vSphere 環境で vSphere with Tanzu を有効にするための前提条件を確認してください。vSphere でコンテナベースのワークロードをネイティブに実行するには、vSphere 管理者として vSphere クラスタで [ワークロード管理] を有効にします。これにより、vSphere ポッド を実行し Tanzu Kubernetes クラスタおよび仮想マシンをプロビジョニングする、スーパーバイザー クラスタ と呼ばれる Kubernetes 管理クラスタが使用可能になります。

vSphere クラスタの作成と構成

vSphere クラスタは、vCenter Server システムによって管理される ESXi ホストの集合です。スーパーバイザー クラスタ は vSphere クラスタで実行されます。[ワークロード管理] を有効にできるように、次の要件を満たす vSphere クラスタを作成します。

  • 3 台以上の ESXi ホストが含まれる vSphere クラスタを作成して、構成します。vSAN を使用している場合は、4 台の ESXi ホストを使用することが推奨されます(必須ではありません)。クラスタの作成と構成を参照してください。
  • クラスタに vSAN などの共有ストレージを構成します。vSphere HA や DRS を使用するため、およびパーシステント コンテナ ボリュームを格納するためには、共有ストレージが必要です。vSAN クラスタの作成を参照してください。
  • ReadWriteMany モードでパーシステント ボリュームを使用する場合は、vSAN クラスタでファイル サービスを有効にします。vSphere with Tanzu での ReadWriteMany パーシステント ボリュームの作成を参照してください。
  • vSphere HA のクラスタを有効にします。vSphere HA クラスタの作成と使用を参照してください。
  • 完全自動化モードで vSphere DRS のクラスタを有効にします。DRS クラスタの作成を参照してください。
  • ユーザー アカウントに vSphere クラスタに対するクラスタ全体の構成の変更権限があって、ユーザーが[ワークロード管理] 機能を有効にできることを確認します。
注意: スーパーバイザー クラスタ を構成した後に vSphere DRS を無効にしないでください。DRS を常に有効にすることは、 スーパーバイザー クラスタ でワークロードを実行するための必須の前提条件です。 Tanzu Kubernetes DRS を無効にすると、クラスタが破損します。

ネットワーク スタックの選択と構成

vSphere クラスタで [ワークロード管理] を有効にするには、スーパーバイザー クラスタ で使用するネットワーク スタックを構成する必要があります。NSX-T Data Center ネットワーク、またはロード バランサを使用する vSphere Distributed Switch (vDS) ネットワークという 2 つのオプションがあります。NSX Advanced Load Balancer または HAProxy ロード バランサを構成できます。

次の表に、サポートされている 2 つのネットワーク スタックの違いについての概要を示します。アーキテクチャ上の違いについては、 vSphere ネットワーク スタックを使用して構成された スーパーバイザー クラスタを参照してください。
機能 NSX-T ネットワーク Distributed Switch ネットワーク
vSphere ポッド はい いいえ
Tanzu Kubernetes クラスタ はい はい
組み込み Harbor レジストリ はい いいえ
ロード バランシング はい あり。有効にするには、NSX Advanced Load Balancer または HAProxy ロード バランサをインストールして構成します。
スーパーバイザー クラスタNSX-T Data Center ネットワークを使用するには、次の操作を実行します。
スーパーバイザー クラスタ に、 NSX Advanced Load Balancer を使用する vSphere Distributed Switch ネットワークを使用するには、次の操作を実行します。
注: vSphere with Tanzu は、vSphere 7 U2 以降で NSX Advanced Load Balancer をサポートします。
スーパーバイザー クラスタ に、HAProxy ロード バランシングを使用する vSphere Distributed Switch ネットワークを使用するには、次の操作を実行します。
注: vSphere with Tanzu は、vSphere 7 U1 以降で HAProxy ロード バランサをサポートします。

ストレージ ポリシーの作成

Kubernetes 制御プレーンの仮想マシン、コンテナ、イメージのデータストア配置を決定するストレージ ポリシーを作成する必要があります。さまざまなストレージ クラスに関連付けられたストレージ ポリシーを作成できます。

vSphere クラスタで [ワークロード管理] を有効にする前に、Kubernetes 制御プレーン仮想マシンを配置するためのストレージ ポリシーを作成します。vSphere with Tanzu のストレージ ポリシーの作成を参照してください。

コンテンツライブラリの作成

Tanzu Kubernetes クラスタと仮想マシンをプロビジョニングするには、スーパーバイザー クラスタ が実行されている vSphere クラスタを管理する vCenter Server で、[コンテンツ ライブラリ] が作成されている必要があります。

[コンテンツ ライブラリ] は、OVA テンプレート形式の Tanzu Kubernetes リリース のディストリビューションをシステムに提供します。Tanzu Kubernetes クラスタをプロビジョニングするときには、選択したバージョンの OVA テンプレートを使用して、Kubernetes クラスタ ノードが作成されます。

[サブスクライブ済みコンテンツ ライブラリ] を作成して、リリースされた最新イメージを自動的にプルしたり、[ローカル コンテンツ ライブラリ] を作成して、イメージを手動でアップロードしたりできます。手動によるアップロードは、エアギャップ環境で Tanzu Kubernetes クラスタのプロビジョニングを行う場合に必要になることがあります。

Tanzu Kubernetes リリース のコンテンツ ライブラリの作成と管理を参照してください。

vSphere with Tanzu のデモの確認

厳しい要件ではありませんが、開始する前に、スーパーバイザー クラスタ のデプロイ準備における vSphere 環境の設定、[ワークロード管理] の有効化、Tanzu Kubernetes クラスタのプロビジョニングなどに関する vSphere with Tanzu のデモが役立つことがあります。役立つと思われる場合は、VMware vSphere チャンネルで、一連のvSphere with Tanzu の詳細情報のビデオを確認してください。また、vSphere Tanzu Quick Bytesという短いビデオのシリーズで、Distributed Switch ネットワークと HAProxy ロード バランサを使用して [ワークロード管理] を構成する方法を確認することもできます。