この『VMware Cloud Foundation ライフサイクル管理』ドキュメントでは、VMware Cloud Foundation 環境のライフサイクルを管理する方法について説明します。この情報には、前提条件、詳細な構成手順、推奨されるベスト プラクティスが含まれています。

注:

アップグレードを計画して開始する前に、VMware 相互運用性マトリックスを確認して互換性とアップグレードの可能性を確認します。

VMware Cloud Foundation 4.3 以降から VMware Cloud Foundation 5.0 への順次アップグレードまたはスキップレベル アップグレードを実行できます。VMware Cloud Foundation 5.0 にアップグレードするには、ご使用の環境が 4.3 より前のバージョンである場合は、管理ドメインおよびすべての VI ワークロード ドメインを VMware Cloud Foundation 4.3 以降にアップグレードする必要があります。

注意:

vSphere with Tanzu が有効なクラスタでは、特定のアップグレード手順が必要になる場合があります。詳細については、KB 88962 を参照してください。

最初の手順では、アップグレードが必要な各 VMware Cloud Foundation コンポーネントのバンドルをダウンロードします。すべてのバンドルが SDDC Manager で使用可能になったら、管理ドメインをアップグレードしてから、VI ワークロード ドメインをアップグレードします。

VMware Cloud Foundation 5.0 は VMware Cloud Foundation+ をサポートします。オンプレミス展開を VMware Cloud Foundation+ サブスクリプションに追加するには、少なくとも管理ドメインを VMware Cloud Foundation 5.0 にアップグレードし、VI ワークロード ドメインを VCF 4.5 にアップグレードする必要があります。詳細については、『VMware Cloud Foundation+ ガイド』を参照してください。

VMware Cloud Foundation 5.0 へのアップグレード中の SDDC Manager 機能

VMware Cloud Foundation 5.0 へのアップグレード中に、アップグレードの各フェーズで一部の SDDC Manager 機能が制限される場合があります。アップグレードを開始する前に、これらのタスクのいずれかを実行する必要があるかどうかを判断します。

アップグレードの状態

  • [ソース BOM]:アップグレードの開始前に、すべてのコンポーネントが VMware Cloud Foundation 4.x になっています

  • [分割 BOM]:管理ドメインまたは VI ワークロード ドメインは、部分的にのみ VMware Cloud Foundation 5.0 に更新されています。

  • [混合 BOM]:一部のワークロード ドメイン(管理または VI)は VMware Cloud Foundation 5.0 に完全にアップグレードされ、1 つ以上の VI ワークロード ドメインがソース BOM のバージョンになっています。

  • [ターゲット BOM]:すべてのコンポーネントが VMware Cloud Foundation 5.0 になっています

VMware Cloud Foundation インスタンスがソース BOM またはターゲット BOM の状態になっている場合、SDDC Manager 内で使用可能な機能は、その特定のリリースで想定されるとおりになります。ただし、混合 BOM の場合、実行できる操作は、ドメイン自体がどの状態になっているかによってワークロード ドメインごとに異なります。

次の表は、VMware Cloud Foundation 4.x から VMware Cloud Foundation 5.x へのアップグレード中に SDDC Manager 内で使用可能な機能を示しています。

表 1. アップグレード中の SDDC Manager 機能

カテゴリ

機能

混合 BOM

バックアップ/リストア

バックアップ/リストアの構成と実行

Y

CEIP

CEIP の有効化/無効化

Y

証明書の管理

表示/生成/アップロード/インストール

Y

コンポーザビリティ

サーバの構成/撤去

N

構成されたサーバへのストレージの追加/削除

N

NSX Edge クラスタ

Edge クラスタの拡張

Y

DNS/NTP の構成

DNS の検証/構成

Y

NTP の検証/構成

Y

ホスト

ホストのコミッション/デコミッション

Y

ライセンス

ライセンス キー情報の更新

Y

ライセンス キーの追加

Y

再ライセンス

Y

ライセンスの確認

Y

ライセンス情報の取得/更新 -(サブスクリプション)

Y

LCM

VMware または Dell デポへの接続/バンドルのダウンロード

Y

LCM 事前チェック

Y

バンドル ダウンロードのスケジューリング

Y

ネットワーク

ネットワーク プールの作成/編集/削除

Y

パスワードの管理

ローテーション/更新/再試行/キャンセル

Y

ユーザー操作

ユーザー/グループの追加/削除

Y

ワークロード ドメイン

ESXi ホストの追加/削除

Y

vSphere クラスタの追加/削除

Y

4.x ワークロード ドメインの追加

N

ELM モードでの 5.x ワークロード ドメインの追加

N

5.x の隔離されたワークロード ドメインの追加

Y

4.x ワークロード ドメインの削除

N

5.0 ワークロード ドメインの削除

N

表 2. VMware Cloud Foundation 4.x アップグレード状態に基づく VI ワークロード ドメイン機能の可用性

カテゴリ

機能

分割 BOM

ドメイン操作

ホストの追加

N

ホストの削除

N

vSphere クラスタの追加/削除

N

ワークロード ドメインの削除

N

vSphere クラスタのストレッチ

N

vSphere クラスタのストレッチ解除

N

ストレッチ vSphere クラスタの拡張

N

ストレッチ vSphere クラスタの縮小

N

ライフサイクル操作

vCenter Server パッチのインストール

N

ESXi パッチのインストール

N

パスワードの管理

ローテーション/更新/再試行/キャンセル

N

証明書の管理

証明書の表示/生成/アップロード/インストール

N

vSphere UI クライアント プラグイン

アップグレードの前に、すべての vSphere UI クライアント プラグインを特定します。 

vSphere 8.0 にアップグレードする前に、一部の vSphere UI クライアント プラグインをアップグレードできる場合があります。  最適なアップグレード パスについて、サードパーティ ベンダーにお問い合わせください。

VMware Cloud Foundation でサポートされるトポロジ

VMware Cloud Foundation 5.x のアップグレードでは、次のトポロジがサポートされています。

表 3. アップグレードでサポートされるトポロジ

トポロジ

サポート

標準

はい

ストレッチ クラスタ

はい

統合済み

はい

マルチインスタンス

はい

VMware Cloud Foundation の更新の監視

VMware Cloud Foundation コンポーネントの進行中の更新を監視できます。

手順

  1. [進行中の更新] セクションで、[ステータスの表示] をクリックして、更新の進行状況の概要と更新されるコンポーネントの数を表示します。
  2. 更新されるコンポーネントの詳細は、その下に表示されます。以下の図は一例であり、実際のバージョンを反映していない場合があります。
    [進行中の更新] セクションで更新されているコンポーネントの詳細を示す図。
  3. 矢印をクリックして、コンポーネントを更新するために実行されているタスクのリストを表示します。タスクが完了すると、緑色のチェック マークが表示されます。
    コンポーネントを更新するために実行されているタスクのリストを示す図。完了したタスクには緑色のチェック マークが表示されます。
  4. コンポーネントを更新するすべてのタスクが完了すると、コンポーネントの更新ステータスには「更新済み」と表示されます。
  5. コンポーネントの更新に失敗すると、ステータスには「失敗」と表示されます。失敗の原因と修正手順が表示されます。以下の図は一例であり、実際の環境のバージョンを反映していない場合があります。
    コンポーネントが更新に失敗するシナリオを示す図。
  6. 問題を解決したら、更新を再試行できます。

VMware Cloud Foundation の更新履歴の表示

[アップデート履歴] 画面には、ワークロード ドメインに適用されたすべてのアップデートが表示されます。

手順

  1. ナビゲーション ペインで、[インベントリ] > [ワークロード ドメイン] をクリックします。
  2. ワークロード ドメインの名前をクリックしてから、[更新履歴] タブをクリックします。
    このワークロード ドメインに適用されたすべてのアップデートが表示されます。1 つのアップデート バンドルが複数回適用された場合は、 [過去の試行回数の表示] をクリックすると詳細が表示されます。

VMware Cloud Foundation アップグレード ログ ファイルへのアクセス

ログ ファイルでアップグレードの失敗を確認し、問題のトラブルシューティングと解決に役立てることができます。

  1. vcf ユーザー名を使用して、SDDC Manager アプライアンスに SSH 接続し、パスワードを入力します。
  2. アップグレード ログにアクセスするには、/var/log/vmware/vcf/lcm ディレクトリに移動します。
    • lcm-debug ログ ファイルにはデバッグ レベルのログ情報が含まれています。
    • lcm.log には情報レベルのログが含まれています。
  3. サポート用の SoS バンドルを作成するには、『VMware Cloud Foundation 管理ガイド』の「Supportability and Serviceability (SoS) ユーティリティ」を参照してください。