アップデート パッケージを使用することにより、VMware Cloud Director アプライアンスの最新バージョンへのアップグレードや、VMware Cloud Director アプライアンスへのパッチ適用ができます。

VMware Cloud Director アプライアンス環境へのアップグレード中に VMware Cloud Director サービスは動作を停止し、一定時間のダウンタイムが発生すると予想されます。ダウンタイムは、各 VMware Cloud Director アプライアンスをアップグレードし、VMware Cloud Director データベース アップグレード スクリプトを実行するための所要時間によって異なります。最後の VMware Cloud Director アプライアンスで VMware Cloud Director サービスを停止するまで、VMware Cloud Director サーバ グループ内の動作中のセルの数は減少します。VMware Cloud Director HTTP エンドポイントの前に配置された、適切に構成されたロード バランサで、停止されたセルへのトラフィックのルーティングを停止する必要があります。

すべての VMware Cloud Director アプライアンスにアップグレードを適用し、データベースのアップグレードが完了したら、各 VMware Cloud Director アプライアンスを再起動する必要があります。

前提条件

  • プライマリ VMware Cloud Director アプライアンスのスナップショットを作成します。
    1. バージョン 10.1 以降からアップグレードするとき、またはパッチを適用するときに、プライマリ データベース サービスの障害発生時の自動フェイルオーバーが有効になっている場合は、アップグレードの間、フェイルオーバー モードを Manual に変更します。アップグレードが終わったら、フェイルオーバー モードを Automatic に設定できます。VMware Cloud Director アプライアンスの自動フェイルオーバーを参照してください。
    2. データベース高可用性クラスタのプライマリ VMware Cloud Director アプライアンスが配置されている vCenter インスタンスにログインします。
    3. プライマリ VMware Cloud Director アプライアンスに移動して右クリックし、[パワー] > [ゲスト OS をシャットダウン] をクリックします。
    4. アプライアンスを右クリックして、[スナップショット] > [スナップショットの作成]をクリックします。スナップショットの名前と、必要に応じて説明を入力し、[OK] をクリックします。
    5. VMware Cloud Director アプライアンスを右クリックし、[パワー] > [パワーオン] をクリックします。
    6. データベース高可用性構成に含まれているすべてのノードが良好な状態であることを確認します。VMware Cloud Director アプライアンス クラスタの健全性とフェイルオーバー モードの表示を参照してください。
    7. VMware Cloud Director アプライアンスのバックアップ手順について理解します。VMware Cloud Director アプライアンスの組み込みデータベースのバックアップを参照してください。
  • 重要: VMware Cloud Director 10.5.1 以降では、署名アルゴリズムに SHA-1 が使用されている証明書は受け入れられません。
    VMware Cloud Director 10.5.1 以降では、証明書チェーン内のどの証明書でも署名アルゴリズムとして SHA-1(たとえば、sha1WithRSAEncryption)が使用されていないことを確認します。

手順

  1. Web ブラウザで、VMware Cloud Director アプライアンス インスタンスのアプライアンス管理ユーザー インターフェイスにログインして、プライマリ アプライアンス https://appliance_ip_address:5480 を特定します。
    プライマリ アプライアンス名を書き留めておきます。スタンバイ セルとアプリケーション セルの前にプライマリ アプライアンスをアップグレードする必要があります。データベースをバックアップする場合は、プライマリ アプライアンスを使用する必要があります。
  2. クラスタ内のすべてのアプライアンスで次のコマンドを実行して、VMware Cloud Director をシャットダウンします。
    /opt/vmware/vcloud-director/bin/cell-management-tool -u <admin_username> cell --shutdown
  3. アップデート パッケージを、アップグレードするアプライアンスにダウンロードします。
    注: 最初にプライマリ アプライアンスをアップグレードする必要があります。
    VMware Cloud DirectorVMware_Cloud_Director_v という形式の名前で実行可能ファイルとして配布されます。v.v.v- nnnnnnnn_update. tar.gzv. v. v. v は製品バージョン、 nnnnnnnn はビルド番号を表します。たとえば、 VMware_Cloud_Director_10.1.0.4424-14420378_update.tar.gz のようになります。
  4. アップデート パッケージを抽出する local-update-package ディレクトリを作成します。
    mkdir /tmp/local-update-package
  5. 新しく作成したディレクトリにアップデート パッケージを抽出します。
     tar -zxf VMware_Cloud_Director_v.v.v.v-nnnnnnnn_update.tar.gz \
    				-C /tmp/local-update-package
  6. local-update-package ディレクトリをアップデート リポジトリとして設定します。
    vamicli	update --repo file:///tmp/local-update-package
  7. アップデートを調べて、リポジトリが正しく設定されていることを確認します。
    vamicli update --check
    アップグレード リリースが Available Update として表示されます。
  8. プライマリまたはスタンバイ アプライアンスの管理ユーザー インターフェイスを使用してバックアップを作成します。
    アプリケーション セルを使用してバックアップを実行することはできません。
  9. 使用可能なアップグレードを適用します。
    vamicli update --install latest
  10. 残りのスタンバイ セルとアプリケーション セルに手順 3 ~7 と手順 9 を繰り返します。
  11. 任意のアプライアンスから VMware Cloud Director データベース upgrade ユーティリティを実行します。
    /opt/vmware/vcloud-director/bin/upgrade
  12. VMware Cloud Director アプライアンスを再起動します。
    shutdown -r now

次のタスク

  • アップグレードが成功したことを確認します。
    • VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal にログインします。
    • VMware Cloud Director アプライアンス管理ユーザー インターフェイスにログインし、すべてのアプライアンスが Healthy ステータスで表示されていることを確認します。
  • アップグレード時のエラーがログに記録されていないことを確認します。
  • アップグレードが成功した場合は、VMware Cloud Director アプライアンスのスナップショットを削除できます。
  • アップグレードに失敗した場合は、VMware Cloud Director アプライアンスを、アップグレード前に作成したスナップショットの状態にロールバックできます。アップグレードが失敗した場合の VMware Cloud Director アプライアンスのロールバックを参照してください。
  • バージョン 10.5.1 以降では、VMware Cloud Director アプライアンスにより、生成する自己署名証明書に SubjectKeyIdentifier および AuthorityKeyIdentifier 証明書拡張機能が追加されます。SubjectKeyIdentifier および AuthorityKeyIdentifier 証明書拡張機能を使用して自己署名証明書を生成するには、「VMware Cloud Director アプライアンス管理証明書の置き換えまたは更新」を参照してください。