vSphere 環境でフラッシュ デバイスを使用するときは、ベスト プラクティスに従ってください。

  • VMware 互換性ガイドで承認されているフラッシュ デバイスを使用してください。
  • フラッシュ デバイスを含む最新のファームウェアを使用してください。更新がないか、ストレージのベンダーからの情報を頻繁に確認してください。
  • フラッシュ デバイスの使用頻度を注意して監視し、耐用年数の推定値を算出します。耐用年数の推定値は、どの程度フラッシュ デバイスを使用し続けたかによって異なります。フラッシュ デバイスの有効期間の推定を参照してください。
  • NVMe デバイスをストレージに使用する場合は、ストレージ パフォーマンスを向上するために、高性能プラグイン (HPP) を有効にします。NVMe デバイスの使用方法の詳細については、VMware High Performance プラグインとパス選択スキームを参照してください。

フラッシュ デバイスの監視

Media Wearout IndicatorTemperatureReallocated Sector Count などの特定の重要なフラッシュ デバイス パラメータを ESXiホストから監視できます。

esxcli コマンドを使用してフラッシュ デバイスを監視します。

前提条件

ESXCLI をインストールします。ESXCLI スタート ガイドを参照してください。トラブルシューティングするには、ESXi Shellesxcli コマンドを実行します。

手順

  • 次のコマンドを実行して、フラッシュ デバイスの統計情報を表示します。
    esxcli storage core device smart get -d=flash device_ID

フラッシュ デバイスの有効期間の推定

フラッシュ デバイスを使用する場合は、その使用頻度を監視して、耐用年数の推定値を算出します。

通常、ストレージのベンダーは理想的な条件下でのフラッシュ デバイスの信頼性のある耐用年数推定値を提供しています。たとえば、ベンダーによって、1 日あたり 20GB の書き込みが行われるという条件下で、5 年間の耐用年数が保証されている場合があるかもしれません。しかし、デバイスのより現実的な寿命は ESXi ホストで実際に行われる 1 日あたりの書き込み数によって左右されます。次の手順に従って、フラッシュ デバイスの耐用年数を算出してください。

前提条件

前回 ESXi ホストを再起動してからの経過日数を書き留めます。たとえば、10 日などです。

手順

  1. 前回の再起動以降にフラッシュ デバイスに書き込まれたブロックの合計数を割り出します。

    esxcli storage core device stats get -d=device_ID コマンドを実行します。例:

    ~ # esxcli storage core device stats get -d t10.xxxxxxxxxxxxxxx
    	Device: t10.xxxxxxxxxxxxxxx
    	Successful Commands: xxxxxxx
    	Blocks Read: xxxxxxxx
    	Blocks Written: 629145600 
    	Read Operations: xxxxxxxx
    

    出力の [書き込みブロック] の項目は、前回の再起動以降にデバイスに書き込まれたブロック数を示します。この例では、値は 629,145,600 です。再起動のたびに、値が 0 にリセットされます。

  2. 書き込みの合計数を計算し、GB に変換します。
    1 ブロックは 512 バイトです。書き込みの合計数を計算するには、[書き込みブロック] の値を 512 倍し、その計算結果を GB に変換します。

    この例で、前回の再起動以降の書き込みの合計数は約 322 GB です。

  3. 1 日あたりの書き込みの平均数を GB 単位で推定します。
    書き込みの合計数を前回の再起動からの経過日数で割ります。

    前回の再起動が 10 日前の場合、1 日あたりの書き込み数は 32 GB となります。この期間にわたって、この数字の平均値を取ることができます。

  4. 次の公式を使用して、デバイスの耐用年数を見積もります。
    ベンダーから提供された 1 日あたりの書き込み数 × ベンダーから提供された耐用年数 ÷ 1 日あたりの実際の書き込み平均数
    たとえば、ベンダーが 1 日あたり 20 GB の書き込みが行われる条件下で 5 年間の耐用年数を保証している場合、1 日あたりの実際の書き込み平均数が 30 GB であれば、フラッシュ デバイスの耐用年数はおよそ 3.3 年になります。

フラッシュ ディスクで VMFS を使用しないようにする

ESXi のインストールまたは自動デプロイ時に自動パーティショニング起動オプションを使用すると、ホストのローカル ストレージに VMFS データストアが作成されます。場合によっては、ローカル ストレージのフラッシュ ディスクがフォーマットされないようにする必要があります。

問題

デフォルトで、自動パーティショニングを行うと、フラッシュ ディスクを含む、ホスト上のすべての未使用ローカル ストレージ ディスクに VMFS ファイル システムがデプロイされます。

ただし、VMFS でフォーマットされたフラッシュ ディスクは仮想フラッシュや vSAN などの機能で使用できなくなります。両方の機能にはフォーマットされていないフラッシュ ディスクが必要であり、いずれの機能も他のファイル システムとディスクを共有できません。

解決方法

自動パーティショニングで VMFS によってフラッシュ ディスクがフォーマットされないようにするには、 ESXi をインストールするときに、または ESXi を初めて起動するときに、次の起動オプションを使用します。
  • autoPartition=TRUE
  • skipPartitioningSsds=TRUE
Auto Deploy を使用する場合、これらのパラメータをリファレンス ESXi ホストに設定します。
  1. vSphere Client でリファレンス ホストとして使用するホストに移動し、[設定] タブをクリックします。
  2. [システム] をクリックしてシステム オプションを開き、[システムの詳細設定] をクリックします。
  3. 次の項目を設定します。
    パラメータ
    VMkernel.Boot.autoPartition True
    VMkernel.Boot.skipPartitioningSsds True
  4. ホストを再起動します。

仮想フラッシュ リソースと vSAN とともに使用する予定のフラッシュ ディスクに VMFS データストアがすでにある場合は、そのデータストアを削除します。