セル管理ツールの reconfigure-database サブコマンドを使用すると、VMware Cloud Director データベースの接続プロパティを更新できます。

VMware Cloud Director のインストール プロセスまたは VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイ プロセスでに、データベース タイプとデータベース接続のプロパティを構成します。Linux への VMware Cloud Director のインストールおよびVMware Cloud Director アプライアンスのデプロイと初期構成を参照してください。

VMware Cloud Director データベースを設定した後に、reconfigure-database サブコマンドを使用してデータベース接続を更新できます。既存の VMware Cloud Director データベースの新しいホストへの移動、データベースのユーザー名またはパスワードの変更、PostgreSQL データベースの SSL 接続の有効化を行うことができます。

cell-management-tool reconfigure-database  options
重要:

reconfigure-database コマンドを実行して加えられた変更は、セルのグローバル構成ファイル global.properties および応答ファイル responses.properties に書き込まれます。コマンドを実行する前に、応答ファイルが /opt/vmware/vcloud-director/etc/responses.properties にあり、書き込み可能であることを確認してください。応答ファイルの保護と再利用の詳細については、「Linux への VMware Cloud Director のインストール」を参照してください。

--pid オプションを使用しない場合は、セルを再起動して変更を適用する必要があります。

表 1. セル管理ツールのオプションと引数、reconfigure-database サブコマンド
オプション 引数 説明
--help

(-h)

なし このカテゴリで使用可能なオプションの概要を示します。
--database-host

(-dbhost)

VMware Cloud Director データベース ホストの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名 database.jdbcUrl プロパティの値を更新します。
重要: このコマンドは、値の形式のみを検証します。
--database-instance

(-dbinstance)

SQL Server データベース インスタンス オプション。データベース タイプが sqlserver の場合に使用します。
重要: このオプションを指定する場合は、最初にデータベースを設定したときと同じ値を指定する必要があります。
--database-name

(-dbname)

データベース サービス名。 database.jdbcUrl プロパティの値を更新します。
--database-password

(-dbpassword)

データベース ユーザーのパスワード。 database.password プロパティの値を更新します。指定したパスワードは暗号化されてからプロパティ値として格納されます。
--database-port

(-dbport)

データベース ホスト上で動作するデータベース サービスによって使用されるポート番号。 database.jdbcUrl プロパティの値を更新します。
重要: このコマンドは、値の形式のみを検証します。
--database-type

(-dbtype)

データベース タイプ。次のいずれか:
  • sqlserver
  • postgres
database.jdbcUrl プロパティの値を更新します。
--database-user

(-dbuser)

データベース ユーザーのユーザー名 database.user プロパティの値を更新します。
--database-ssl trueまたは false データベース タイプが postgres の場合に使用します。VMware Cloud Director からの SSL 接続を要求するように、PostgreSQL データベースを構成します。
--pid

(-i)

セルのプロセス ID。 オプション。実行中の VMware Cloud Director セルにホット再構成を実行します。セルを再起動する必要はありません。

--private-key-path と一緒に使用した場合は、ローカルおよびリモートのセルにコマンドを直ちに実行できます。

--private-key-path セルのプライベート キーへのパス名。 オプション。サーバ グループ内のすべてのセルが正常にシャットダウンされ、そのデータベース プロパティが更新され、再起動されます。
重要: すべてのセルは、パスワードを要求せずにスーパー ユーザーからの SSH 接続を許可する必要があります。
--remote-sudo-user sudo 権限を持つユーザーの名前。 リモート ユーザーが root と異なる場合に、--private-key-path オプションと一緒に使用します。

アプライアンスの場合は、postgres ユーザーにこのオプションを使用できます(--remote-sudo-user=postgres など)。

オプション --database-hostおよび --database-port を使用した場合、コマンドでは引数の形式は検証されますが、ホストとポートの組み合わせでネットワークにアクセスできるかどうか、または指定したタイプで実行中のデータベースがあるかどうかは確認されません。

--private-key-path オプションを使用する場合、パスワードを要求せずにスーパー ユーザーからの SSH 接続を許可するように、すべてのセルを構成する必要があります。たとえば、検証を実行するには、次の Linux コマンドを実行します。
sudo -u vcloud ssh -i private-key-path root@cell-ip
この例では、ID が vcloud に設定され、 cell-ip にあるセルへの SSH 接続が root として確立されますが、root パスワードの指定はありません。ローカル セルの private-key-path にあるプライベート キーがユーザー vcloud.vcloud から読み取り可能で、対応するパブリック キーが cell-ip の root ユーザーの authorized-keys ファイルにあれば、コマンドが成功します。
注:

VMware Cloud Director プロセスを実行する ID として使用するため、VMware Cloud Director インストーラにより、vcloud ユーザー、vcloud グループ、および vcloud.vcloud アカウントが作成されます。vcloud ユーザーにはパスワードがありません。

VMware Cloud Director データベースのユーザー名とパスワードを変更する

VMware Cloud Director データベースのユーザー名とパスワードを変更し、他のすべての接続プロパティを最初に設定したままにしておくには、次のコマンドを実行します。
[root@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]#cell-management-tool reconfigure-database \
-dbuser vcd-dba -dbpassword P@55w0rd

すべてのセルのホット再構成による VMware Cloud Director データベースの IP アドレスの更新

sudo 権限を持つ非 root ユーザーがすべてのセルの VMware Cloud Director データベースの IP アドレスを直ちに変更するには、次のコマンドを実行します。

[sudo@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]#cell-management-tool reconfigure-database \
--dbhost db_ip_address -i $(service vmware-vcd pid cell) --private-key-path=path_to_private-key \
--remote-sudo-user=non-root-user