この手順では、2 つのアベイラビリティ ゾーンにまたがってクラスタをストレッチする方法について説明します。
例として、オフィスの敷地内の 2 つの建物に AZ1 と AZ2 という 2 つのアベイラビリティ ゾーンがあるユースケースについて考えます。各アベイラビリティ ゾーンには、専用の電源とネットワークがあります。管理ドメインは、AZ1 にあり、デフォルトのクラスタ SDDC-Cluster1 を含んでいます。このクラスタには 4 台の ESXi ホストが含まれています。AZ1 には、デフォルトのブリングアップ プール bringup-networkpool も含まれています。
vSAN ネットワーク |
VLANID = 1613 |
MTU = 9000 |
ネットワーク = 172.16.13.0 |
ネットマスク 255.255.255.0 |
ゲートウェイ 172.16.13.1 |
IP アドレス範囲 = 172.16.13.11~172.16.13.59 |
vMotion ネットワーク |
VLANID = 1612 |
MTU = 9000 |
ネットワーク = 172.16.12.0 |
ネットマスク 255.255.255.0 |
ゲートウェイ 172.16.12.1 |
IP アドレス範囲 = 172.16.12.11~172.12.13.59 |
AZ2 には 4 台の ESXi ホストがありますが、まだ Cloud Foundation インベントリには含まれていません。
管理ドメイン内のデフォルトのクラスタ SDDC-Cluster1 を AZ1 から AZ2 にストレッチします。
手順
- AZ2 でネットワーク プール AZ2-networkpool を作成します。ネットワーク プールの作成 を参照してください。
この例に基づくネットワーク プールのネットワークの詳細は、次のとおりです。
vSAN ネットワーク |
VLANID = 1613 |
MTU = 9000 |
ネットワーク = 172.16.21.0 |
ネットマスク = 255.255.255.0 |
ゲートウェイ = 172.16.21.1 |
IP アドレス範囲 = 172.16.21.11~172.16.21.59 |
vMotion ネットワーク |
VLANID = 1612 |
MTU = 9000 |
ネットワーク = 172.16.20.0 |
ネットマスク 255.255.255.0 |
ゲートウェイ 172.16.20.1 |
IP アドレス範囲 = 172.16.20.11~172.16.20.59 |
- AZ2 内の 4 台のホストをコミッションし、AZ2-networkpool に関連付けます。この例では、それらは 172.16.11.105、172.16.11.106、172.16.11.107、172.16.11.108 です。
- AZ2 内のホストの FQDN を取得します。
- SDDC Manager ダッシュボードで、[Hosts and Clusters(ホストおよびクラスタ)] をクリックします。
- AZ2 内のホストの FQDN をメモします。
- stretch_vsan.py スクリプトを実行します。
- ナレッジベースの記事 KB59280 に記載されている vsan-stretch-cluster-10365586.tar ファイルをローカル コンピュータにダウンロードします。
- SSH で SDDC Manager 仮想マシンに接続し、展開パラメータ シートで指定したユーザー名 vcf とパスワードを入力してログインします。
- ファイル転送ユーティリティを使用して、ファイルをローカル コンピュータから SDDC Manager 仮想マシンの /tmp ディレクトリにコピーします。
- 次のようにしてスクリプトを解凍します。
cd /tmp
tar xf vsan-stretch-cluster-10365586.tar
- stretch_vsan.py スクリプトを実行します。
python vsan-stretch-cluster/workflow/stretch_vsan.py --stretch-vsan --domaindomain_name_for_cluster_to_stretch--clustercluster_to_stretch--hostsFQDN_of_host1_in_AZ2FQDN_of_host2_in_AZ2FQDN_of_host3_in_AZ2 FQDN_of_host4_in_AZ2--licenseVMware_vSphere_license_key
この例では、コマンドは次のようになります。
python vsan-stretch-cluster/workflow/stretch_vsan.py --stretch-vsan --domain Domain1 --cluster SDDC-Cluster1 --hosts r2n0.vmware.com r2n1.vmware.com r2n2.vmware.com r2n3.vmware.com --license AAAAA-BBBBB-CCCCC-DDDDD-EEEEE
- クラスタに追加されている AZ2 ホストの進行状況を監視します。
- SDDC Manager ダッシュボードで、[View All Tasks(すべてのタスクの表示)] をクリックします。
- ウィンドウを更新して、ステータスを監視します。
AZ2 ホストが SDDC-Cluster1 に追加されている場合は、ストレッチ可能な状態になっています。
- クラスタの健全性を確認します。
『
VMware vSAN の管理』の「vSAN の健全性の確認」を参照してください。
エラーがある場合は、解決してから次のステップに進んでください。
- ドキュメント『複数のアベイラビリティ ゾーンの展開』に記載されているように、次の手順に従って、vSAN Witness(監視)ホストを追加し、ESXi ノードを AZ1 と AZ2 に分けて、2 つのアベイラビリティ ゾーンがサポートされるように構成を変更します。
- 「リージョン B で vSAN Witness (監視) ホストを展開して構成します」
- 「両方のアベイラビリティ ゾーンと vSAN Witness (監視) ホストのスタティック ルートを追加します」
ネットワーク プールに対して指定されている vSAN ネットワークのデフォルト ゲートウェイによって 2 つのアベイラビリティ ゾーンと Witness(監視)ホスト間のルーティングが提供されない場合は、この手順のすべてのステップを実行してください。両方のアベイラビリティ ゾーン内のすべての ESXi ホストでステップ 1 と 2 を実行する必要があります。
両方のアベイラビリティ ゾーンのゲートウェイによって Witness(監視)ホストの vSAN ネットワークへのアクセスが提供される場合は、ステップ 3 のみを実行してください。
- ナレッジベースの記事 KB1003728 の説明に従って、2 つのアベイラビリティ ゾーン内の vSAN VMkernel アダプタと Witness(監視)ホスト間の接続を確認します。エラーがある場合は、解決してから次のステップに進んでください。
- 「リージョン A で管理クラスタの vSAN ストレッチ クラスタを構成します」
「リージョン A における管理クラスタの vSphere 高可用性設定の更新」のステップ 5 で、[Host failures cluster tolerates(クラスタが許容するホスト障害)] を AZ1 内のホストの数に設定します。
注: : 「vSAN ストレッチ クラスタ構成をキャプチャするためのホスト プロファイルの更新」セクションをスキップします。
- vSphere Web Client にログインして、ストレッチ クラスタの操作が正常に機能していることを確認します。
- [vSAN Health(vSAN の健全性)] 画面を確認します。
- ホーム画面で、[Host and Clusters(ホストおよびクラスタ)] をクリックしてから、ストレッチ クラスタ(この例では SDDC-Cluster1)を選択します。
- の順にクリックします。
- [Retest(再テスト)] をクリックします。
- エラーがある場合は修正します。
- [vSAN Storage Policy(vSAN ストレージ ポリシー)] 画面を確認します。
- ホーム画面で、 の順にクリックします。
- ストレッチ クラスタの vCenter Server に関連付けられているポリシーを選択します。
- の順にクリックします。
- [Refresh(更新)] をクリックします。
- [Trigger VM storage policy compliance check(仮想マシン ストレージ ポリシーのコンプライアンス チェックのトリガ)] をクリックします。
- 各仮想マシン コンポーネントの [Compliance Status(コンプライアンス ステータス)] 列を確認します。
- エラーがある場合は修正します。