFS 4.1:追加する NFS 4.1 ボリュームのサーバのホスト名または IP アドレス。複数の NFS ボリュームをカンマで区切って追加できます。

NFS 3:システムに追加およびマウントする NAS ボリュームのホスト名または IP アドレス。

-I|--host-vmknic=<str>

NFS 4.1:追加する NFS 4.1 ボリュームのサーバのホスト名または IP アドレス。その後にコロン (:) と VMknic 名が続きます。複数の名前を指定できます。例: --host-vmknic=<host1>:<vmknic1> --host-vmknic=<ip2>:<vmknic2>

NFS 3:追加する NAS ボリュームのホスト名または IP アドレス。指定できる名前は 1 つのみです。例: <ip1>:<vmknic1>

-p|--ispe 設定すると、このフラグが PE をマウント ポイントとして設定します。
-r|--readonly 設定すると、このフラグがマウント ポイントを読み取り専用にします。
-a|--sec=<str> セキュリティ設定です。使用可能な値は、AUTH_SYS、SEC_KRB5、SEC_KRB5I です。このオプションは NFS 4.1 以降にのみ適用されます。
-s|--share=<str> リモート システムの NFS または NAS マウント ポイントに使用する共有名。このオプションが必要とされます。
-v|--volume-name=<str> NFS または NAS マウントに使用するボリューム名。ボリューム名は一意である必要があります。また、既存の NAS、NFS、VMFS、またはその他のボリューム名と競合しないようにしてください。このオプションが必要とされます。
-c|--connections=<long> NFS データストアに対して確立される RPC 接続の数。接続数が多いほど、I/O 負荷が高いデータストアのパフォーマンスが向上します。
-q|--maxqueuedepth=<long> NFS ボリュームの最大キュー深度。このオプションは、param set コマンドでのみ使用できます。

NFS 用の複数の TCP 接続の構成

nconnect オプションを使用することにより、複数の接続を持つ NFS ストレージを構成できます。NFS 4.1 の場合は、セッションごとに複数の接続を作成できます。NFS 3 の場合は、複数の接続でデータストアをマウントできます。esxcli storage nfs41 コマンドを使用して、複数の接続を構成します。

デフォルトでは、各 NFS データストアに最大 4 つの接続を設定できます。ただし、高度な NFS オプションを使用して最大 8 つまで増やすことができます。マウントされたすべての NFS データストア間における接続の総数が 256 を超えないようにします。

NFS 4.1 では、複数の接続を設定してもマルチパスには影響しません。複数の接続と複数のパスは共存できます。

注: 次の手順のコマンドは、NFS 4.1 データストアの例です。NFS 3 データストアの場合は、 nfs41nfs に置き換えます。

前提条件

NFS ストレージ環境を設定します。

手順

  1. NFS データストアをマウントするときに接続数を指定するには、次のコマンドを使用します。
    esxcli storage nfs41 add -H <host> -v <volume-label> -s <remote_share> -c <number_of_connections>
  2. 既存の NFS データストアに対して接続数を指定するには、次のコマンドを使用します。
    esxcli storage nfs41 param set -v <volume-label> -c <number_of_connections>
  3. (オプション)接続数を最大 8 個に増やすには、次のコマンドを使用します。
    esxcli storage nfs41 param set -v <volume-label> -c <number_of_connections>

NFS データストアの VMkernel バインドの構成

ESXi ホスト上の NFS データストアに VMkernel ポートのバインドを使用すると、NFS ボリュームを特定の VMkernel アダプタにバインドして NFS サーバに接続できます。NFS データストアでは、NFS トラフィックを特定の VMkernel アダプタに隔離できます。このアダプタにトラフィックをルーティングするには、データストアをアダプタに接続します。

注: バインドを使用しない場合、 ESXi が NFS トラフィック用に使用する VMkernel アダプタに障害が発生すると、ネットワーク インフラストラクチャがトラフィックを代替ルートにリダイレクトします。その結果、NFS トラフィックが誤ってランダムな VMkernel アダプタを通過することがあります。

NFS 4.1 データストアの VMkernel バインドの構成

NFS 4.1 データストアを特定の VMkernel アダプタに接続するには、esxcli storage nfs41 コマンドを使用します。NFS 4.1 データストアをマウントするときに VMkernel アダプタを指定することができます。または、NFS データストアがすでにマウントされている場合に、既存の NFS ボリューム構成を変更して目的の VMkernel アダプタを指定することができます。

前提条件

  • NFS ストレージ環境を設定します。
  • デフォルトの TCP/IP スタックの VMkernel アダプタを作成して構成します。

手順

  1. ESXi ホストに新しい NFS v4.1 ボリュームをマウントするときに VMkernel アダプタを指定するには、次のコマンドを使用します。
    [root@:~] esxcli storage nfs41 add

    例: [root@:~]esxcli storage nfs41 add -I 10.187.114.32:vmk0 -I 10.187.214.27:vmk1 -s /store1 -v store1

  2. 既存の NFS 4.1 データストアに VMkernel アダプタを設定するには、次のコマンドを使用します。
    [root@:~] esxcli storage nfs41 param set

    例: [root@:~] esxcli storage nfs41 param set -I 10.187.114.32:vmk2 -v store1

  3. (オプション)指定した VMkernel アダプタが設定されているかどうかを確認します。
    [root@:~] esxcli storage nfs41 list

    出力は次のようになります。

    Volume Name  Host(s)                      Share    Vmknics     Accessible  Mounted  Connections  Read-Only  Security   isPE  Hardware Acceleration
    -----------  -------------                -------  -------     ----------  -------  -----------  ---------  --------  -----  ---------------------
    store1       10.187.114.32,10.187.214.27   /store1   vmk2,vmk1        true     true            1                         false              AUTH_SYS  false     Not Supported

NFS 3 データストアの VMkernel バインドの構成

NFS 3 データストアの場合、vSphere Client を使用してデータストアを目的の VMkernel アダプタに接続できます。

前提条件

  • NFS ストレージ環境を設定します。
  • デフォルトの TCP/IP スタックの VMkernel アダプタを作成して構成します。

手順

  1. NFS 3 データストアを VMkernel アダプタにバインドします。
    1. vSphere Client ナビゲータで、ホスト、クラスタ、またはデータセンターを参照します。
    2. 右クリック メニューで [ストレージ] > [][新しいデータストア] の順に選択します。
    3. データストアのタイプとして [NFS] を選択し、[NFS 3] を選択します。
    4. データストアのパラメータを入力します。詳細については、『vSphere 環境での NFS データストアの作成』を参照してください。
    5. [vmknic にバインド] を選択します。
    6. データセンターまたはクラスタ レベルでデータストアを作成する場合は、データストアをマウントするホストを選択します。
    7. データセンター レベルまたはクラスタ レベルのデータストアの場合は、次のいずれかのオプションを選択します。
      • [すべてのホストの vmknic] を選択します。このオプションを使用すると、データストアをマウントしたすべてのホストで、選択可能な VMkernel アダプタを使用できます。
      • [ホストごとの vmknic] を選択します。このオプションを使用すると、ホストごとに VMkernel アダプタを指定できます。
        注: 一度に 1 つの項目のみを選択できます。
    8. 選択した構成オプションを確認し、[終了] をクリックします。
  2. NFS 3 データストアに接続されているホストを確認します。
    1. vSphere Client で、VMkernel アダプタがバインドされた NFS 3 データストアを選択します。
    2. [構成] タブをクリックし、[ホストとの接続] をクリックします。
    NFS 3 データストアに接続されているすべてのホストを表示できます。 [vmknic バインド] 列には、データストアに接続されている VMkernel アダプタが表示されます。 この図は、VMkernel バインドを使用して NFS 3 データストアに接続されているすべての VMkernel アダプタを示しています。
    注: NFS 3 データストアに関連付けられている VMkernel アダプタを削除すると、データストアにアクセスできなくなり、警告が表示されます。 [イベント] 画面に次の警告テキストが表示されます。

    vmknic vmkX removed, NFSv3 datastore datastore_name configured with the vmknic will be inaccessible.