展開の配置に最適なインフラストラクチャを見つけるために、vRealize Automation ではいくつかのフィルタリング判断が実行されます。vRealize Automation と vRealize Operations Manager の統合により、配置の判断をさらに厳密にできます。
vSphere ベースのクラウド ゾーンで詳細配置ポリシーのオプションを有効にしてある場合、vRealize Operations Manager は、ワークロードを最適に配置するのに役立ちます。
また、クラウド ゾーンの vSphere クラウド アカウントは、vRealize Operations Manager によって監視する必要があります。
フェーズ 1:予約
vRealize Automation の予約フェーズは、vRealize Operations Manager で高度な配置を有効にするかどうかによって変化することはありません。
- 予約は、プロジェクトにリンクされたクラウド テンプレートから開始されます。次に、そのプロジェクトがクラウド ゾーンにリンクされます。
- クラウド ゾーンは、コンピューティング リソース ホスト、プール、クラスタ、および接続されているストレージで構成されます。
初期状態では、プロジェクト内のすべてのクラウド ゾーンが潜在的に配置ターゲットになる可能性があります。
- vRealize Automation は、展開のための健全なリソースが十分でないクラウド ゾーンを除外します。
たとえば、パワーオフ状態またはメンテナンス状態のリソースが多すぎる場合、そのクラウド ゾーンは除外されます。
- vRealize Automation は、ビジネス要件を満たさないクラウド ゾーンを除外します。
たとえば、展開がゾーンの価格設定または予算制限を超える場合があります。
- vRealize Automation は、クラスタ要件を満たさないクラウド ゾーンを除外します。
たとえば、クラウド ゾーンのリソースに設定されている CPU またはメモリの使用率の制限が、展開にとって低すぎる場合があります。
- vRealize Automation は、アプリケーションの制約との間にアフィニティがないクラウド ゾーンを除外します。
アフィニティにより、クラウド テンプレートまたはプロジェクト レベルの制約タグが、クラウド ゾーン リソース内のいずれかの場所にある機能タグと一致することが要求されます。
たとえば、クラウド テンプレートまたはプロジェクトに、
pci
がタグ付けされたストレージを使用するというストレージ制約が含まれている場合、いずれのクラウド リソースにもその機能タグがないクラウド ゾーンは除外されます。 - vRealize Automation は、プロビジョニングの優先順位が最も高いクラウド ゾーンを選択します。
- プロジェクト レベルの配置ポリシーがデフォルト以外の場合、vRealize Automation はそのデフォルト以外の配置ポリシーをサポートするクラウド ゾーンを選択します。
このリリースでは、デフォルトでないものは Spread のみです。Spread では、ホストに対する仮想マシンの比率が低いクラウド ゾーンを選択することによって負荷が分散されます。デフォルトでは単純に、使用可能な最初のゾーンに展開されます。
プロジェクトの配置ポリシーは、クラウド ゾーン予約フェーズ内の要素です。割り当てフェーズでのクラウド ゾーンの配置ポリシーには影響せず、関係もありません。
完了すると、予約フェーズによって 1 つのクラウド ゾーンとそのリソースが選択されます。vRealize Automation は、前述のフィルタを通過した後も引き続き条件を満たしているゾーンのうち、使用可能な最初のゾーンを予約します。
フェーズ 2:割り当て
vRealize Automation は、予約されたクラウド ゾーンのコンピューティング リソースおよびリンクされたストレージを検査します。
- クラウド ゾーン内で、vRealize Automation はメンテナンス状態またはパワーオフ状態のリソースを除外します。
健全なリソースが展開のために十分に残っていることを確認してください。残っていない場合、クラウド ゾーン全体が予約フェーズで除外されます。
- vRealize Automation は、クラウド テンプレートまたはプロジェクトで見つかるクラスタ レベルの制約に一致しないリソースを除外します。
たとえば、クラウド ゾーン内のリソースが
の下でtest
とタグ付けされているとします。クラウド テンプレートまたはプロジェクトに
dev
のリソースを使用するという制約タグが含まれていると、test
のリソースは除外されます。また、クラウド ゾーン内のストレージ プロファイルまたはネットワーク プロファイルに対するタグ付けが、クラウド テンプレートまたはプロジェクト内のクラスタ レベルのストレージまたはネットワークの制約と一致していない場合もあります。
- vRealize Automation は、vCenter Server で定義されているアフィニティ設定に基づいてリソースを除外します。
たとえば、あるクラスタに仮想マシンがあると別のクラスタの使用がブロックされるというルールが vCenter Server 内に存在することが考えられます。
- vRealize Automation は、クラウド テンプレートまたはプロジェクトで見つかる残りのカスタム制約のいずれかに一致しないリソースを除外します。
たとえば、クラウド テンプレートに、
ubuntu
とタグ付けされたイメージを使用するという制約が含まれている場合、イメージ マッピングのいずれもubuntu
とタグ付けされていないクラウド ゾーンは除外されます。 - vRealize Automation は、クラウド ゾーンの配置ポリシーに従って、最適なコンピューティングおよびストレージを探します。
vRealize Automation は、次の 2 つの条件が当てはまる場合にのみ、vRealize Operations Manager を使用します。
- クラウド ゾーンの配置ポリシーが [詳細] に設定されている。
- 手順 4 までのフィルタリングの後、1 つ以上の DRS 対応のクラスタとそれにリンクされたストレージが引き続き条件を満たしている。
そうでない場合、vRealize Automation は vRealize Operations Manager からの入力は使用せずに、独自の配置アルゴリズムによって処理を進めます。
vRealize Operations Manager の配置の推奨
vRealize Operations Manager からの入力を使用する条件が満たされる場合、vRealize Automation は vRealize Operations Manager に、展開にとって最適なコンピューティングおよびストレージの推奨を問い合わせます。vRealize Automation は、次のデータを vRealize Operations Manager に送信します。
- 条件を満たした DRS 対応のターゲット クラスタと、そこに接続されているデータストアまたはデータストア クラスタ
- 展開のリソース数またはクラスタ サイズ
- 展開内の仮想マシンの CPU 要件とメモリ要件
- 展開内の仮想マシンのディスク要件
各仮想マシンの最適な配置を vRealize Operations Manager が返すことができる場合、vRealize Automation は条件を満たすターゲットから、vRealize Operations Manager の推奨に従ってコンピューティングとストレージを割り当てます。
vRealize Operations Manager でのワークロードの処理方法については、vRealize Operations のドキュメントを参照してください。
vRealize Operations Manager が推奨を見つけられなかった場合、または vRealize Automation が DRS 対応のクラスタとストレージを見つけられなかった場合、vRealize Automation はクラウド ゾーンのフォールバック設定を確認します。
- フォールバックがある場合
vRealize Automation は、vRealize Operations Manager の推奨がなくても、条件を満たすコンピューティングとストレージを割り当てます。
- フォールバックがない場合
vRealize Automation は要求をキャンセルし、プロビジョニングに進みません。
フェーズ 3:プロビジョニング
vRealize Automation は、割り当てフェーズの最後に選択された配置ターゲットのアダプタを介して、要求された仮想マシン、ストレージ、およびネットワークを展開します。
配置ターゲットは、コンピューティング ホスト、クラスタ、またはリソース プール、および接続されているストレージ データストアまたはデータストア クラスタで構成されます。