Workspace ONE Access によってすでに管理され、組織のカタログに含められている ThinApp パッケージの更新は、複数の手順で構成されます。更新済み ThinApp パッケージは、組織内の別のグループが指定することもあります。Workspace ONE Access で、使用資格が付与されたユーザー用の既存のパッケージの代わりに自動的に更新済みパッケージを利用できるようにするには、更新済みパッケージが現在のパッケージと同じ AppID を使用して作成され、既存のパッケージの VersionID 値よりも大きい VersionID 値を持ち、Workspace ONE Access で管理できることを確認する必要があります。
前提条件
管理対象 ThinApp パッケージが配置されている場所へのアクセス権があり、その場所にサブフォルダを作成できることを確認します。
手順
管理対象 ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値の取得
Workspace ONE Access で、現在のパッケージの代わりに自動的に更新済み ThinApp パッケージが使用されるようにするには、更新済み ThinApp パッケージが、現在の管理対象 ThinApp パッケージの AppID と現在のバージョンよりも大きい VersionID 値を使用して作成されている必要があります。
Setup Capture プロセスを使用して更新済み ThinApp パッケージを作成する場合、Setup Capture プログラムで既存の ThinApp パッケージの実行可能ファイルから AppID 値が自動的に取得され、VersionID 値が自動的に増分されます。しかし、更新済み ThinApp パッケージを作成するユーザーが、別の方法で更新済みパッケージを作成することもあります。更新済み ThinApp パッケージの作成に Setup Capture プロセスを使用しない場合、パッケージを作成するユーザーは、現在 Workspace ONE Access で管理されている ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値を取得する必要があります。AppID 値およびVersionID 値は、Workspace ONE Access コンソールで、ThinApp パッケージのリソース ページ内の各ページに表示されます。
手順
次のタスク
更新された ThinApp パッケージを作成するには、更新済み ThinApp パッケージの作成の手順を実行します。
更新済み ThinApp パッケージの作成
Workspace ONE Access が管理する ThinApp パッケージの AppID と VersionID の値を取得したら、この手順に従って更新された ThinApp パッケージを作成し、Workspace ONE Access が更新された ThinApp パッケージを自動的に使用するようにします。
現在管理されている ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値は、更新済みパッケージの作成に使用されます。更新済みパッケージは、同一の AppID 値と、現行パッケージより大きな VersionID 値を使用します。
更新済み ThinApp パッケージは、組織内の別のチームが管理者に提供することもあります。更新済み ThinApp パッケージの作成者は、次に示すいずれかの方法を使用できます。
前提条件
管理対象 ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値の取得に示されている手順を実行し、現在の ThinApp パッケージの AppID 値と VersionID 値を把握していることを確認します。
Workspace ONE Access のバージョンと互換性のあるバージョンの ThinApp プログラムを所有していることを確認します。個々の ThinApp バージョンの詳細については、「VMware 製品の相互運用性マトリックス」(http://www.vmware.com/resources/compatibility/sim/interop_matrix.php)を参照してください。
手順
- ♦ Workspace ONE Access でサポートされているバージョンの ThinApp プログラムを使用し、使用できるいずれかの方法を使用して更新済み ThinApp パッケージを作成します。
オプション 説明 Setup Capture を使用して再キャプチャする。 この方法は、Workspace ONE Access で管理されている既存の ThinApp パッケージのプロジェクト フォルダが使用できない場合に使用します。Setup Capture を使用して更新済みパッケージを作成する場合に必要となるのは、次のアイテムだけです。 - 既存の ThinApp パッケージのアプリケーション実行ファイル
- アプリケーション インストーラ
- Setup Capture と、Workspace ONE Access でサポートされているバージョンの ThinApp プログラム
キャプチャ プロセスで、パッケージをWorkspace ONE Access で管理することと、パッケージが既存のベース ThinApp パッケージの更新版であることを選択します。現在管理されている ThinApp パッケージの実行ファイルが入っているフォルダを参照します。(特定の実行ファイルではなく)そのフォルダをポイントします。
この方法では、更新済みパッケージを作成する前に AppID 値または VersionID 値を取得する必要はありません。Setup Capture でパッケージを更新版として指定し、以前のバージョンをポイントすると、キャプチャ プロセスによって以前のパッケージの AppID が読み取られ、更新済みパッケージのために再使用されます。またこのプロセスでは、更新済みパッケージ用に現行パッケージよりも大きい VersionID が指定され、同一の InventoryName も割り当てられます。
Package.ini ファイルを手動で更新し、続いてパッケージを再構築します。 この方法は、再キャプチャ プロセス用のアプリケーション インストーラを所有していない場合や、パッケージを新しい ThinApp バージョンに更新する必要があり、relink コマンドの処理能力を超えた更新作業を行う場合に使用します。パッケージの再構築では、ファイル システムとレジストリに対して新バージョンの ThinApp で提供される変更が加えられます。このため、再構築では、管理者が設定する新しい Package.ini パラメータが新しい ThinApp バージョンによって提供される時点などにそれらの変更をピックアップします。 新しいパッケージを更新版としてマークするには、Package.ini ファイルの[Build Options]
セクションにある次の Workspace ONE Access パラメータを編集します。- AppID パラメータを、現在管理されている ThinApp アプリケーションの AppID 値と一致するように設定します。genid の値(AppID で使用)を再使用することはできません。これは、この値を再使用すると更新済みパッケージ用として新しい AppID 値が生成され、Workspace ONE Access が新しいパッケージを既存パッケージの更新版として認識しないためです。
- 現在管理されている ThinApp パッケージよりも大きい整数となるように VersionID パラメータの値を増やします。現在管理されているパッケージに VersionID パラメータが設定されていない場合、そのデフォルト値は 1 です。VersionID パラメータ用の行を Package.ini に 1 つ追加し、これを値 2 に設定します(
VersionID = 2
)。 - InventoryName パラメータ値が現在管理されているパッケージの InventoryName 値と一致することを確認します。現在のパッケージと更新済みパッケージの InventoryName 値は同じでなければなりません。
AppID オプションと VersionID オプションを指定して relink -h コマンドを使用する。 この方法は、次に示す状況のいずれかに相当する場合に使用します。 - アプリケーション用のプロジェクト フォルダが存在しない。
- Workspace ONE Access 環境外でパッケージのキャプチャ、構築、テストが完了しており、残る作業は更新済みパッケージを Workspace ONE Access 用として有効にし、このパッケージを Workspace ONE Access Connector で使用されているネットワーク共有に配置することだけである。
- パッケージを更新するのはその ThinApp ランタイムを更新して新しい ThinApp バージョンで使用できるバグ修正を適用するためだけである。
たとえば、仮想アプリケーションのために Package.ini ファイルも含めてプロジェクト ディレクトリを変更し、パッケージを再構築し、パッケージをテストしたが、テスト環境は Workspace ONE Access ではなかったという場合が考えられます。アプリケーション更新の最終段階として、そのアプリケーションを Workspace ONE Access 用として有効にする必要があります。その時点では、再キャプチャや再構築ではなく relink -h コマンドを使用するのが一番簡単です。
注: ThinApp ランタイムは、ThinApp パッケージに対して relink -h コマンドを実行するときに常に更新されます。relink コマンドを ThinApp Program Files ディレクトリから実行し、このコマンドの構文についてのヘルプを表示できます。
既存の ThinApp パッケージがすでに Workspace ONE Access 用として有効になっている場合は、次のコマンドを実行してそのパッケージの既存の AppID を再使用し、VersionID の番号を増やすことができます。
relink -h -VersionID + executable-folder/*.*
この executable-folder は、更新する ThinApp パッケージの実行可能ファイルを格納しているフォルダです。
重要: relink コマンドを使用するときは、このコマンドで Workspace ONE Access 環境内の ThinApp パッケージに使用されるネットワーク共有上のパッケージ実行ファイルのフォルダを直接参照することはできません。このコマンドは、ThinApp ランタイムを更新するときに古い実行ファイルを BAK ファイルに変換し、それらの BAK ファイルと新しいファイルをフォルダに書き込みます。ネットワーク共有は通常書き込みが許可されないため、relink で実行ファイルのフォルダのコピーを参照する必要があります。relink コマンドの他の使用例(ThinApp パッケージを Workspace ONE Access 環境用として有効にする方法を含む)は、http://kb.vmware.com/kb/2021928 にある VMware ナレッジ ベース記事にまとめられています。
結果
次のタスク
ネットワーク共有への更新済み ThinApp パッケージのコピーに示されている手順を実行し、これらのファイルをネットワーク共有上の新しいサブフォルダにコピーします。
ネットワーク共有への更新済み ThinApp パッケージのコピー
更新済み ThinApp パッケージを作成後、適切なファイルを、ネットワーク共有で既存のサブフォルダと同じレベルにある新しいサブフォルダにコピーし、Workspace ONE Access が更新済み ThinApp パッケージを自動的に使用するようにします。
前提条件
更新済み ThinApp パッケージの作成 の手順を実行して VersionID の値が増加したら、更新済み ThinApp パッケージのファイルがあることを確認します。
ネットワーク共有へのアクセス権があり、サブフォルダを作成し、そこにファイルをコピーできることを確認します。
手順
次のタスク
Workspace ONE Access カタログには、次回の ThinApp パッケージの同期後に、更新された ThinApp パッケージの新バージョンが表示されます。ThinApp パッケージのリソース ページに反映された新しいバージョンを表示する場合は、Workspace ONE Access コンソールの ThinApp 仮想アプリケーションのコレクション ページから仮想アプリケーションのコレクションを手動で同期できます。