この手順では、vCenter High Availability (HA) クラスタ環境で使用されている vCenter Server Appliance のアクティブ ノード、パッシブ ノード、監視ノードにパッチを適用する方法について説明します。

vCenter High Availability クラスタは、アクティブ ノード、パッシブ ノード、監視ノードとして機能する 3 つの vCenter Server Appliance から成ります。vCenter High Availability の構成については、『vSphere の可用性』を参照してください。

3 つのノードには順次パッチを適用しますが、その際、常に非アクティブ ノードにパッチを適用していくために、手動フェイルオーバーを使用します。ノードにパッチを適用するためには、アプライアンスのシェルから software-packages ユーティリティを使用する必要があります。アプライアンスのシェルからのパッチ適用については、アプライアンス シェルを使用した vCenter Server Appliance へのパッチ適用を参照してください。

前提条件

  • vCenter HA 構成へのパッチ適用が vCenter Server Appliance のバージョンでサポートされていることを確認します。特定の vCenter Server 6.7 パッチ リリースの場合、vCenter Server Appliance 管理インターフェイス、または vCenter Server Appliance のアプライアンス シェルの software-packages ユーティリティを使用して、vCenter HA 構成を削除し、vCenter Server Appliance を更新する必要があります。この手順を使用して vCenter Server Appliance のバージョンにパッチが適用可能かどうかについては、ナレッジベース記事 KB 55938 を参照してください。

  • プロキシを使用している場合は、アプライアンス管理インターフェイスでプロキシを構成する必要があります。DNS、IP アドレス、およびプロキシの設定を参照してください。

手順

  1. vCenter HA クラスタをメンテナンス モードに設定します。
    1. vSphere Client インベントリで [設定] タブをクリックします。
    2. [設定][vCenter HA] を選択し、[編集] をクリックします。
    3. [メンテナンス モード] を選択し、[OK] をクリックします。
  2. パブリック IP アドレスを使用し、アクティブ ノードのアプライアンス シェルに root としてログインします。
  3. 監視ノードにパッチを適用します。
    1. アクティブ ノードのアプライアンス シェルから、Bash シェルにアクセスし、監視ノードへの SSH セッションを確立します。
      ssh root@Witness_node_IP_address
    2. 監視ノードにパッチを適用します。
      software-packages ユーティリティを使用します。
    3. 監視ノードへの SSH セッションを終了します。
      exit
  4. パッシブ ノードにパッチを適用します。
    1. アクティブ ノードのアプライアンス シェルから、Bash シェルにアクセスし、パッシブ ノードへの SSH セッションを確立します。
      ssh root@Passve_node_IP_address
    2. パッシブ ノードにパッチを適用します。
      software-packages ユーティリティを使用します。
    3. パッシブ ノードへの SSH セッションを終了します。
      exit
  5. アクティブ ノードのアプライアンス シェルからログ アウトします。
  6. vCenter HA のフェイルオーバーを手動で開始します。
    1. vSphere Client でアクティブ ノードにログインし、[構成] をクリックします。
    2. [設定][vCenter HA] を選択し、[フェイルオーバー開始] をクリックします。
    3. フェイルオーバーを開始するには、[はい] をクリックします。

      同期なしでフェイルオーバーを強制的に実行するオプションがダイアログ ボックスに表示されます。ほとんどの場合、最初に同期を実行しておくことをお勧めします。

    パッシブ ノードがアクティブ ノードになり、アクティブ ノードがパッシブ ノードになったことは、vSphere Client で確認できます。

  7. パブリック IP アドレスを使用し、新しいアクティブ ノードのアプライアンス シェルに root としてログインします。
  8. 新しいパッシブ ノードにパッチを適用します。
    1. アクティブ ノードのアプライアンス シェルから、Bash シェルにアクセスし、パッシブ ノードへの SSH セッションを確立します。
      ssh root@Passve_node_IP_address
    2. パッシブ ノードにパッチを適用します。
      software-packages ユーティリティを使用します。
    3. パッシブ ノードへの SSH セッションを終了します。
      exit
  9. アクティブ ノードのアプライアンス シェルからログ アウトします。
  10. メンテナンス モードを終了します。
    1. vSphere Client インベントリで [設定] タブをクリックします。
    2. [設定][vCenter HA] を選択し、[編集] をクリックします。
    3. [vCenter HA をオンにする] を選択し、[OK] をクリックします。