クロス仮想データセンター ネットワーク機能を利用すると、複数の vCenter インスタンスによってバッキングされた仮想データセンターを持つ組織は、レイヤー 2 ネットワークを最大で 4 つの仮想データセンターにまたがって拡張することが可能になります。クロス仮想データセンター ネットワークは、Cross-vCenter NSX を使用し、複数の VMware Cloud Director サイトにまたがることができます。

クロス仮想データセンター ネットワークには NSX Data Center for vSphere が必要です。

クロス仮想データセンター ネットワークを使用すると、組織は最大で 4 つの仮想データセンターをグループ化し、各グループに出力方向とレイヤ 2 拡張ネットワークを設定できます。

参加している組織仮想データセンターは、異なる VMware Cloud Director サイトに属することができます。『VMware Cloud Director でのマルチサイト展開の構成と管理』を参照してください。

組織はクロス仮想データセンター ネットワークを使用して、高可用性ソリューションまたは分散システム アーキテクチャを実装することが可能となり、複数の仮想データセンターまたはサイト間でアプリケーションを配布することができます。

システム管理者は、基盤となる Cross-vCenter NSX 環境と VMware Cloud Director サーバを構成して、各仮想データセンターでクロス仮想データセンター ネットワークを有効にする必要があります。

  1. NSX-V Manager インスタンスの 1 つをプライマリ NSX-V Manager インスタンスとして設定します。『Cross-vCenter NSX インストール ガイド』を参照してください。
    1. プライマリ NSX-V Manager インスタンスに NSX クラスタをデプロイします。
    2. プライマリ NSX-V Manager インスタンスに ESXi ホストを準備します。
    3. プライマリ NSX-V Manager インスタンスからの VXLAN を構成します。
    4. NSX-V Manager インスタンスにプライマリ ロールを割り当てます。
    5. ユニバーサル トランスポート ゾーン用のセグメント IP アドレスのプールを作成します。
    6. ユニバーサル トランスポート ゾーンを追加します。
  2. 他の NSX-V Manager インスタンスをセカンダリ NSX Manager として設定します。『Cross-vCenter NSX インストール ガイド』を参照してください。
    1. 各セカンダリ NSX Manager インスタンスに ESXi ホストを準備します。
    2. 各セカンダリ NSX-V Manager インスタンスからの VXLAN を構成します。
    3. NSX-V Manager インスタンスにセカンダリ ロールを割り当てます。
    4. ESXi クラスタをユニバーサル トランスポート ゾーンに接続します。
  3. NSX-V Manager インスタンスのコントロール仮想マシンのプロパティを構成します。『VMware Cloud Director での NSX Manager 設定の変更』を参照してください。
  4. 任意の vCenter インスタンスからユニバーサル タイプのトランスポート ゾーンを使用して VXLAN でバッキングされたネットワーク プールを作成します。VMware Cloud Director での NSX Data Center for vSphere トランスポート ゾーンによってバッキングされるネットワーク プールの作成を参照してください。
    注: マルチサイト展開では、 VMware Cloud Director サイトごとに VXLAN でバッキングされたネットワーク プールを作成する必要があります。
  5. 各組織仮想データセンターでクロス仮想データセンター ネットワークを有効にします。『VMware Cloud Director 組織仮想データセンターのネットワーク設定の編集』を参照してください。
  6. 組織にマルチサイトの仮想データセンターがある場合、各 VMware Cloud Director サイトのインストール ID が異なっていることを確認します。同じインストール ID が設定された VMware Cloud Director サイトがある場合は、VMware Cloud Director インストール、構成、およびアップグレード ガイドの「マルチサイト拡張ネットワークの MAC アドレスの再生成」を参照してください。

これにより、組織管理者はデータセンター グループ、出力方向、拡張ネットワークの作成と構成ができるようになります。クロス仮想データセンター ネットワークの管理については、『VMware Cloud Director サブプロバイダおよびテナント ガイド』を参照してください。