vSphere Auto Deploy により、異なるイメージ プロファイルまたは異なるホスト プロファイルを使用して ESXi ホストを再プロビジョニングします。

vSphere Auto Deploy では、複数の再プロビジョニング オプションがサポートされます。単純な再起動や、異なるイメージ プロファイルまたは異なるホスト プロファイルを使用した再プロビジョニングを実行できます。

vSphere Auto Deploy を使用して最初に起動するときには、環境を設定し、ルール セットにルールを追加する必要があります。vSphere Auto Deploy のインストールと構成を参照してください。

次の再プロビジョニング操作が可能です。

  • 単純な再起動。
  • 起動操作中にユーザーが質問に対して行った回答の対象となるホストの再起動。
  • 異なるイメージ プロファイルを使用した再プロビジョニング。
  • 異なるホスト プロファイルを使用した再プロビジョニング。

シンプルな再起動操作によるホストの再プロビジョニング

イメージ プロファイル、ホスト プロファイル、カスタム スクリプト、および最初の起動時に割り当てられた vCenter Server の場所を使用して、ESXi ホストを再プロビジョニングできます。

前提条件

vSphere Auto Deploy でプロビジョニングされているホストの単純な再起動では、すべての前提条件が満たされていることのみが必要です。このプロセスでは、以前に割り当てられたイメージ プロファイル、ホスト プロファイル、および vCenter Server の場所が使用されます。
  • 最初の起動操作中に実行した設定が適切であることを確認します。ホストのプロビジョニング (最初の起動)を参照してください。
  • すべての関連付けられた項目などが使用可能であることを確認します。項目には、イメージ プロファイル、ホスト プロファイル、カスタム スクリプトや vCenter Server インベントリの場所があります。
  • ホストに、以前の起動操作中の識別情報(アセット タグ、IP アドレス)があることを確認します。

手順

  1. ホストをメンテナンス モードにします。
    ホスト タイプ 操作
    DRS クラスタの一部であるホスト VMware DRS では、ホストがメンテナンス モードになると、仮想マシンが適切なホストに移行されます。
    DRS クラスタの一部ではないホスト すべての仮想マシンを別のホストに移行し、各ホストをメンテナンス モードにする必要があります。
  2. ホストを再起動します。

結果

ホストがシャットダウンします。ホストが再起動するときに、そのホストは vSphere Auto Deploy サーバが提供するイメージ プロファイルを使用します。vSphere Auto Deploy サーバでは、vCenter Server システムに保存されているホスト プロファイルも適用します。

PowerCLI を使用したホストの再プロビジョニング

vSphere Auto Deploy では、PowerCLI セッションで新しいイメージ プロファイルを使用してホストを再プロビジョニングできます。

ホストの再プロビジョニングにはいくつかのオプションがあります。

  • 使用する VIB でライブ アップデートがサポートされる場合は、esxcli software vib update コマンドを使用できます。その場合は、新しい VIB を含むイメージ プロファイルを使用するように、ルール セットを更新する必要もあります。
  • テスト時に、Apply-EsxImageProfile コマンドレットを使用して個々のホストにイメージ プロファイルを適用し、ホストを再起動して変更を有効にすることができます。Apply-EsxImageProfile コマンドレットは、ホストとイメージ プロファイルの関連付けを更新しますが、ホストに VIB をインストールすることはしません。
  • その他すべての場合は、この手順を実行します。

前提条件

  • ホストの再プロビジョニングに使用するイメージ プロファイルが使用できることを確認します。PowerCLI セッションで vSphere ESXi Image Builder を使用します。vSphere ESXi Image Builder を使用したインストールのカスタマイズを参照してください。

  • 最初の起動操作中に実行した設定が適切であることを確認します。

手順

  1. PowerShell プロンプトで Connect-VIServer PowerCLI コマンドレットを実行し、vSphere Auto Deploy が登録される vCenter Server システムに接続します。
    Connect-VIServer ipv4_or_ipv6_address
    この コマンドレットはサーバ証明書の警告を返す場合があります。本番環境では、サーバ証明書の警告が表示されないことを確認します。開発環境では、この警告は無視できます。
  2. 使用するイメージ プロファイルが格納されているパブリックなソフトウェア デポを特定するか、vSphere ESXi Image Builder を使用してカスタム イメージ プロファイルを定義します。
  3. Add-EsxSoftwareDepot を実行して、イメージ プロファイルが含まれるソフトウェア デポを PowerCLI セッションに追加します。
    デポのタイプ コマンドレット
    リモート デポ Add-EsxSoftwareDepot depot_url を実行します。
    ZIP ファイル
    1. ZIP ファイルをローカル ファイル パスにダウンロードするか、PowerCLI マシンにローカルなマウント ポイントを作成します。
    2. Add-EsxSoftwareDepot C:\file_path\my_offline_depot.zip を実行します。
  4. Get-EsxImageProfile を実行してイメージ プロファイルのリストを表示し、使用するプロファイルを決定します。
  5. Copy-DeployRule を実行し、ReplaceItem パラメータを指定して、イメージ プロファイルをホストに割り当てるルールを変更します。
    次のコマンドレットは、 my_new_imageprofile プロファイルを使用して、ルールがホストに割り当てる現在のイメージ プロファイルを置き換えます。コマンドレットが完了すると、 myrule で新しいイメージ プロファイルがホストに割り当てられます。古いバージョンの myrule は、名前が変更され、非表示になります。
    Copy-DeployRule myrule -ReplaceItem my_new_imageprofile
  6. イメージをデプロイする各ホストのルール コンプライアンスをテストします。
    1. ルール セットのコンプライアンスをテストするホストにアクセスできることを確認します。
      Get-VMHost -Name ESXi_hostname
    2. そのホストのルール セットのコンプライアンスをテストし、後で使用するために、戻り値を変数にバインドするコマンドレットを実行します。
      $tr = Test-DeployRuleSetCompliance ESXi_hostname
    3. ルール セットの内容と、ホストの構成の間の差異を確認します。
      $tr.itemlist
      システムは、新しいルール セットのコンプライアンスをテストするホストがアクティブなルール セットを遵守している場合、現在の項目と想定される項目のテーブルを返します。
      CurrentItem                             ExpectedItem
      -----------                             ------------   
      my_old_imageprofile                           my_new_imageprofile
      
    4. ホストの次の起動時に、変更されたルール セットを使用するように、ホストを修復します。
      Repair-DeployRuleSetCompliance $tr
  7. 新しいイメージ プロファイルを使用して再プロビジョニングするホストを再起動します。

vSphere Clientを使用した、新しいイメージ プロファイルを使用するホストの再プロビジョニング

vSphere Auto Deploy を使用してホストが対応するルールを変更し、そのルールをアクティベートすることで、vSphere Clientで新しいイメージ プロファイルを使用するホストを再プロビジョニングすることができます。

前提条件

  • ホストの再プロビジョニングに使用するイメージ プロファイルが使用できることを確認します。イメージ プロファイルの作成を参照してください。
  • 最初の起動操作中に実行した設定が適切であることを確認します。

手順

  1. [ホーム] > [Auto Deploy] の順に移動します。
    デフォルトでは、管理者ロールのみが vSphere Auto Deploy サービスを利用する権限を持っています。
  2. [デプロイのルール] タブで、インベントリ内のルールのリストからルールを選択し、[編集] をクリックします。
    デプロイのルールを編集するダイアログ ボックスが表示されます。
  3. (オプション) ウィザードの [名前とホスト] のページで、新しいルールの名前を入力します。
  4. (オプション) ルールをインベントリ内のすべてのホストに適用するか、特定のパターンに一致するホストにのみ適用するかを選択します。
    1 つ以上のパターンを選択することができます。
    たとえば、ルールを vCenter Single Sign-On ドメイン内の特定のホスト名を持つホスト、または特定の IPv4 範囲に一致するホストにのみ適用することができます。
  5. ウィザードの [設定] ページで、オプションでルールにアイテムを含めることができます。
    有効にしたアイテムごとに、ウィザードに新しいページが追加されます。
    オプション 操作
    ホストの場所 ルールの条件に一致するホストを特定の場所に追加します。
    イメージ プロファイル ルール条件に一致するホストにイメージ プロファイルを割り当てます。
    ホスト プロファイル ルール条件に一致するホストにホスト プロファイルを割り当てます。
    スクリプト バンドル ルール条件に一致するホストにスクリプト バンドルを割り当てます。
  6. [次へ] をクリックして、ホストの場所の選択をスキップします。
  7. ウィザードの [イメージ プロファイルの選択] ページで、イメージ プロファイルをルール条件に一致するホストに割り当てます。
    オプション 操作
    イメージ プロファイルを変更しない場合 [同じイメージ プロファイル] チェック ボックスをオンにします。
    選択したホストに新しいイメージ プロファイルを割り当てる場合
    1. [イメージ プロファイルを参照] チェックボックスをオンにします。
    2. ドロップダウン メニューからソフトウェア デポを選択します。
    3. リストからイメージ プロファイルを選択します。
    4. (オプション)イメージ プロファイルの許容レベル検証をしない場合は、[イメージ プロファイルの署名チェックをスキップ] チェック ボックスを選択します。
  8. [次へ] をクリックして、ホスト プロファイルの選択をスキップします。
  9. [設定の確認] ページで、新しいイメージ プロファイルの概要情報を確認して、[終了] をクリックします。
  10. [ルールのアクティベーション/アクティベーションの解除] をクリックします。
  11. 有効にするルールを無効なルールのリストから選択し、[有効化] ボタンをクリックします。
  12. (オプション) 有効なルール リストのルールの順番を変更するには、移動するルールを選択して、有効なルール リストの上部にある [上へ移動] または [下へ移動] をクリックします。
    ルールは優先度の高い順にリストされます。たとえば、2 つ以上のルールが同じホストに適用され、それぞれのルールでホストをプロビジョニングする際に使用するホストの場所、イメージ プロファイル、およびホスト プロファイルが異なる場合は、リスト内の最上位のルールが適用されます。
  13. (オプション) 無効なルールを有効にする前にテストするには、[有効にする前にルールをテスト] をクリックします。
    1. リストからホストを選択し、[コンプライアンスの確認] をクリックすると、ホストの現在のステータスと、ルールを有効にした後に予想される変化が表示されます。
      ホストがルールに準拠している場合は、ルールを有効にした後にホストを修正する必要はありません。
    2. (オプション) 選択したホストをルールの有効化後に修正するには、切り替えボタンを有効にするか、[ルールの有効化後にすべてのホストの関連付けを修正] チェック ボックスをオンにしてすべてのホストを修正します。
  14. 有効なルールのリストを確認し、[OK] をクリックします。
  15. 新しいイメージ プロファイルを使用して再プロビジョニングするホストを再起動します。

vSphere Client でのホストのカスタマイズの更新

ホストの前回の起動でユーザー入力が求められた場合、ユーザーが入力した回答は vCenter Server に保存されています。そのユーザーに新しい情報の入力を求める場合は、ホストを修正する必要があります。

前提条件

ユーザー入力を求めるホスト プロファイルをホストに添付します。

手順

  1. すべての仮想マシンを別のホストに移行し、ホストをメンテナンス モードにします。
    ホスト タイプ 操作
    DRS クラスタの一部であるホスト VMware DRS では、ホストがメンテナンス モードになると、仮想マシンが適切なホストに移行されます。
    DRS クラスタの一部ではないホスト すべての仮想マシンを別のホストに移行し、各ホストをメンテナンス モードにする必要があります。
  2. [ホーム] > [Auto Deploy] の順に移動します。
    デフォルトでは、管理者ロールのみが vSphere Auto Deploy サービスを利用する権限を持っています。
  3. [デプロイ済みのホスト] タブで、ESXi ホストを選択してください。
  4. [ホストの関連付けの修正] をクリックします。
    修正プロセスの進行状況は、[最近のタスク] ペインで監視できます。
  5. プロンプトが表示されたら、ユーザー入力を行います。
  6. ホストがメンテナンス モードを終了するように指示します。

結果

ホストのカスタマイズ内容が保存され、次回ホストを起動したときに有効になります。