Tanzu Kubernetes Grid について

Tanzu Kubernetes Grid を使用すると、開発者は Kubernetes を電力供給網のようなユーティリティとして利用できるようになります。オペレータや開発者は、このグリッドを利用して、Kubernetes ユーザーになじみのある宣言型の方法でクラスタを作成、管理し、上位の Kubernetes とバージョンの互換性を保つことができます。

Tanzu Kubernetes Grid は、VMware でサポートされている Kubernetes オープンソースソフトウェアの固定構成を使用してクラスタを展開するため、Kubernetes 環境を自分で構築する必要はありません。検証済みの Kubernetes コンポーネントバイナリに加えて、Tanzu Kubernetes Grid は、本番環境の Kubernetes 環境で必要なネットワーク、認証、入力方向制御、ログ作成などのパッケージ化されたサービスを提供します。

Kubernetes クラスタを展開および管理するために、Tanzu Kubernetes Grid (TKG) は、クライアントの CLI またはユーザーインターフェイスから要求を取得し、低レベルのインフラストラクチャおよび Kubernetes クラスタ操作用の標準オープンソースツールであるクラスタ API を使用してそれらを実行する管理クラスタを使用します。

管理クラスタには、異なるコンポーネントセットを使用して異なるインフラストラクチャで実行される 2 つの展開オプションがあります。

スーパーバイザーは、vSphere 7 および vSphere 8 の vSphere with Tanzu に深く統合された管理クラスタであり、TKG をサポートすることとは別に、インフラストラクチャレベルの機能も実行します。
スタンドアローン管理クラスタは、スーパーバイザーを使用しない vSphere 6.7、7、および 8、または AWS、Azure など、複数のクラウドインフラストラクチャで TKG をサポートする専用仮想マシンとして実行される管理クラスタです。

重要
Tanzu Kubernetes Grid v2.4.x は、AWS および Azure でのスタンドアローン TKG 管理クラスタと TKG ワークロードクラスタの作成をサポートする TKG の最後のバージョンです。AWS および Azure でスタンドアローン TKG 管理クラスタと TKG ワークロードクラスタを作成する機能は、Tanzu Kubernetes Grid v2.5 リリースで削除されます。詳細については、『VMware Tanzu Kubernetes Grid v2.4 Release Notes』の「AWS および Azure での TKG 管理クラスタとワークロードクラスタの廃止」を参照してください。

TKG ドキュメントの場所

TKG ドキュメント^* は、管理クラスタの展開オプションに基づいていくつかの場所に公開されています。

目的	デプロイオプション	ドキュメント
スーパーバイザーとスタンドアローン管理クラスタの違いについて学習する	スーパーバイザーおよびスタンドアローン管理クラスタ	このドキュメントの「Management Clusters：スーパーバイザーとスタンドアローン」を参照してください
vSphere 8 でスーパーバイザーを使用して TKG を設定および使用する	スーパーバイザー	vSphere with Tanzu ドキュメントの「vSphere with Tanzu での Tanzu Kubernetes Grid 2 の使用」を参照してください
スーパーバイザーを使用しない vSphere 6.7、vSphere 7、vSphere 8、および AWS、Azure 上でスタンドアローン管理クラスタを使用して TKG を設定および使用する	スタンドアローン管理クラスタ	『Tanzu Kubernetes Grid 2.4 スタンドアローン管理クラスタの展開と管理』を参照してください
Tanzu CLI を使用して、vSphere 8 のスーパーバイザーまたはマルチクラウド環境のスタンドアローン管理クラスタを使用してワークロードクラスタを展開します	スーパーバイザーおよびスタンドアローン管理クラスタ	『Tanzu CLI を使用した TKG 2.4 ワークロードクラスタの作成と管理』を参照してください
Tanzu CLI について学習する	スーパーバイザーおよびスタンドアローン管理クラスタ	『VMware Tanzu CLI v1.0.x のインストールと使用』を参照してください

注
^* Tanzu ポートフォリオのもう 1 つの製品である Tanzu Kubernetes Grid Integrated Edition はクラスタ API を使用しないため、このドキュメントの対象外です。

Kubernetes を使用する理由

Kubernetes は、アプリケーションを複製し、ネットワークの停止、需要の変化といった潜在的なストレス要因の中にあってもアプリケーション実行を継続し、アクセス可能な状態を維持するオープンソースシステムです。この目的のために、Kubernetes は互換性のある任意の仮想マシンまたは物理マシン上で実行されるポータブルコンテナ内でアプリケーションをホストします。「互換性がある」とは、コンテナ化されたアプリケーションをサポートできる OS と Kubernetes バージョンを実行することを意味します。

Kubernetes を、仮想マシン、ストレージ、およびその他のリソースを構成、作成、および管理できるインフラストラクチャと組み合わせることで、プライベートデータセンター、パブリッククラウド、Edge ハードウェアなど、インフラストラクチャがカバーするあらゆる場所で、アプリケーションを信頼性のある安全な方法でホストできます。