追加のテナント サブネットをポッドに構成することにより、そのサブネットをファーム用や VDI 割り当て用に指定することができます。ファームとデスクトップ仮想マシンをすべてポッドのテナント サブネットに接続するのではなく、ファームと VDI 割り当てごとに、その仮想マシンの接続先にする特定のサブネットを 1 つ以上指定できます。追加の仮想マシン サブネットがポッドに構成されていないと、デフォルトでは、ファームと VDI デスクトップ仮想マシンがすべてポッドのテナント サブネットに接続されます。ポッドを編集して複数のテナント サブネットを追加するこの機能は、2298.0 以降のポッド マニフェストで使用できます。この機能は、Universal Broker を使用するように構成されたテナント環境およびシングルポッド仲介用に構成されたテナント環境で使用できます。

注: このようなテナント サブネットは、仮想マシン サブネットともいいます。ドキュメントと Horizon Universal Console では、いずれの名前でも言及されています。

追加の仮想マシン サブネットは、ポッド(ポッド マネージャ仮想マシン)と同じ VNet に含めることも、コア ポッドが配置されている VNet とピアリングされる別の VNet に配置することもできます。ピアリングされた VNet を使用する場合は、ポッドと同じサブスクリプションおよび Microsoft Azure リージョンにある必要があります。

重要: これらの追加の仮想マシン サブネットをポッドに追加する場合は、Microsoft Azure ポータルを使用してネットワーク セキュリティ グループ (NSG) を追加し、ネットワークの分離を行う必要があります。 Horizon Cloud ポッドの編集ワークフローでは、このような NSG は作成されません。

ポッド デプロイヤを使用してポッドを初めて作成する場合、ポッド デプロイ ウィザードでテナント サブネットを指定します。このテナント サブネットは、プライマリ仮想マシン サブネットといいます。コンソールでは、ポッドの詳細ページの [ネットワーク] セクションにポッドのテナント サブネット(プライマリと追加の両方)に関する情報が含まれています。以下のスクリーンショットは、追加のテナント サブネットがまだ追加されていないポッドを示しています。この場合、ポッドは名前付きサブネットを使用してデプロイされています。ポッド デプロイ ウィザードで、tenant という名前のサブネットがポッドのプライマリ仮想マシン サブネットに選択されています。コア ポッド仮想マシン、ゲートウェイ仮想マシン、基本イメージ仮想マシンはすべて、このプライマリ仮想マシン サブネットへの接続があります。


ポッドの詳細ページの [ネットワーク] セクション

次のスクリーンショットは、2 つの仮想マシン サブネット(tenant5tenant6)が追加された後の同じポッドを示しています。


2 つのサブネットが追加された [ネットワーク] セクションを示すスクリーンショット

追加の仮想マシン サブネットを追加するには、[ポッドの編集] ワークフローを使用します。ファームおよび VDI デスクトップ割り当てに対して複数のテナント サブネットを使用するように Horizon Cloud ポッドを編集を参照してください。ポッドには仮想マシン サブネットを最大 40 個構成できます。プライマリ仮想マシン サブネットと追加の仮想マシン サブネット 39 個の計 40 個です。

追加のサブネットが追加されると発生する操作

[ポッドの編集] ワークフローで [保存して終了] をクリックして、選択したサブネットを追加すると、ポッド マネージャ仮想マシンとゲートウェイ仮想マシンを更新するバックグラウンド タスクが実行されるので、追加したサブネットに最終的に接続されるファーム仮想マシンとデスクトップ仮想マシンとは、当該サブネット経由で通信できるようになります。更新がエラーなしで完了した場合、追加したサブネットは 準備完了 状態に設定されます。エラーが発生した場合、当該サブネットは エラー 状態に設定されます。

次のスクリーンショットは、追加したサブネットが 準備完了 状態になっていることを示しています。


正常に追加されたサブネット上の「準備完了」ツールチップのスクリーンショット

サブネットが エラー と表示されている場合は、[失敗したネットワークの再デプロイ] アクションを使用してシステム タスクを再試行します。ポッドの詳細ページで、[...] > [失敗したネットワークの再デプロイ] > [ ] をクリックします。

追加した仮想マシン サブネットをポッドの構成から削除する

ポッドの構成で設定されている仮想マシン サブネットを使用する必要がなくなった場合は、[ポッドの編集] ワークフローを使用して、ポッドの構成からそのサブネットを削除できます。このワークフローを実行して仮想マシン サブネットを削除するのは、そのサブネットを使用するファームまたは VDI デスクトップ割り当てがなくなった場合のみにしてください。[ポッドの編集] ワークフローを開始し、表示されるリストで削除するサブネットを選択解除して、変更内容を保存します。

重要:
  • ファームまたは VDI デスクトップ割り当てによって使用されている仮想マシン サブネットを削除しようとすると、[ポッドの編集] ウィザードで変更を保存できても、そのようなサブネットはポッドの構成から削除されません。この状況では、コンソールの [監視] > [アクティビティ] > [監査ログ] を使用して、このようなサブネットに関する情報を確認できます。
  • ポッドからのプライマリ仮想マシン サブネットの削除はサポートされていません。そのサブネットは、ポッドに必要なテナント サブネットです。

ファームおよび VDI 割り当てへの仮想マシン サブネットの使用について

サブネットは、準備完了 状態にある場合、ファームおよび VDI デスクトップ割り当ての定義で使用できます。ファーム仮想マシンと VDI デスクトップ仮想マシンは、定義で指定するサブネットに接続されます。

  • ファームと VDI デスクトップ割り当ての作成時にも編集時にもこれらの仮想マシン サブネットを指定できます。
  • 1 つのファームまたは VDI デスクトップ割り当てに複数の仮想マシン サブネットを指定すると、そのファームの仮想マシンや割り当ての仮想マシンは指定のサブネット全体にわたってロード バランシングされます。
    注: これらの仮想マシン サブネットを使用してファームまたはデスクトップ割り当てを作成する際、追加した仮想マシン サブネットに加え、ポッドのプライマリ仮想マシン サブネット(ポッドのテナント サブネット)が選択できます。
  • 現在のリリースでは、ファームまたはデスクトップ割り当てにサブネットを割り当てた後に、そのサブネットをファームまたはデスクトップ割り当てから割り当て解除することはできません。

仮想マシン サブネットのステータス

ポッドの詳細ページで色が付いているアイコンは、そのサブネットのステータスを示します。コンソールで、アイコンの上にカーソルを置くと、ステータス ラベルが表示されます。

ステータス 説明
保留中 [ポッドの編集] ワークフローを実行して新しいテナント サブネットを追加すると、システムのバックグラウンド タスクが進行する間、サブネットは 保留しています ステータスで開始されます。通常、このステータスの時間は短くなります。
準備完了 テナント サブネットに関連するすべての操作が正常に行われると、インジケータは 準備完了 ステータスを表示します。
エラー サブネットに関連するいずれかの操作が失敗すると、インジケータは エラー ステータスを表示します。
削除中 [ポッドの編集] ワークフローを実行してテナント サブネットを削除すると、システムのバックグラウンド タスクが進行する間、インジケータは 削除中 ステータスを表示します。