仮想マシンは、パーシステント ストレージ ボリュームとともにインスタンス ストレージを使用できます。仮想マシンとは別に存在するパーシステント ボリュームとは異なり、インスタンス ストレージ ボリュームは仮想マシン インスタンスのライフサイクルに依存します。通常、このストレージは、ESXi ホストに対してローカルな、NVMe などの高速デバイスに配置されます。

インスタンス ストレージのライフサイクル

仮想マシンの作成時に、システムによってインスタンス ストレージ ボリュームが作成され、仮想マシンに接続されます。インスタンス ストレージ ボリューム内のデータは、関連付けられた仮想マシン インスタンスの有効期間中にのみ保持されます。ボリュームは、仮想マシンが削除されると削除されます。

インスタンス ストレージを備えた仮想マシンは、ESXi ホストのメンテナンス モードをサポートします。仮想マシンは、ESXi ホストがメンテナンス モードになるとオフになり、ホストがメンテナンス モードを終了するとオンになります。

インスタンス ストレージ仮想マシンに関する考慮事項

インスタンス ストレージで仮想マシンを使用する場合は、次の項目を考慮してください。
  • VDS ネットワーク スタックを使用する スーパーバイザー は、インスタンス ストレージをサポートしていません。
  • 3 ゾーン スーパーバイザー は、インスタンス ストレージをサポートしていません。
  • vSphere 管理者が、インスタンス ストレージに必要な適切なストレージ ポリシーのない名前空間にインスタンス ストレージを持つ仮想マシン クラスを適用すると、警告が表示されます。
  • インスタンス ボリュームを持つ仮想マシンは、他の ESXi ホストに移行できません。
  • ボリュームがすでに使用中の場合、インスタンス ストレージ ボリュームは編集できません。
  • vSphere 管理者が仮想マシンの作成後に名前空間からインスタンス ストレージ ポリシーを削除した場合、仮想マシンは引き続き実行されます。
  • DevOps エンジニアは、インスタンス ストレージ リソースを削除または更新することはできません。インスタンス ストレージ ボリュームをある仮想マシン インスタンスから接続解除し、別のインスタンスに接続することはできません。

インスタンス ストレージ仮想マシンをプロビジョニングおよび監視するためのワークフロー

手順 実行者 説明
1 vSphere 管理者 コンテンツ ライブラリを作成し、仮想マシンに使用する名前空間に割り当てます。
2 vSphere 管理者 vSAN Direct データストアを作成します。
3 vSphere 管理者 vSAN Direct と互換性のあるストレージ ポリシーを作成し、名前空間に割り当てます。
4 vSphere 管理者 インスタンス ストレージ仮想マシン クラスを作成し、名前空間に割り当てます。
5 DevOps エンジニア インスタンス ストレージを持つ仮想マシンを名前空間にプロビジョニングします。
6 vSphere 管理者 デプロイされた仮想マシンを監視します。

vSAN Direct データストアの作成

vSphere 管理者は、vSAN データ パーシステンス プラットフォームや仮想マシン インスタンス ストレージなどの機能で使用する vSAN Direct データストアを設定します。データストアを作成するには、ESXi ホストに対してローカルな未要求のストレージ デバイスを使用します。

スーパーバイザー に対して vSAN を有効にするときに、 vSAN Direct データストアを作成できます。次のタスクは、クラスタで vSAN がすでに有効になっている場合に、 vSAN Direct としてローカル ストレージ デバイスを要求する方法を示しています。

手順

  1. vSphere Client で、vSAN クラスタに移動します。
  2. [設定] タブをクリックします。
  3. [vSAN] の下で、[ディスク管理] をクリックします。
  4. [未使用のディスクの要求] をクリックします。
  5. [未使用のディスクの要求] ダイアログ ボックスで、[vSAN Direct] タブをクリックします。
  6. 要求するデバイスを選択し、[vSAN Direct の要求] 列のチェック ボックスを選択します。
    注: 通常の vSAN データストアのデバイスを要求した場合、これらのデバイスは [vSAN Direct] タブには表示されません。
    vSAN Direct の要求 列のチェック ボックスをオンにして、未使用のディスクを要求します
  7. [作成] をクリックします。
    要求されるデバイスごとに、 vSAN Direct は新しいデータストアを作成します。
  8. [データストア] タブをクリックして、クラスタ内のすべての vSAN Direct データストアを表示します。
    vSAN Direct データストアがリストに表示されます

次のタスク

vSAN Direct と外部ストレージを併用できます。詳細については、『 vSphere IaaS 制御プレーンのメンテナンス』ドキュメントの vSAN Direct と外部ストレージの併用を参照してください。

vSAN Direct ストレージ ポリシーの作成

vSAN Direct を使用する場合は、スーパーバイザー 名前空間で使用するストレージ ポリシーを作成します。このストレージ ポリシーに関連付ける名前空間では、ステートフル サービスやインスタンス ストレージ仮想マシンなど、vSAN Direct と互換性のあるワークロードを実行できます。

手順

  1. vSphere Client で、[仮想マシン ストレージ ポリシーの作成] ウィザードを開きます。
    1. [ホーム] メニューで、[ポリシーおよびプロファイル] をクリックします。
    2. [ポリシーおよびプロファイル] で、[仮想マシン ストレージ ポリシー] をクリックします。
    3. [作成] をクリックします。
  2. ポリシーの名前と説明を入力します。
    オプション 操作
    vCenter Server vCenter Server インスタンスを選択します。
    名前 ストレージ ポリシーの名前を入力します。
    説明 ストレージ ポリシーの説明を入力します。
  3. [データストア固有のルール][ポリシー構造] 画面で、vSAN Direct ストレージ配置のルールを有効にします。
  4. [vSAN Direct ルール] 画面で、ストレージ配置タイプとして vSAN Direct を指定します。
  5. [ストレージ互換性] 画面で、このポリシーに適合する vSAN Direct データストアのリストを確認します。
  6. [確認して完了] ページでポリシーの設定を確認し、[完了] をクリックします。
    設定を変更するには、 [戻る] をクリックして関連するページに移動します。

インスタンス ストレージを使用する仮想マシン クラスの作成

仮想マシン クラスでは、vSAN Direct ストレージ ポリシーを参照し、インスタンス ストレージに使用するボリュームのサイズを設定します。仮想マシン クラスを作成したら、インスタンス ストレージ仮想マシンに使用する名前空間に割り当てます。

前提条件

  • vSAN Direct データストアと互換性のあるストレージ ポリシーを作成します。
  • インスタンス ストレージ仮想マシンで使用する名前空間に、vSAN Direct ストレージ ポリシーを追加します。スーパーバイザー での vSphere 名前空間 の作成と構成を参照してください。
  • 必要な権限:
    • 名前空間.クラスタ全体の構成の変更
    • 名前空間.名前空間構成の変更
    • 仮想マシン クラス.仮想マシン クラスの管理

手順

  1. 仮想マシン クラスを作成または編集するときに、インスタンス ストレージを追加します。
    オプション 操作
    仮想マシン クラスの作成
    1. vSphere Client ホーム メニューから、[ワークロード管理] を選択します。
    2. [サービス] タブをクリックし、[仮想マシン サービス] カードで [管理] をクリックします。
    3. [仮想マシン サービス] 画面で、[仮想マシン クラスの作成] をクリックします。
    4. 必要に応じて仮想マシン クラスを構成します。使用可能なオプションについては、「vSphere Client を使用した仮想マシン クラスの編集」を参照してください。
    5. インスタンス ストレージを追加するには、[構成] 画面で [仮想ハードウェア] を選択してから、[新規デバイスを追加] > [インスタンス ストレージ] の順に選択します。

      [インスタンス ストレージ] オプションが [仮想ハードウェア] に表示されます。

    既存の仮想マシン クラスの編集
    1. vSphere Client ホーム メニューから、[ワークロード管理] を選択します。
    2. [サービス] タブをクリックし、[VM サービス] ペインで [管理] をクリックします。
    3. [VM サービス] 画面で [VM クラス] をクリックします。
    4. 既存の仮想マシン クラスのカードで、[管理] をクリックして [編集] をクリックします。
    5. インスタンス ストレージを追加するには、[仮想ハードウェア] を選択してから、[新規デバイスを追加] > [インスタンス ストレージ] の順に選択します。

      [インスタンス ストレージ] オプションが [仮想ハードウェア] に表示されます。

  2. [インスタンス ストレージ] オプションを展開して、インスタンス ストレージ設定を編集します。
    オプション 操作
    ストレージ ポリシー vSAN Direct ストレージ ポリシーを選択します。
    ボリューム ボリュームのサイズを指定します。複数のストレージ ボリュームを追加できます。
  3. [確認] 画面で詳細を確認して、[完了] をクリックします。

    [確認] 画面に、インスタンス ストレージ ボリュームの詳細が表示されます。
  4. インスタンス ストレージ仮想マシンに使用する名前空間に、作成した仮想マシン クラスを割り当てます。

インスタンス ストレージを使用した仮想マシンのデプロイ

DevOps エンジニアは、インスタンス ストレージ仮想マシンの作成に必要な仮想マシン リソースにアクセスできることを確認します。リソースを使用して仮想マシンをデプロイします。

インスタンス ストレージ仮想マシンをデプロイする場合は、一般的な仮想マシンのデプロイ手順に従います。 vSphere IaaS control plane でのスタンドアローン仮想マシンのデプロイを参照してください。この手順では、インスタンス ストレージ仮想マシンに適用されるその他の特定の項目について説明します。

手順

  • インスタンス ストレージ仮想マシンに固有の次の項目を確認します。
    • 名前空間に、vSAN Direct データストアと互換性のあるストレージ クラスが含まれます。
    • インスタンス ストレージ仮想マシン クラスは、このストレージ クラスを参照します。

      インスタンス ストレージ仮想マシン クラスの詳細を確認するときは、instanceStorage セクションが含まれていることを確認します。

      kubectl describe virtualmachineclasses vm-class-instance-storage
      apiVersion: vmoperator.vmware.com/v1alpha2
      kind: VirtualMachineClass
      metadata:
        name: vm-class-instance-storage
      spec:
        hardware:
          cpus: 8
          memory: 64Gi
          devices:
      ...
          instanceStorage:
            storageClass: vsan-direct
            volumes:
            - size: 256Gi
            - size: 512Gi
       
      ...
    • 仮想マシン YAML ファイルは、適切なインスタンス ストレージ仮想マシン クラスを参照します。