vSphere アセットのライセンス モデルを正しく適用するには、ESXi ホストや vCenter Server インスタンスなどのアセットのタイプがライセンス キャパシティをどのように使用するかを理解する必要があります。

その他の VMware 製品のライセンスが vCenter Server に割り当てられている場合、それらのライセンスを vSphere Client で表示および管理できます。

vSphere 8.0 Update 2b 以降では、ソリューション ライセンスを使用して、ソリューションのすべてのコンポーネントにライセンスを割り当てることができます。たとえば、VMware vSphere Foundation ソリューション ライセンスを使用して、スーパーバイザー クラスタと vSAN クラスタにライセンスを供与できます。詳細については、『VMware vSphere Foundation (VVF) のライセンス』を参照してください。

VMware vSphere+ を使用する場合は、オンプレミスの vSphere インフラストラクチャを管理する際にいくつかのクラウド機能を活用します。詳細については、VMware vSphere+ のドキュメントを参照してください。

ESXi ホストのライセンス

ESXi ホストには vSphere のライセンスが供与されます。各 vSphere ライセンスには一定のキャパシティがあり、これを使用して ESXi ホスト上の複数の物理 CPU をライセンス供与できます。

vSphere には、次に示す 4 つの主要ライセンス モデルがあります。
  • コア単位のライセンス(CPU あたり 16 コア以上のライセンスが供与されます)。
  • 仮想マシン単位のライセンス。
  • vSphere+ サブスクリプション キャパシティ ベースのライセンス。
  • 最大 32 コアの 1 つの CPU に対応する CPU 単位のライセンス。

ESXi ホストにライセンス供与するには、次の要件を満たす vSphere ライセンスを割り当てる必要があります。

  • ライセンス モデルに応じて、ライセンスには十分なキャパシティが必要です。
  • ホストで使用するすべての機能をサポートしている。たとえば、ホストが vSphere Distributed Switch に関連付けられている場合、割り当てるライセンスで vSphere Distributed Switch 機能がサポートされている必要があります。

キャパシティの不十分なライセンスや、ホストで使用する機能をサポートしていないライセンスを割り当てようとすると、ライセンス割り当ては失敗します。

vSphere のコア単位のライセンス モデル

コア単位のライセンス モデルはサブスクリプション ベースです。環境に必要なキャパシティを計算するには、環境内のすべての ESXi ホスト上の各 CPU の物理 CPU コアの合計数が必要です。各コアに 1 つのライセンスが必要で、購入できる最小ライセンス キャパシティは CPU あたり 16 コアです。

たとえば、インベントリに 1 台の ESXi ホスト(1 CPU、CPU あたり 8 個の CPU コア)がある場合は、最小ライセンス キャパシティである CPU あたり 16 コアのサブスクリプション キャパシティを購入する必要があります。

ESXi ホストの台数 CPU の数 CPU あたりのコア数 コア ライセンスの数
1 1 8 16
2 2 8 64
2 2 16 64

環境に必要なライセンス数の計算の詳細については、VMware ナレッジベースの記事 (https://kb.vmware.com/s/article/95927 ) を参照してください。

vSphere の仮想マシン単位のライセンス モデル

ライセンス使用量は、ライセンスが割り当てられているホストで動作中のパワーオン状態のデスクトップ仮想マシンの総数と同じです。

vSphere のサブスクリプション ベース ライセンス モデル

現在、vSphere+ ワークロード プラットフォームを使用している場合は、vSphere を管理するためのサブスクリプション キャパシティ ベースのモデルがあります。サブスクリプション モデルの詳細については、VMware vSphere+ のドキュメントを参照してください。

vSphere の CPU 単位のライセンス モデル

CPU 単位のライセンス モデルを使用する場合は、1 つの CPU ライセンスが最大 32 個のコアがある 1 つの CPU をカバーします。CPU のコア数が 32 個を超える場合は、追加の CPU ライセンスが必要になります。

CPU の数

CPU あたりのコア数

CPU ライセンス数

1

1-32

1

2

1-32

2

1

33-64

2

2

33-64

4

vSphere ライセンスをホストに割り当てる場合、使用されるキャパシティの量は、ホスト上の物理 CPU の数と各物理 CPU の物理コア数によって決まります。

最大 32 個のコアを持つライセンス モデルを使用する場合は、10 32 コア CPU の vSphere ライセンスを、次のいずれかのホストの組み合わせに割り当てることができます。

  • CPU あたり 32 コアを持つ 2 CPU ホスト 5 台
  • CPU あたり 64 コアを持つ 1 CPU ホスト 5 台
  • CPU あたり 48 コアを持つ 2 CPU ホスト 2 台および CPU あたり 20 コアを持つ 1 CPU ホスト 2 台

2 個または 4 個の独立した CPU をシングル チップに結合する Intel CPU などのデュアルコア CPU およびクワッドコア CPU は、1 CPU としてカウントされます。

ESXi ホストの評価モード

ESXi をインストールすると、最長で 60 日間、評価モードで動作します。評価モードでは vSphere のすべての機能が提供されます。

ESXi ホストにライセンスを割り当てると、評価期間が終了する前にいつでも、ホストを評価モードに戻して、残りの評価期間に使用可能なすべての機能を評価検討できます。

たとえば、ESXi ホストを評価モードで 20 日間使用し、そのホストに vSphere Standard ライセンスを割り当ててから 5 日後に評価モードに戻すと、残りの 35 日間の評価期間、ホストで使用可能なすべての機能を評価検討できます。

ESXi ホストのライセンスと評価期間の有効期限

ESXi ホストの場合、ライセンスまたは評価期間の有効期限が切れると、ホストが vCenter Server から切断されます。パワーオン状態のすべての仮想マシンの実行は継続されますが、パワーオフ状態の仮想マシンをパワーオンすることはできません。使用中の機能の現在の設定を変更することはできません。ライセンスの有効期限が切れる前に使用していない機能は使用することはできません。

注:

有効期限のあるライセンスの場合、ライセンスの有効期限が切れる 90 日前に通知が表示されます。

アップグレード後の ESXi ホストへのライセンス供与

ESXi ホストを同じ番号で始まるバージョンにアップグレードする場合は、既存のライセンスを新しいライセンスで置き換える必要はありません。たとえば、ESXi 8.0 から 8.1 にホストをアップグレードする場合、ホストで同じライセンスを使用できます。

ESXi ホストを異なる番号で始まるメジャー バージョンにアップグレードすると、評価期間が新たに開始されるため、新しいライセンスを割り当てる必要があります。たとえば、ESXi ホストを 7.x から 8.x にアップグレードする場合、ホストに vSphere 8.x のライセンスを供与する必要があります。

vCenter Server のライセンス

インスタンス単位でのキャパシティを持つ vCenter Server ライセンスまたはソリューション ライセンスを使用して、vCenter Server システムにライセンスを供与できます。

vCenter Server の評価モード

vCenter Server システムをインストールする場合、評価モードになります。vCenter Server システムの評価モードは、ライセンスを vCenter Server に割り当てたかどうかに関係なく、製品をインストールしてから 60 日後に有効期限が切れます。インストールしてから 60 日以内でないと vCenter Server を評価モードに設定し直すことはできません。

たとえば、vCenter Server システムをインストールして、20 日間評価モードで使用し、適切なライセンスをシステムに割り当てたとします。vCenter Server の評価モードは、残りの評価期間である 40 日後に有効期限が切れます。

vCenter Server のライセンスと評価期間の有効期限

vCenter Server システムのライセンスまたは評価期間の有効期限が切れると、すべてのホストがその vCenter Server システムから切断されます。切断されたホストで実行されている仮想マシンはそのまま残ります。vCenter Server システムに新しいライセンスを割り当てるまでは、各ホストに個別にログインすることで、切断されたホスト上の仮想マシンを管理できます。vCenter Server に新しいライセンス キーを割り当てた後、切断されたすべてのホストが vCenter Server システムに再接続されます。

注: 有効期限のあるライセンスの場合、ライセンスの有効期限が切れる 90 日前に通知が表示されます。

アップグレード後の vCenter Server へのライセンス供与

vCenter Server を同じ番号で始まるバージョンにアップグレードする場合は、同じライセンスを保持できます。たとえば、vCenter Server システムを vCenter Server 8.0 から 8.1 にアップグレードする場合、システムで同じライセンスを保持できます。

vCenter Server を異なる番号で始まるメジャー バージョンにアップグレードすると、評価期間が新たに開始されるため、新しいライセンスを割り当てる必要があります。たとえば、vCenter Server システムを 7.x から 8.x にアップグレードする場合は、システムに vCenter Server 8 のライセンスを割り当てる必要があります。

ライセンスのエディションをアップグレードする場合(たとえば、vCenter Server Foundation から vCenter Server Standard へ)、システムの既存のライセンスをアップグレードしたライセンスで置き換えます。

vCenter Server のサブスクリプション ベースのライセンス

現在、vSphere+ ワークロード プラットフォームを使用している場合は、vSphere を管理するためのサブスクリプション キャパシティ ベースのモデルがあります。サブスクリプション モデルの詳細については、VMware vSphere+ のドキュメントを参照してください。