ホストが 5 台未満の小規模な導入環境では、対話型インストール オプションを使用します。

典型的な対話型インストールでは、ESXi インストーラを起動し、インストーラのプロンプトに応答して、ESXi をローカル ホストのディスクにインストールします。インストーラは、ターゲット ディスクの再フォーマットとパーティショニングを行い、ESXi の起動イメージをインストールします。以前に ESXi をターゲット ディスクにインストールしたことがない場合は、ハードウェア ベンダーのパーティション、オペレーティング システムのパーティション、および関連データを含む、このドライブ上のすべてのデータが上書きされます。

注: データを失わないためには、 ESXi をインストールする前にデータを別のマシンに移行してください。

ESXi または ESX の以前のインストール、または VMFS データストアが含まれるディスク上に ESXi をインストールする場合は、インストーラはアップグレードのオプションを提示します。『vSphere アップグレード』のドキュメントを参照してください。

ESXi の対話型インストール

接続した vSphere ESXi CD または DVD、起動可能な USB デバイスからサーバを起動するか、ネットワーク上の場所からサーバを PXE 起動します。インストール ウィザードのプロンプトに従って、ESXi をディスクにインストールします。

対話形式での ESXi のインストール

ESXi の CD/DVD または USB フラッシュ ドライブを使用して、ESXi ソフトウェアを SAS、SATA、SCSI ハード ドライブ、または USB ドライブにインストールします。

前提条件

  • 次のいずれかの場所に ESXi のインストーラ ISO が存在する必要があります。
    注: ESXi インストーラを PXE ブートして、対話形式のインストールまたはスクリプトによるインストールを実行することもできます。 ESXi インストーラのネットワーク ブートを参照してください。
  • サーバ ハードウェアのクロックが UTC に設定されていることを確認します。この設定はシステム BIOS または UEFI で行います。
  • キーボードおよびモニターが、ESXi ソフトウェアをインストールするマシンに接続されていることを確認します。または、リモート管理アプリケーションを使用します。リモート管理アプリケーションの使用を参照してください。
  • ネットワーク ストレージを切断することを検討する。ネットワーク ストレージを切断することにより、使用可能なディスク ドライブをインストーラが検索する時間が短縮されます。ネットワーク ストレージを切断すると、切断されたディスク上のファイルはすべて、インストール時に使用できなくなります。

    ESX または ESXi の既存のインストールが含まれている LUN は切断しないでください。既存の ESX インストールのサービス コンソールが含まれている VMFS データストアは切断しないでください。これらの操作を行うと、インストールに影響が生じる可能性があります。

  • ESXi インストール ウィザードで必要な情報を収集します。ESXi のインストールに必要な情報を参照してください。
  • ESXi Embedded がホスト マシンに存在しないことを確認します。ESXi Installable および ESXi Embedded は、同じホスト上に共存できません。

手順

  1. ESXi のインストーラ CD/DVD を CD/DVD-ROM ドライブに挿入するか、インストーラ USB フラッシュ ドライブを接続して、マシンを再起動します。
  2. CD-ROM デバイスまたは USB フラッシュ ドライブから起動するように BIOS または UEFI を設定します。
    注: システムにデータ処理ユニット (DPU) がある場合、DPU に ESXi をインストールして起動することは UEFI を使用してのみ可能です。
    起動順序の変更に関する情報については、ハードウェア ベンダーのドキュメントを参照してください。
  3. ウェルカム画面で Enter を押し、続行します。
  4. [次へ] を押してエンド ユーザー使用許諾契約書に同意します。
    ESXi 8.0 Update 3 以降では、使用可能なデバイスのスキャンが完了した後、システムに DPU がある場合、それらのデバイスが、それぞれの PCI スロットとともに自動的に一覧表示されます。スロットを選択する必要はなくなりました。DPU デバイスは、同じベンダー、同じハードウェア バージョン、同じファームウェアにする必要があります。
  5. [ESXi をインストールまたはアップグレードするディスクの選択] 画面で ESXi をインストールするドライブを選択し、[Enter] キーを押します。
    選択したディスクの情報を確認するには、[F1] キーを押します。
    注: ディスクを選択するときは、リスト上のディスクの順序に注意してください。ディスクの順序は BIOS または UEFI によって決定されるため、順序が正確でない場合があります。頻繁にドライブの追加と削除を行なっているシステムでは、このようなことが発生する可能性があります。
    データを含むディスクを選択した場合は、 [ディスクの選択内容の確認] 画面が表示されます。
    以前にインストールした ESXi/ESX または VMFS データストアが含まれているディスク上にインストールする場合は、インストーラでいくつかのオプションが表示されます。
    重要: 既存の ESXi インストールをアップグレードまたは移行する場合は、『 ESXi のアップグレード』ドキュメントを参照してください。
    vSAN ディスク グループ内のディスクを選択した場合、インストールは結果的に選択したディスクのタイプおよびグループのサイズによって異なります。
    • SSD を選択した場合は、同じディスク グループ内の SSD および基盤となるすべての HDD がワイプされます。
    • HDD を選択した場合は、ディスク グループのサイズが 2 より大きくなり、選択した HDD のみワイプされます。
    • HDD ディスクを選択した場合は、ディスク グループのサイズが 2 以下になり、SSD および選択した HDD がワイプされます。
  6. ホストのキーボード タイプを選択します。
    キーボード タイプは、インストール後にダイレクト コンソールで変更できます。
  7. ホストの root パスワードを入力します。
    パスワードは、インストール後にダイレクト コンソールで変更できます。
  8. [インストールの確認] 画面では、vSphere システムに DPU がある場合、それぞれが個別の行に一覧表示されます。F11 を押して、インストールの開始を確認します。

    8.0 Update 3 以降では、システムに DPU がある場合に、ESXi と DPU のインストールに関する単一の進行状況バーが表示され、インストーラの実行中のステージを示すラベルが動的に更新されます。

    vSAN ディスク グループの管理の詳細については、『vSphere のストレージ』ドキュメントを参照してください。

    SD デバイスまたは USB デバイスを選択すると、ESXi-OSData パーティションを保存するパーシステント ディスクを選択するよう求める警告が表示されます。[ESX OSData を保存するディスクを選択] 画面で、使用可能な空き容量が最小 32 GB のパーシステント ストレージ デバイスを選択します。

  9. インストールが完了したら、インストール CD、DVD、または USB フラッシュ ドライブを取り出します。

    8.0 Update 3 以降では、いずれかのターゲットでインストールが成功しなかった場合に、[操作に失敗しました] 画面が表示されます。トラブルシューティングに役立てるため、画面上のエラー ログを記録します。

  10. [Enter] キーを押してホストを再起動します。
  11. 5ESXi をインストールしたドライブを最初の起動デバイスとして設定します。
    起動順序の変更については、ハードウェア ベンダーのドキュメントを参照してください。
    注: UEFI システムでは、起動デバイスを設定するための追加の手順が必要になる場合があります。 UEFI モードでの ESXi のインストール後、ホストの起動に失敗するを参照してください。

結果

インストールが完了したあと、既存の VMFS データを ESXi ホストに移行できます。

ESXi イメージから 1 台のマシンを起動できます。1 つの共有 ESXi イメージから複数のデバイスを起動する処理はサポートされていません。

次のタスク

ESXi の基本的な管理内容およびネットワーク構成を設定します。ESXi のインストールおよび設定後を参照してください。

ソフトウェア iSCSI ディスクへの ESXi のインストール

ESXi をソフトウェア iSCSI ディスクにインストールする場合は、ターゲットの iSCSI 修飾名 (IQN) を構成する必要があります。

システムの起動中に、システムは POST (Power-On Self Test) を実施し、システムの BIOS に指定されている順序でアダプタの起動を開始します。起動の順番が iBFT (iSCSI Boot Firmware Table) アダプタの番になると、アダプタはターゲットへの接続を試みますが、ターゲットからは起動しません。前提条件を参照してください。

iSCSI ターゲットへの接続に成功すると、iSCSI 起動ファームウェアは iSCSI の起動の構成を iBFT に保存します。次に起動するアダプタは、ESXi のインストール メディア (マウントされた ISO イメージまたは物理 CD-ROM のいずれか) である必要があります。

前提条件

  • ターゲットの IQN が、iBFT BIOS のターゲット パラメータの設定で構成されていることを確認します。この設定は、ネットワーク インターフェイス カード (NIC) のオプションの ROM にあり、iSCSI LUN 用に使用されます。システムのベンダーが提供するドキュメントを参照してください。
  • iSCSI ターゲットに起動する iBFT アダプタ オプションを無効にします。この操作は、iSCSI ターゲットではなく、ESXi インストーラが確実に起動するために必要です。システムを起動したら、プロンプトの指示に従って iBFT アダプタにログインし、iSCSI ターゲットに起動するオプションを無効にします。システムと iBFT アダプタのベンダーが提供するドキュメントを参照してください。ESXi のインストールが完了したら、ESXi のインストール先の LUN から起動するオプションを再び有効にできます。

手順

  1. ESXi のインストール CD/DVD またはマウントされた ISO イメージから、対話形式のインストールを開始します。
  2. ディスクの選択画面で、iBFT BIOS のターゲット パラメータの設定で指定した iSCSI ターゲットを選択します。

    このメニューにターゲットが表示されない場合は、TCP/IP の設定とイニシエータの iSCSI IQN の設定が正しいことを確認します。ネットワークのアクセス制御リスト(ACL) を確認し、ターゲットにアクセスするための適切な権限がアダプタにあることを確認します。

  3. プロンプトの指示に従って、インストールを完了します。
  4. ホストを再起動します。
  5. ホストの BIOS 設定で、iBFT アダプタの BIOS 構成を入力し、iSCSI ターゲットから起動するようにアダプタのパラメータを変更します。
    システムのベンダーが提供するドキュメントを参照してください。

次のタスク

iBFT アダプタで、iSCSI ターゲットに起動するためのオプションを再び有効にします。これによって、ESXi をインストールした LUN からシステムが起動します。