VMware Site Recovery は、VMware が管理するディザスタ リカバリ サービスです。VMware は VMware Cloud on AWS での VMware Site Recovery のアップグレードを管理しています。

VMware Site Recovery のアップグレードの概要

セキュリティの脆弱性と既知の問題を解決し、サービスを強化する新機能を提供するために、VMware は VMware Cloud on AWS SDDC 上の VMware Site Recovery 環境を最新バージョンにアップグレードできるようにしています。VMware Site Recovery 環境は Site Recovery Manager アプライアンスと vSphere Replication アプライアンスで構成されています。VMware Site Recovery の機能の詳細なリストについては、VMware Site Recovery リリース ノートを参照してください。

アップグレードの前提条件

VMware が VMware Cloud on AWS SDDC の VMware Site Recovery インスタンスを最新バージョンにアップグレードできるようにするには、次の点を確認する必要があります。
  • オンプレミス サイトの vSphere、ESXi ホスト、 Site Recovery Manager、および vSphere Replication を、アップグレード対象の VMware Site Recovery のバージョンと互換性のあるバージョンにアップグレードする必要があります。VMware 製品の相互運用性マトリックスを使用して、オンプレミス サイトに必要なバージョンを検索します。
  • VMware Cloud on AWS SDDC のバージョンには、VMware Site Recovery バージョンとの互換性が必要です。VMware 製品の相互運用性マトリックスを使用して互換性を確認するには、[VMware 製品の選択]VMware Cloud on AWS および VMware Site Recovery Manager を選択します。
  • リカバリ プランが「準備完了」状態であることを確認します。フェイルオーバーのテスト後にクリーンアップを実行していない場合、または計画移行の後に再保護を実行していない場合は、リカバリ プランが準備完了状態でない可能性があります。リカバリ プランをクリーンアップする方法の詳細については、リカバリ プランのテスト後のクリーンアップを参照してください。

スケジュールとアップグレード

Site Recovery ManagervSphere Replication の新しいメジャー バージョンが VMware Cloud on AWS SDDC で使用可能になると、VMware は VMware Site Recovery アドオンが有効になっているユーザーに、今後 2 か月以内に VMware Site Recovery のアップグレードの予定があるという通知を送信します。VMware はリスクを最小限に抑えるために、VMware Cloud on AWS SDDC の VMware Site Recovery アドオンをアップグレードします。特定の SDDC の VMware Site Recovery アップグレードのタイムスロットが定義されると、対応するタイムスロットの 7 日前までに SDDC の所有者に通知がさらに送信され、情報が伝えられます。また、通知はメンテナンスの開始および完了時に送信されます。開始通知はタイムスロットの開始時点で送信されますが、完了通知はタイムスロットの終了より前に送信されることがあります。VMware は、発生の可能性がある問題について、発生時の修正のためにバッファ時間を確保しています。アップグレード メンテナンスは、ユーザーに完了通知が届いた時点で完了したと見なされます。

VMware は、さまざまな理由から、VMware Site Recovery のスケジュール設定されたアップグレードをキャンセルせざるをえないことがあります。たとえば、VMware は SDDC が VMware Site Recovery のアップグレードに適した状態であるか確認するためのチェックを実行します。メンテナンスの開始時にこのチェックが失敗すると、アップグレードはキャンセルされ、VMware はアップグレードをスケジュールおよび実行する別の機会を探します。スケジュール設定されたアップグレードがキャンセルされた場合は、対応する通知がユーザーに送信されます。VMware はユーザーと緊密に連携して、前提条件が満たされるようにサポートし、アップグレードをスケジュールおよび実行します。VMware は、 Site Recovery ManagervSphere Replication の新しいバージョンがリリースされてから 6 か月以内に VMware Cloud on AWS でのアップグレードが完了することを目指しています。この期間が経過すると、個々の SDDC 上にある旧バージョンの Site Recovery Manager および vSphere Replication アプライアンスはサポート対象外と見なされ、アップグレードできなくなります。VMware Site Recovery アドオンを無効にしてから再度有効にすることで、 Site Recovery Manager および vSphere Replication の最新バージョンを取得し、サポート対象の状態に戻すことができます。ただし、サイトのペアリング、レプリケーションの構成、リカバリ プランなど、 Site Recovery Manager および vSphere Replication のすべての構成を再実行する必要があります。

ダウンタイムとユーザーへの影響

VMware Site Recovery のアップグレード メンテナンス中に、 VMware Cloud on AWS SDDC で Site Recovery Manager サービスと vSphere Replication サービスが再起動されます。この影響は次のとおりです。
  • メンテナンス中の SDDC で Site Recovery ユーザー インターフェイスを開くことはできません。リモート SDDC Site Recovery のユーザー インターフェイスで、このサイトは切断状態と表示されます。
  • メンテナンス中の SDDC に、リカバリ プランのフェイルオーバー操作を開始することはできません。メンテナンスの開始時に、進行中のフェイルオーバー操作が失敗することがあります。
  • レプリケーションの受信が中断されます。RPO 設定とメンテナンス期間によっては、リモート Site Recovery のユーザー インターフェイスに、これらのレプリケーションに対する RPO 違反通知が表示される場合があります。RPO 違反は、vSphere Replication が累積差分の同期を管理するタイミングに応じて、メンテナンスの完了後一定期間が経過すると自動的に表示されなくなります。メンテナンス中の SDDC から送信されるレプリケーションは影響を受けません。
残りの SDDC サービスは、 VMware Site Recovery のメンテナンスの影響を受けません。 VMware Site Recovery のメンテナンス中も SDDC を引き続き使用できます。