イメージに基づいてクラスタまたはホストのコンプライアンスを確認すると、vSphere Lifecycle Manager は、クラスタ内の各ホストまたはスタンドアローン ホストのソフトウェアとイメージで指定されているソフトウェアを比較します。イメージにファームウェアとドライバのアドオンが含まれている場合、コンプライアンス チェックでは、イメージに対するホストのファームウェアのコンプライアンスも計算されます。クラスタ内のホストまたはスタンドアローン ホストの一部に DPU デバイスが含まれている場合、vSphere Lifecycle Manager は、ホストの DPU デバイス上のソフトウェアとファームウェアを、クラスタまたはホストのイメージで指定されたソフトウェアおよびファームウェアと比較します。

コンプライアンス チェックでは、クラスタ内の各ホストまたはスタンドアローン ホストのコンプライアンス状態を計算することに加えて、修正操作が単一のホストに与える影響に関する情報が提供されます。たとえば、修正によってホストが再起動する場合やホストのメンテナンス モードが必要な場合などです。

ホストは、準拠、非準拠、非互換、不明という4つのコンプライアンス状態のいずれかを持つことができます。ホストに DPU デバイスがある場合、DPU デバイスのコンプライアンス状態はホスト全体のコンプライアンス結果にマージされます。

準拠
ホストのイメージがクラスタまたはホストに設定したイメージと一致する場合、ホストは準拠になります。

サーバまたは DPU デバイスのソフトウェアおよびファームウェアが、クラスタまたはホストのイメージで指定されたソフトウェアおよびファームウェアと同じである場合、DPU によってバッキングされているホストは準拠になります。

非準拠
ホストのイメージがクラスタまたはホストに設定したイメージと一致しない場合、ホストは非準拠になります。クラスタまたはホストの新しいイメージを設定するか、ホスト上のコンポーネントを手動で追加または削除すると、準拠しているホストが非準拠になります。非準拠のホストを修正して、コンプライアンスを確保します。
たとえば、次のような場合にホストが非準拠になります。
  • ホストの ESXi バージョンが、クラスタまたはホストのイメージに含まれている ESXi のバージョンよりも古い。
  • ホストのファームウェアがクラスタまたはホストのイメージのファームウェア アドオンと異なる。
  • ホストにクラスタまたはホストのイメージに含まれていないコンポーネントがある。
  • ホストには、スタンドアローンの VIB が含まれている。
次の場合は、DPU でバッキングされたホストが非準拠になります。
  • サーバ上の ESXi、DPU デバイス上の ESXi、またはその両方に、クラスタまたはホストのイメージで指定されているソフトウェアおよびファームウェアよりも前のバージョンのソフトウェア コンポーネントがある場合。
  • クラスタまたはホストのイメージを編集し、サーバ上の ESXi、DPU デバイス上の ESXi、またはその両方のプラットフォームに適用可能な 1 つまたは複数の VIB を含むコンポーネントを追加した場合。
  • クラスタまたはホストの修正に失敗し、その結果、ホスト上のソフトウェア コンポーネントとファームウェア コンポーネントは更新されたものの、DPU は更新されなかった場合、またはその逆になった場合。
互換性なし
クラスタまたはホストのイメージをホストに適用できない場合、ホストには互換性がありません。
たとえば、次のような場合、ホストには互換性がありません。
  • ホストの ESXi バージョンが、クラスタまたはホストのイメージに含まれている ESXi のバージョンよりも新しい。
  • RAM など、十分なリソースがホストにない。
  • ホストのハードウェアにクラスタまたはホストの vSphere Lifecycle Manager イメージと互換性がない。

DPU の ESXi バージョンがクラスタまたはホストのイメージに含まれる ESXi バージョンよりも新しい場合、DPU でバッキングされたホストは互換性のないコンプライアンス状態になります。

不明
不明なコンプライアンス状態とは、ホストに関するコンプライアンス情報がないことを示しています。
たとえば、次の場合、ホストのコンプライアンス状態は不明です。
  • 新しいホストをクラスタに追加した場合。クラスタでコンプライアンス チェック操作を実行するまで、新しく追加されたホストのコンプライアンス状態は不明です。
  • 新しいスタンドアローン ホストをデータセンターまたはフォルダに追加した場合。ホストでコンプライアンス チェック操作を実行するまで、スタンドアローン ホストのコンプライアンス状態は不明です。
  • クラスタまたはホストのイメージを編集して、変更内容を保存した場合。クラスタ内のすべてのホストまたはスタンドアローン ホストのコンプライアンス状態は、新しいイメージに対するクラスタまたはホストのコンプライアンスを確認するまで不明です。

クラスタ内のホストまたはスタンドアローン ホストに関するコンプライアンス情報は、そのクラスタまたはホストの [更新] タブの [イメージのコンプライアンス] カードに表示されます。クラスタを選択すると、[イメージのコンプライアンス] カードには、クラスタのイメージに準拠していない、クラスタ内のすべてのホストのリストが表示されます。クラスタから 1 台のホストを選択すると、そのホストに関するコンプライアンス情報が右側に表示されます。スタンドアローン ホストを選択すると、[イメージのコンプライアンス] カードには、そのホストに関するコンプライアンス情報が表示されます。

ホストに DPU デバイスが搭載されている場合は、ホストの真下に表示されます。DPU デバイスに関するコンプライアンス情報は、ホストに関する全体的なコンプライアンス情報と同じように右側に表示されます。イメージ全体の比較または誤差の比較が表示されます。
DPU が所属先のホストの下に配置されていることを示すスクリーンショット。

vSphere Lifecycle Manager イメージに対するクラスタのコンプライアンスの確認

クラスタ内の各ホストが指定されたイメージと比較されることを理解するために、イメージに対するクラスタのコンプライアンスを確認します。

データセンターや vCenter Server インスタンスなど、単一のイメージを使用して管理する複数のクラスタを含むオブジェクトに対してコンプライアンスの確認操作を開始すると、vSphere Lifecycle Manager はすべてのクラスタでコンプライアンス チェックを実行します。

前提条件

適切な権限があることを確認します。イメージを使用するための vSphere Lifecycle Manager の権限を参照してください。

手順

  1. vSphere Client で、単一のイメージを使用して管理するクラスタに移動します。
  2. [更新] タブで [ホスト] > [イメージ] の順に選択します。
  3. [イメージのコンプライアンス] カードで [ コンプライアンスの確認 ] ボタンをクリックします。

結果

[イメージのコンプライアンス] カードには、クラスタ内の非準拠のホストと互換性のないホストの総数に関する情報が表示されます。すべてのホストの詳細なコンプライアンス情報を表示できます。ホストに DPU デバイスがある場合は、DPU デバイスに関するコンプライアンス情報のみを表示することもできます。

次のタスク

非準拠のホストが準拠するようにクラスタを修正します。『クラスタ、クラスタ内のホスト、またはスタンドアローン ホストに対する修正の事前チェックの実行』と『単一イメージを基準としたクラスタの修正』を参照してください。

ホストのコンプライアンス情報の表示

単一のイメージを使用して管理するクラスタ内の非準拠ホストまたはスタンドアローン ホストごとに、詳細なコンプライアンス情報を表示できます。ホストに DPU デバイスがある場合は、ホスト上の DPU デバイスに関するコンプライアンス情報を表示することもできます。その結果、ホストがクラスタまたはホストのイメージに関するコンプライアンスに違反する原因を簡単に見つけることができます。

詳細なコンプライアンス情報は、クラスタまたはスタンドアローン ホスト内のイメージに関するコンプライアンスに違反しているホストについてのみ表示されます。vSphere Lifecycle Manager では、準拠ホストに関するコンプライアンスの詳細は表示されません。

コンプライアンスの状態が「互換性なし」のホストの場合、vSphere Lifecycle Manager は、互換性の問題の原因についてのサインポスト情報に表示されます。

前提条件

  • コンプライアンス チェックを実行します。
  • 最後のコンプライアンス チェックの後に、ホストがクラスタに追加されていないことを確認します。

手順

  1. vSphere Client で、単一のイメージを使用して管理するクラスタまたはホストに移動します。
  2. [更新] タブで [ホスト] > [イメージ] の順に選択します。
  3. クラスタ内のホストまたはスタンドアローン ホストのコンプライアンス情報を表示します。
    オプション 操作
    クラスタ内のホストのコンプライアンス結果を表示する。
    1. [イメージのコンプライアンス] カードで、[ホスト] リストからホストを選択します。
      注: 非準拠ホストのみが一覧表示されます。
    2. (オプション) ホスト上のイメージとクラスタのイメージの完全な比較を表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [完全なイメージの比較] を選択します。
    3. (オプション) ホストがクラスタのイメージに準拠していないイメージ要素のみを表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [誤差の比較のみ] を選択します。
    スタンドアローン ホストのコンプライアンス情報を表示する。 スタンドアローン ホストのコンプライアンス情報は、[イメージのコンプライアンス] カードに表示されます。
    • ホストで実行されているソフトウェアとホストのイメージの完全な比較を表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [完全なイメージの比較] を選択します。
    • ホストがイメージに準拠していないイメージ要素のみを表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [誤差の比較のみ] を選択します。
  4. ホスト上の DPU デバイスに関するコンプライアンスの詳細を表示するには、ホストに表示されている DPU デバイスの中から選択します。
    DPU デバイスは、所属するホストの直下に表示されます。
    • DPU デバイス上のイメージとクラスタまたはスタンドアローン ホストのイメージの完全な比較を表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [完全なイメージの比較] を選択します。
    • DPU デバイスがクラスタまたはスタンドアローン ホストのイメージに準拠していないイメージ要素のみを表示するには、[ソフトウェア コンプライアンス] テーブルのドロップダウン メニューから [誤差の比較のみ] を選択します。
    右側に情報パネルが表示されます。 [ソフトウェア コンプライアンス] テーブルでは、選択したホストで実行されているソフトウェアと、クラスタまたはスタンドアローン ホストのイメージのソフトウェア仕様を確認できます。