アクティブな仮想マシンのすべてのスナップショットを表示および管理できます。スナップショット情報を確認したり、最新のスナップショットに戻したり、名前と説明を変更したり、スナップショットを削除したりすることができます。
vSphere Client インベントリで仮想マシンを選択し、[スナップショット] タブをクリックすると、スナップショットを管理できます。
スナップショット ツリーには、仮想マシンのすべてのスナップショットと、スナップショットが作成されたときの仮想マシンの電源状態が表示されます。詳細情報領域には、スナップショットの名前と説明、作成時刻、およびディスク容量が表示されます。また、仮想マシンのメモリのスナップショットを作成したかどうかや、ゲスト ファイル システムを静止したかどうかも確認できます。
[現在点] ピンは、仮想マシンの現在のアクティブな状態を表し、常に表示されます。
仮想マシンのスナップショットの作成
仮想マシンのスナップショットを 1 つ以上作成して、特定の時点での、仮想マシンの設定状態、ディスク状態、およびメモリ状態を取得できます。スナップショットを作成する場合は、仮想マシンのファイルを静止したり、仮想マシン ディスクをスナップショットから除外することもできます。
スナップショットの作成時に、仮想マシンでほかのアクティビティが実行されていると、そのスナップショットに戻すときに、そのアクティビティがスナップショット プロセスに影響を与える可能性があります。ストレージの観点から言うと、スナップショットを作成するのに最も適したタイミングは、I/O の負荷があまり大きくないときです。サービスの観点から言うと、仮想マシン内のアプリケーションがほかのコンピュータと通信していないときにスナップショットを作成するのが最適です。仮想マシンがほかのコンピュータと通信しているとき、特に本番環境にある場合、問題が起こる可能性が高くなります。たとえば、仮想マシンがネットワーク上のサーバからファイルをダウンロードしているときにスナップショットを作成する場合、仮想マシンはファイルのダウンロードを継続し、サーバに進捗状況を通知します。そのスナップショットに戻すと、仮想マシンとサーバ間の通信は混乱し、ファイルの転送は失敗します。実行しているタスクによっては、メモリ スナップショットを作成したり、仮想マシンのファイル システムを静止したりできます。
- メモリ スナップショット
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スナップショット作成のデフォルトの設定です。仮想マシンのメモリの状態を取得する場合、スナップショットは仮想マシンのライブ状態を維持します。メモリ スナップショットでは、稼働中のソフトウェアをアップグレードするときなど、ある特定の時点でのスナップショットが作成されます。メモリ スナップショットを作成しておけば、アップグレードが予想どおりに完了しなかったとき、またはソフトウェアが期待に沿うものでなかったときに、仮想マシンを元の状態に戻すことができます。
メモリ状態の取得時に仮想マシンのファイルを静止させる必要はありません。メモリの状態を取得しない場合、スナップショットは仮想マシンのライブ状態を保存せず、ディスクは、静止しないかぎりクラッシュ時の整合性を保ちます。
- 静止スナップショット
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仮想マシンを静止する場合、VMware Tools によって仮想システム内のファイル システムが静止されます。静止操作により、スナップショット ディスクはゲスト ファイル システムの一貫した状態を表します。静止スナップショットは、自動バックアップや定期バックアップに適しています。たとえば、仮想マシンのアクティビティを把握していなくとも、最新の復元用バックアップが欲しいという場合に、ファイルを静止することができます。
仮想マシンがパワーオフ状態の場合、または VMware Tools を使用できない場合は、Quiesce パラメータは使用できません。大容量ディスクがある仮想マシンを静止させることはできません。
スナップショットから仮想ディスクを除外するためのディスク モードの変更
仮想ディスクを独立モードに設定して、その仮想ディスクを仮想マシンで作成されたスナップショットから除外することができます。
[前提条件]ディスク モードを変更する前に、仮想マシンをパワーオフしてから既存のスナップショットをすべて削除します。スナップショットを削除するとスナップショット ディスク上の既存のデータは親ディスクに記録されます。
- 仮想マシンのパワーオフ
独立ディスクが搭載されている仮想マシンのメモリ スナップショットを作成することできますが、スナップショットをリストアすることはできません。これらのスナップショットの主な目的は、Vmss2core または同様のツールでさらに分析するために仮想マシンの状態をキャプチャすることです。
- インベントリで仮想マシンを右クリックし、[設定の編集] を選択します。
- [仮想ハードウェア] タブで、[ハード ディスク] を展開し、独立ディスク モード オプションを選択します。
オプション 説明 [依存型] 依存型モードはデフォルトのディスク モードです。仮想マシンのスナップショットを作成すると、依存型ディスクがスナップショットに含まれます。以前のスナップショットに戻すと、すべてのデータがスナップショットの作成時点に戻ります。
[独立型:通常] 通常モードのディスクは、物理コンピュータ上の従来のディスクと同様に動作します。通常モードのディスクに書き込まれたすべてのデータは、スナップショットを元に戻した場合でも、永続的にこのディスクに書き込まれた状態になります。仮想マシンをパワーオフまたはリセットした場合、ディスクとそのすべてのスナップショットが保持されます。
[独立型:読み取り専用] 読み取り専用モードのディスクは、読み取り専用ディスクのように動作します。読み取り専用モードのディスクへの変更は、仮想マシンをパワーオフまたはリセットしたときに破棄されます。読み取り専用モードでは、仮想マシンを再起動しても、仮想ディスクの状態は常に同じです。ディスクへの変更は REDO ログ ファイルに書き込まれ、このファイルから読み取られます。REDO ログ ファイルは仮想マシンのパワーオフまたはリセット時、あるいはスナップショットの削除時に削除されます。
- [OK] をクリックします。
仮想マシンのスナップショットの作成
仮想マシンの電源がオン、オフ、サスペンドのいずれの場合でもスナップショットを作成できます。仮想マシンをサスペンドしている場合、サスペンド処理が完了してからスナップショットを作成します。
メモリのスナップショットを作成する場合、仮想マシンのメモリの状態と、仮想マシンの電源設定がスナップショットで取得されます。仮想マシンのメモリの状態をスナップショットで取得する場合、完了まで時間がかかります。ネットワークによっては、瞬間的に中断が生じる場合もあります。
仮想マシンを静止する場合、VMware Tools は仮想システム内のファイル システムを静止します。静止操作によって、仮想マシンで実行中のプロセスの状態が一時停止するか、変更されます。特に、元に戻す操作中に、ディスク上の情報を変更する可能性があるプロセスに影響があります。
IDE ディスクまたは SATA ディスクを使用する仮想マシンでは、アプリケーションの整合性を維持した静止はサポートされていません。
[前提条件]
- ディスク モードが異なる複数のディスクを持つ仮想マシンのメモリのスナップショットを作成している場合、仮想マシンがパワーオフ状態であることを確認します。たとえば、独立型ディスクが必要になる特別な構成の場合、スナップショットを作成する前に仮想マシンをパワーオフする必要があります。
- 仮想マシンのメモリ状態を取得するには、仮想マシンがパワーオン状態であることを確認します。
- 仮想マシン ファイルを静止するには、仮想マシンがパワーオン状態であり、VMware Tools がインストールされていることを確認します。
- 仮想マシン上で の権限があることを確認します。
[手順]
- vSphere Client で、仮想マシンに移動して [スナップショット] タブをクリックします。
- [スナップショットの作成] をクリックします。
[結果:][:スナップショットの作成] ダイアログ ボックスが開きます。
- スナップショットの名前を入力します。
- (オプション)スナップショットの説明を入力します。
- (オプション)仮想マシンのメモリをキャプチャするには、[仮想マシンのメモリのスナップショット] チェック ボックスを選択します。
- (オプション)スナップショット作成時にファイル システムの内容が既知の整合性のある状態になるように、ゲスト OS で実行中のプロセスを一時停止するには、[ゲスト ファイル システムを静止する(VMware Tools が必要)] チェック ボックスを選択します。
注: 仮想マシンがパワーオンされていて、 [仮想マシン メモリのスナップショットを作成] チェック ボックスの選択が解除されている場合にのみ、仮想マシンのファイルを静止できます。
- [作成] をクリックします。
仮想マシンのスナップショットを元に戻す
仮想マシンを元の状態に戻す、またはスナップショット階層内の別のスナップショットに戻すには、復帰オプションを使用します。
スナップショットを元に戻す場合は、仮想マシンのメモリ、設定、および仮想マシン ディスクをスナップショット作成時の状態に戻します。スナップショット ツリー内の任意のスナップショットを元に戻し、そのスナップショットを、仮想マシンの現在の状態の親スナップショットにすることができます。このポイント以降でスナップショットを作成すると、スナップショット ツリーに新しい分岐が作成されます。
スナップショットをリストアすると、次のような影響が及ぼされます。
- 現在のディスクおよびメモリの状態は破棄され、仮想マシンは、親スナップショットのディスクおよびメモリの状態に戻ります。
- 既存のスナップショットは移動されません。これらのスナップショットはいつでも元に戻すことができます。
- スナップショットにメモリ状態が含まれている場合、仮想マシンはスナップショットを作成したときの電源状態と同じ状態になります。
表 1. スナップショットをリストアした後の仮想マシンの電源状態 親スナップショット作成時の仮想マシンの状態 リストア後の仮想マシンの状態 パワーオン状態 (メモリを含む) 親スナップショットに戻り、仮想マシンはパワーオンになって、実行されます。 パワーオン状態 (メモリは含まない) 親スナップショットに戻り、仮想マシンはパワーオフになります。 パワーオフ状態 (メモリは含まない) 親スナップショットに戻り、仮想マシンはパワーオフになります。
特定のタイプのワークロードを実行している仮想マシンの場合、スナップショットから復帰して操作がレジュームされるまで数分かかる場合があります。
スナップショットを復帰する場合、スナップショット作成後に追加または変更したディスクはスナップショット ポイントに戻されます。たとえば、仮想マシンのスナップショットを作成してからディスクを追加したあとでスナップショットを復帰した場合、追加されたディスクは削除されます。
ディスクを追加する前に取ったスナップショットへ復帰すると、独立ディスクも削除されます。最新のスナップショットに独立ディスクが含まれている場合は、スナップショットへ復帰してもその内容は変更されません。
前提条件
仮想マシン上で
の権限があることを確認します。手順
- スナップショットを元に戻すには、vSphere Clientインベントリ内の仮想マシンに移動し、[スナップショット] タブをクリックします。
- スナップショット ツリーのスナップショットに移動し、[元に戻す] をクリックして、[元に戻す] ボタンをクリックします。
スナップショットの削除
スナップショットを削除すると、そのスナップショットはスナップショット ツリーから完全に消去されます。スナップショット ファイルは、統合されてスナップショット ディスクに書き込まれ、仮想マシンのベース ディスクにマージされます。1 つのスナップショットを削除するか、スナップショット ツリー内のすべてのスナップショットを削除できます。
スナップショットを削除しても、仮想マシンや別のスナップショットは変更されません。スナップショットを削除すると、スナップショットと以前のディスク状態との差分が統合されます。その後、削除済みのスナップショットに関する情報を含む差分ディスクからのすべてのデータが親ディスクに書き込まれます。ベース親スナップショットを削除すると、すべての変更内容は、ベース仮想マシン ディスクにマージされます。
スナップショットを削除するには、大量の情報を読み取り、ディスクに書き込む必要があります。そのプロセスにより、統合が完了するまで、仮想マシンのパフォーマンスが低下する可能性があります。スナップショットを統合すると冗長ディスクが削除されます。これにより、仮想マシンのパフォーマンスが向上し、ストレージ容量を節約できます。スナップショットの削除とスナップショット ファイルの統合にかかる時間は、最後にスナップショットを作成してからゲスト OS が仮想ディスクに書き込むデータの量によって異なります。仮想マシンがパワーオン状態の場合、必要な時間は、統合中に仮想マシンが書き込むデータの量に比例します。
ディスクの統合に失敗すると、仮想マシンのパフォーマンスが低下する可能性があります。リストを表示して、統合操作を別途実行する必要がある仮想マシンがあるかどうかを確認できます。複数の仮想マシンの統合状態を表示して判別し、統合操作を別途実行する方法については、スナップショットの統合を参照してください。
- [削除]
- スナップショット ツリーから 1 つの親スナップショットまたは子スナップショットを削除するには、 [削除] オプションを使用します。このオプションでは、スナップショットの状態と以前のディスク状態との差分が親スナップショットに書き込まれます。
- [すべて削除]
- スナップショット ツリーからすべてのスナップショットを削除するには、 [すべて削除] オプションを使用します。 [すべて削除] オプションでは、スナップショットと以前の差分ディスクの状態との差分が統合されてベース親ディスクに書き込まれます。この差分がベース仮想マシン ディスクにマージされます。
アップデートやインストールに失敗した場合などに、スナップショット ファイルが親スナップショットとマージされないようにするには、まず [元に戻す] ボタンを使用して、前回のスナップショットに戻します。この操作により、スナップショットの差分ディスクが無効にされ、メモリ ファイルが削除されます。続いて、[削除] オプションを使用して、スナップショットとそれに関連するファイルを削除します。
前提条件
- 削除操作とすべてを削除する操作についてよく理解し、これらの操作が仮想マシンのパフォーマンスに影響を与える度合いを把握します。
- 必要な権限: (仮想マシンが対象)。
手順
- ♦ スナップショット ツリーからスナップショットを削除するには、vSphere Clientインベントリ内の仮想マシンに移動し、[スナップショット] タブをクリックします。
オプション 操作 単一スナップショットを削除 - スナップショット ツリーでスナップショットに移動して選択します。
- [削除] をクリックし、[削除] ボタンをクリックします。
スナップショット データが親スナップショットに統合され、選択したスナップショットがスナップショット ツリーから削除されます。
すべてのスナップショットを削除 - [すべて削除] をクリックし、[すべて削除] ボタンをクリックします。
[現在点] の現在の状態の直前のスナップショットがすべてベース親ディスクに統合されます。既存のすべてのスナップショットがスナップショット ツリーと仮想マシンから削除されます。
スナップショットの統合
冗長差分ディスクの存在が仮想マシンのパフォーマンスに悪影響を及ぼす場合があります。データの依存関係に違反せずにこれらのディスクを結合できます。統合後は冗長ディスクが削除されます。これにより、仮想マシンのパフォーマンスが向上し、ストレージ容量を節約できます。
スナップショットの統合は、スナップショットの [元に戻す]、[削除]、または [すべて削除] の操作を実行したあと、スナップショット ディスクを圧縮できない場合に利用できます。この問題は、たとえば、スナップショットを削除しても、関連するディスクがベース ディスクに戻らない場合ことが原因で起こります。
前提条件
必要な権限: