複数のラックにまたがるコンピューティング クラスタを備えた VI ワークロード ドメインを展開するには、レイヤー 3 ネットワークと vSAN ストレージが必要です。このようなワークロード ドメインを展開するには、VMware Cloud Foundation API を使用し、展開の完了後にセットアップを続行します。

マルチラック コンピューティング クラスタを備えた VI ワークロード ドメインは、ユーザー ワークロードにスケーラビリティ、回復性、および最適なリソース使用量を提供します。このようなワークロード ドメイン内のコンピューティング クラスタには、次の構成があります。

  • ラック間のレイヤー 3 ネットワーク ファブリック。
  • 各ラックに専用の NSX ホスト サブトランスポート ノード プロファイルを持つホスト オーバーレイ TEP を使用する静的 IP アドレス プール。
  • 各ラックは、vSAN クラスタ内のフォルト ドメインです。

マルチラック コンピューティング クラスタの設計の詳細については、『VMware Cloud Foundation 設計ガイド』の「vSphere クラスタ設計パターン 1:レイヤー 3 ネットワークを備えたマルチラック コンピューティング クラスタ」を参照してください。

手順

  1. 環境の要件に従って、VI ワークロード ドメインの展開仕様を JSON 形式で準備します。
    JSON 仕様の例については、「 VMware Cloud Foundation プランニングおよび準備ワークブック」を参照してください。
  2. SDDC Manager ユーザー インターフェイスのナビゲーション ペインで、[デベロッパー センター] [API Explorer] をクリックします。
  3. [ドメイン] API カテゴリを展開します。
  4. JSON 仕様を検証するには、POST /v1/domains/validations API の本文に JSON 仕様を貼り付け、[実行] をクリックします。
  5. ワークロード ドメインを作成するには、POST /v1/domains/ API の本文に JSON 仕様を貼り付け、[実行] をクリックします。
  6. [タスク ステータスの表示] をクリックして、ドメインの作成タスクとサブタスクを表示します。

次のタスク

NSX Edge ノードをホストするには、2 台の追加の vSphere クラスタを展開することを検討してください。『VMware Cloud Foundation 設計ガイド』の「NSX Edge クラスタ設計パターン 2:マルチラック Edge の可用性」を参照してください。

vSAN ESA の自動ポリシー管理の無効化

レイヤー 3 ネットワークを使用するマルチラック VI ワークロード ドメインでは、自動ポリシー管理を使用できません。これは、vSAN ESA およびフォルト ドメインではサポートされていないためです。

手順

  1. Web ブラウザで、ワークロード ドメインの vCenter Server (https://<vcenter_server_fqdn>/ui) に [email protected] としてログインします。
  2. [ホストおよびクラスタ] インベントリで、マルチラック vSAN クラスタに移動します。
  3. クラスタの [構成] タブで、[vSAN] > [サービス] を選択します。
  4. [vSAN ESA] ペインで [編集] をクリックします。
  5. [自動ポリシー管理] をオフに切り替え、[適用] をクリックします。

vSAN ESA の新しいデフォルト ストレージ ポリシーの作成と割り当て

デフォルトでは、vSAN ESA のデフォルト ストレージ ポリシーは、作成時のクラスタ内のホストの数に基づいています。マルチラック クラスタでラックの回復性を可能にするフォルト ドメインを提供するには、ラックの数と互換性のあるデフォルトのストレージ ポリシーを作成する必要があります。

手順

  1. ワークロード ドメイン vCenter Server の vSphere Client で、vSphere Client メニューから [ポリシーとプロファイル] を選択します。
  2. [仮想マシン ストレージ ポリシー] 画面で [作成] をクリックします。
  3. [名前と説明] 画面で、マルチラック クラスタを管理する vCenter Server インスタンスを選択します。
  4. ストレージ ポリシーの名前と説明を入力して、[次へ] をクリックします。
  5. [ポリシー構造] 画面で、[「vSAN」ストレージでルールを有効化] を選択し、[次へ] をクリックします。
  6. [vSAN] 画面の [可用性] タブで、環境の構成に応じて [許容される障害] を設定します。
    vSAN ESA には RAID 5 または RAID 6(イレージャ コーディング)を使用します。
  7. [ストレージ ルール] タブで [オール フラッシュ] を選択し、[次へ] をクリックします。
  8. [ストレージ互換性] 画面で、データストアに互換性があることを確認し、[次へ] をクリックします。
  9. [確認して完了] 画面でポリシーの設定を確認し、[完了] をクリックします。
  10. vSphere Client の [ストレージ] インベントリで、vSAN データストアに移動します。
  11. [構成] タブで [全般] をクリックし、[デフォルトのストレージ ポリシー] ペインの横にある [編集] をクリックします。
  12. デフォルトとして vSAN データストアに割り当てるストレージ ポリシーを選択し、[OK] をクリックします。

vSAN フォルト ドメインの作成

ラックの回復性を確保するために、マルチラック クラスタ内の各ラックにフォルト ドメインを作成します。

手順

  1. ワークロード ドメイン vCenter Server の vSphere Client の [ホストおよびクラスタ] インベントリで、マルチラック クラスタに移動します。
  2. [設定] タブで、[vSAN] > [フォルト ドメイン] の順に選択します。
  3. プラス記号アイコン (+) をクリックします。
  4. [新しいフォルト ドメイン] ダイアログ ボックスで、フォルト ドメイン名を入力し、フォルト ドメインのホストを選択します。
  5. [作成] をクリックします。
  6. 他のラックに対して 手順 3手順 5 を繰り返します。

次のタスク

将来のクラスタの拡張中に、ホストをそれぞれのフォルト ドメインに手動で追加します。