Software-Defined Data Center (SDDC) ではさまざまなタイプの機能が提供され、より複雑な機能が、基盤となるインフラストラクチャ上に構築されています。vRealize Suite のすべての機能を有効にするには、一連のインストール操作と構成操作を実行する必要があります。

vRealize Suite の操作機能すべてを組織やクライアントに配信するには、構造化されたプロセスが必要です。大規模な組織では、評価、設計、導入、知識移転、ソリューションの検証がこれに相当する場合があります。組織に応じて、プロセスの拡張を計画する必要があり、それにはさまざまなロールが関与します。

ある特定時点で、vRealize Suite の全機能がすべての環境に必要となるわけではありません。最初にコア データセンター インフラストラクチャを導入することで、組織で必要になったときに機能を追加できるようになります。各 SDDC レイヤーでは、個別の導入プロセスを計画して実行しなければならない場合があります。

図 1. SDDC のレイヤー
Software-Defined Data Center を構成するコンポーネント
物理レイヤー
このソリューションの最下部レイヤーには、コンピューティング、ネットワーク、ストレージのコンポーネントが含まれます。コンピューティング コンポーネントには x86 ベースのサーバが含まれ、管理、エッジ、テナントのコンピューティング ワークロードが実行されます。ストレージ コンポーネントは、SDDC と IT オートメーション クラウドの物理的な基盤を提供します。
仮想インフラストラクチャ レイヤー
仮想インフラストラクチャ レイヤーには、ハイパーバイザー、リソース プーリング、仮想化コントロールを持つ仮想化プラットフォームが含まれます。このレイヤーの VMware 製品は、 vSphereVMware NSXESXivCenter Server です。これらの製品によって堅牢な仮想化環境が確立され、その他すべてのソリューションはこの環境に統合されます。物理レイヤーからリソースを抽出することにより、VMware オーケストレーションと監視のソリューションを統合する基盤となります。このインフラストラクチャ上にプロセスとテクノロジを追加で構築すると、Infrastructure as a Service (IaaS) と Platform as a Service (PaaS) が有効になります。
クラウド管理レイヤー
クラウド管理レイヤーには、導入する機能をまとめるサービス カタログ、カタログ項目を展開するワークフローを記述するオーケストレーション、エンド ユーザーが SDDC を使用できるようにするためのセルフサービス ポータルが含まれます。 vRealize Automation によってポータルとカタログが提供され、 vRealize Orchestrator の組み込み機能により、複雑な IT プロセスを自動化するためのワークフローを管理できるようになります。
サービス管理
マルチリージョン SDDC における、複数のデータ ソースの操作を追跡し分析するには、サービス管理を使用します。継続的な可用性の維持およびログ取り込み速度の向上を実現するには、 vRealize Operations ManagervRealize Log Insight を複数のノードに導入します。
ビジネス継続性
vRealize Operations ManagervRealize Log InsightVMware NSXvRealize Automation のために vSphere Data Protection でバックアップ ジョブを作成するには、ビジネス継続性を使用します。ハードウェア障害が発生しても、保存されたバックアップから、これらの製品のコンポーネントを復元できます。
セキュリティ
VMware は、コンプライアンス リファレンス アーキテクチャ フレームワークおよびコンプライアンス準拠かつ監査に対応するプラットフォームを提供します。お客様はこのプラットフォームを使用して、仮想化ワークロードに関する厳格なコンプライアンス要件を満たし、ビジネス リスクを管理することができます。換性のあるパートナー製品を慎重にマップして、PCI DSS、HIPAA、FedRAMP、CJIS など、影響力のある団体や政府の要件を満たします。中心的なコンプライアンス リファレンス アーキテクチャ フレームワークのドキュメントは次のとおりです。
  • 『製品適応性ガイド』では VMware 製品群について製品ごとに説明し、法的な規制と製品機能のマッピングおよび規制について言及します。
  • 『アーキテクチャ設計ガイド』では、特定の規制に準拠したセキュアかつコンプライアンスに対応する VMware vRealize 環境を構築するための考慮事項について検討します。
  • 『検証済みリファレンス アーキテクチャ』のドキュメントでは、監査の調査から規制の証跡を提供し、環境に適用できるようにします。

ドキュメントにアクセスするには、VMware Solution Exchange に移動してコンプライアンス ソリューションを選択します。

追加で VMware 製品とサービスを連携することで、vRealize Suite 環境を強化することができます。これらの製品には、クラウドへの Disaster Recovery、Software-Defined Storage、Software-Defined Networking などの機能があります。