現在管理されている ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値は、更新済みパッケージの作成に使用されます。更新済みパッケージは、同一の AppID 値と、現行パッケージより大きな VersionID 値を使用します。

このタスクについて

更新済み ThinApp パッケージは、組織内の別のチームが管理者に提供することもあります。更新済み ThinApp パッケージの作成者は、次に示すいずれかの方法を使用できます。

前提条件

管理対象 ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値の取得に示されている手順を実行し、現在の ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値を把握していることを確認します。

VMware Identity Manager のバージョンと互換性のあるバージョンの ThinApp プログラムを所有していることを確認します。個々の ThinApp バージョンの詳細については、「VMware 製品の相互運用性マトリックス」(http://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php)を参照してください。

手順

VMware Identity Manager でサポートされているバージョンの ThinApp プログラムを使用し、使用できるいずれかの方法を使用して更新済み ThinApp パッケージを作成します。

オプション

説明

Setup Capture を使用して再キャプチャする。

この方法は、VMware Identity Manager で管理されている既存の ThinApp パッケージのプロジェクト フォルダが使用できない場合に使用します。Setup Capture を使用して更新済みパッケージを作成する場合に必要となるのは、次のアイテムだけです。

  • 既存の ThinApp パッケージのアプリケーション実行ファイル

  • アプリケーション インストーラ

  • Setup Capture と、VMware Identity Manager でサポートされているバージョンの ThinApp プログラム

キャプチャ プロセスで、パッケージをVMware Identity Manager で管理することと、パッケージが既存のベース ThinApp パッケージの更新版であることを選択します。現在管理されている ThinApp パッケージの実行ファイルが入っているフォルダを参照します。(特定の実行ファイルではなく)そのフォルダをポイントします。

この方法では、更新済みパッケージを作成する前に AppID 値または VersionID 値を取得する必要はありません。Setup Capture でパッケージを更新版として指定し、以前のバージョンをポイントすると、キャプチャ プロセスによって以前のパッケージの AppID が読み取られ、更新済みパッケージのために再使用されます。またこのプロセスでは、更新済みパッケージ用に現行パッケージよりも大きい VersionID が指定され、同一の InventoryName も割り当てられます。

Package.ini ファイルを手動で更新し、続いてパッケージを再構築します。

この方法は、再キャプチャ プロセス用のアプリケーション インストーラを所有していない場合や、パッケージを新しい ThinApp バージョンに更新する必要があり、relink コマンドの処理能力を超えた更新作業を行う場合に使用します。パッケージの再構築では、ファイル システムとレジストリに対して新バージョンの ThinApp で提供される変更が加えられます。このため、再構築では、管理者が設定する新しい Package.ini パラメータが新しい ThinApp バージョンによって提供される時点などにそれらの変更をピックアップします。

新しいパッケージを更新版としてマークするには、Package.ini ファイルの [Build Options] セクションにある次の VMware Identity Manager パラメータを編集します。

  • AppID パラメータを、現在管理されている ThinApp アプリケーションの AppID 値と一致するように設定します。genid の値(AppID で使用)を再使用することはできません。これは、この値を再使用すると更新済みパッケージ用として新しい AppID 値が生成され、VMware Identity Manager が新しいパッケージを既存パッケージの更新版として認識しないためです。

  • 現在管理されている ThinApp パッケージよりも大きい整数となるように VersionID パラメータの値を増やします。現在管理されているパッケージに VersionID パラメータが設定されていない場合、そのデフォルト値は 1 です。VersionID パラメータ用の行を Package.ini に 1 つ追加し、これを値 2 に設定します(VersionID = 2)。

  • InventoryName パラメータ値が現在管理されているパッケージの InventoryName 値と一致することを確認します。現在のパッケージと更新済みパッケージの InventoryName 値は同じでなければなりません。

AppID オプションと VersionID オプションを指定して relink -h コマンドを使用する。

この方法は、次に示す状況のいずれかに相当する場合に使用します。

  • アプリケーション用のプロジェクト フォルダが存在しない。

  • VMware Identity Manager 環境外でパッケージのキャプチャ、構築、テストが完了しており、残る作業は更新済みパッケージを VMware Identity Manager 用として有効化し、このパッケージを VMware Identity Manager で使用されているネットワーク共有に配置することだけである。

  • パッケージを更新するのはその ThinApp ランタイムを更新して新しい ThinApp バージョンで使用できるバグ修正を適用するためだけである。

たとえば、仮想アプリケーションのために Package.ini ファイルも含めてプロジェクト ディレクトリを変更し、パッケージを再構築し、パッケージをテストしたが、テスト環境は VMware Identity Manager ではなかったという場合が考えられます。アプリケーション更新の最終段階として、そのアプリケーションを VMware Identity Manager 用として有効化する必要があります。その時点では、再キャプチャや再構築ではなく relink -h コマンドを使用するのが一番簡単です。

注:

ThinApp ランタイムは、ThinApp パッケージに対して relink -h コマンドを実行するときに常に更新されます。

relink コマンドを ThinApp Program Files ディレクトリから実行し、このコマンドの構文についてのヘルプを表示できます。

既存の ThinApp パッケージがすでに VMware Identity Manager 用として有効化されている場合は、次のコマンドを実行してそのパッケージの既存の AppID を再使用し、VersionID の番号を増やすことができます。

relink -h -VersionID + executable-folder/*.*

この executable-folder は、更新する ThinApp パッケージの実行可能ファイルを格納しているフォルダです。

重要:

relink コマンドを使用するときは、このコマンドで VMware Identity Manager 環境内の ThinApp パッケージに使用されるネットワーク共有上のパッケージ実行ファイルのフォルダを直接参照することはできません。このコマンドは、ThinApp ランタイムを更新するときに古い実行ファイルを BAK ファイルに変換し、それらの BAK ファイルと新しいファイルをフォルダに書き込みます。ネットワーク共有は通常書き込みが許可されないため、relink で実行ファイルのフォルダのコピーを参照する必要があります。

relink コマンドの他の使用例(ThinApp パッケージを VMware Identity Manager 環境用として有効化する方法を含む)は、http://kb.vmware.com/kb/2021928 にある VMware ナレッジ ベース記事にまとめられています。

タスクの結果

更新済み ThinApp パッケージには、EXE ファイルと DAT ファイルの一式が含まれます(DAT ファイルはオプション)。

次のタスク

ネットワーク共有への更新 ThinApp パッケージのコピーに示されている手順を実行し、これらのファイルをネットワーク共有上の新しいサブフォルダにコピーします。