Automation PipelinesVMware Aria Automation Orchestrator (Orchestrator) と統合すると、Orchestrator ワークフローを実行してその機能を拡張できます。VMware Aria Automation Orchestrator には、サードパーティ製ツールと統合できる事前定義済みのワークフローが多数含まれています。これらのワークフローは、DevOps プロセスの自動化と管理、一括操作の自動化などに役立ちます。

たとえば、パイプラインで Orchestrator タスクのワークフローを使用すると、ユーザーを有効にし、ユーザーを削除し、仮想マシンを移動できます。さらに、テスト フレームワークと統合してパイプラインの実行時にコードをテストするなど、さまざまなことができます。code.vmware.com では、VMware Aria Automation Orchestrator ワークフローのコード例を参照できます。

パイプラインで VMware Aria Automation Orchestrator ワークフローを使用すると、アプリケーションをビルド、テスト、および展開するときにアクションを実行できます。定義済みのワークフローをパイプラインに含めることも、カスタム ワークフローを作成して使用することもできます。ワークフローごとに入力、タスク、出力があります。

パイプラインで Orchestrator ワークフローを実行するには、パイプラインに含めた Orchestrator タスクで使用できるワークフローのリストに、そのワークフローが表示されている必要があります。

そのワークフローがパイプラインの Orchestrator タスクに表示されるようにするには、管理者が VMware Aria Automation Orchestrator で次の手順を実行する必要があります。

  1. PIPELINES タグを Orchestrator ワークフローに適用します。
  2. Orchestrator ワークフローをグローバルとしてマークします。

オンプレミスのエンドポイントとして、VMware Aria Automation Orchestrator がクラウド プロキシを介して Automation Pipelines と通信する必要があります。

前提条件

  • VMware Aria Automation Orchestrator のオンプレミス インスタンスに管理者としてアクセスできることを確認します。詳細については、管理者に問い合わせるか、vRealize Orchestrator ドキュメントを参照してください。
  • Automation Pipelines で、プロジェクトのメンバーであることを確認します。メンバーでない場合は、プロジェクトにメンバーとして追加するように Automation Pipelines 管理者に依頼します。Automation Pipelinesでプロジェクトを追加する方法を参照してください。
  • VMware Aria Automation Assembler で、Automation PipelinesVMware Aria Automation Orchestrator のオンプレミス インスタンスの間の通信を有効にするクラウド プロキシを作成します。クラウド プロキシを作成する方法の例については、リリース プロセスをモデリングするための Automation Pipelines の設定を参照してください。
  • オンプレミスのエンドポイントにクラウド プロキシを使用する重要性を理解しておきます。Automation Pipelines でのエンドポイントとはを参照してください。
  • Automation Pipelines で、パイプラインを作成し、ステージを追加します。

手順

  1. 管理者として、パイプラインで実行する VMware Aria Automation Orchestrator ワークフローを準備します。
    1. VMware Aria Automation Orchestrator で、ユーザーを有効にするためのワークフローなど、パイプラインで使用する必要があるワークフローを検索します。
      必要なワークフローがどこにもない場合には作成できます。
    2. 検索バーに「タグ ワークフロー」と入力し、タグ ワークフロー という名前のワークフローを検索します。
    3. タグ ワークフロー という名前のカード上で [実行] をクリックすると、設定領域が表示されます。
    4. タグ付けされたワークフロー テキスト領域で、Automation Pipelines パイプラインで使用するワークフローの名前を入力し、そのワークフローをリストから選択します。
    5. タグ および のテキスト領域に、PIPELINES と大文字で入力します。
    6. [グローバル タグ] という名前のチェック ボックスをクリックします。
    7. [実行] をクリックします。これにより、Automation Pipelines パイプラインで選択する必要があるワークフローに PIPELINES という名前のタグが付けられます。
    8. ナビゲーション ペインで [ワークフロー] をクリックし、パイプラインで実行されるワークフロー カードに PIPELINES という名前のタグが表示されることを確認します。
      Automation Pipelines にログインして、パイプラインに Orchestrator タスクを追加すると、タグ付けされたワークフローがワークフロー リストに表示されます。
  2. Automation Pipelines で、VMware Aria Automation Orchestrator インスタンスのエンドポイントを作成します。
    1. [エンドポイント] > [新規エンドポイント] の順にクリックします。
    2. プロジェクトを選択します。
    3. 適切な名前を入力します。
    4. VMware Aria Automation Orchestrator エンドポイントの URL を入力します。
      次の形式を使用します。 https://orchestrator-appliance.yourdomain.local:8281
      次の形式は使用しないでください。https://orchestrator-appliance.yourdomain.local:8281/vco/api
      VMware Aria Automation アプライアンスに組み込まれている VMware Aria Automation Orchestrator インスタンスの URL は、アプライアンスの FQDN であり、ポートを含みません。例: https://automation-appliance.yourdomain.local/vco
      VMware Aria Automation 8.x 以降の外部 VMware Aria Automation Orchestrator アプライアンスの場合、アプライアンスの FQDN は次のとおりです。 https://orchestrator-appliance.yourdomain.local
      VMware Aria Automation 7.x の外部 VMware Aria Automation Orchestrator アプライアンスの場合、アプライアンスの FQDN は次のとおりです。 https://orchestrator-appliance.yourdomain.local:8281/vco
      エンドポイントの追加時に問題が発生した場合は、必要に応じて、SHA-256 証明書フィンガープリントからコロンを削除して YAML 構成をインポートします。たとえば、 B0:01:A2:72...B001A272... になります。サンプル YAML コードは次のようになります。
      ```
      ---
      project: Demo
      kind: ENDPOINT
      name: external-orchestrator
      description: ''
      type: orchestrator
      properties:
        url: https://yourVROhost.yourdomain.local
        username: yourusername
        password: yourpassword
        fingerprint: <your_fingerprint>
      ```
    5. クラウド プロキシを選択します。
    6. 入力した URL に証明書が必要な場合は、[証明書を承諾] をクリックします。
    7. VMware Aria Automation Orchestrator エンドポイントがバージョン 8.0 ~ 8.7 の場合は、認証タイプに [基本認証] または [トークン] を選択できます。VMware Aria Automation Orchestrator エンドポイントのバージョンが 8.8 以降の場合は、認証タイプに [トークン] を選択する必要があります。
      注: VMware Aria Automation Orchestrator エンドポイントがバージョン 8.8 以降の場合は、 [基本認証] を選択しないでください。基本認証はサポートされていないため、エンドポイントの作成は失敗します。
      • [基本認証] を選択した場合は、VMware Aria Automation Orchestrator サーバのユーザー名とパスワードを入力します。

        認証に非ローカル ユーザーを使用している場合は、ユーザー名のドメイン部分を省略する必要があります。たとえば、[email protected] を認証するには、[ユーザー名] テキスト領域に svc_vro と入力する必要があります。

      • 認証タイプに [トークン] を選択した場合は、プライベート トークンを生成して貼り付けます。
        VMware Cloud Services API トークンは、 Automation Pipelines との外部 API 接続の際にユーザーを認証します。API トークンを取得するには、次の手順を実行します。
        1. VMware Aria Automation にログインします。
        2. [] にログインします。
        3. 自分の名前の横にあるドロップダウンの矢印をクリックします。
        4. [マイ アカウント] をクリックします。
        5. [API トークン] をクリックします。
        6. [新しい API トークンの生成] をクリックします。
          1. トークン名を入力します。
          2. [組織ロール] で [すべての組織ロール] をクリックして展開し、[組織の所有者] を選択します。
          3. [サービス ロール] で [VMware Aria Automation] > [パイプライン] の順にクリックして展開し、[Pipelines 管理者] を選択します。
          4. [生成] をクリックします。

            [生成したトークン] ウィンドウに指定した名前と組織名が付いたトークンが表示されます。

        7. [コピー] アイコンをクリックします。

          [コピー] をクリックすると、文字列が正確にキャプチャされ、ポインタを使用して文字列をコピーした場合よりも信頼性が高くなります。

  3. パイプラインで Orchestrator タスクを実行する準備をします。
    1. Orchestrator タスクをパイプライン ステージに追加します。
    2. 適切な名前を入力します。
    3. [ワークフロー プロパティ] 領域で、VMware Aria Automation Orchestrator エンドポイントを選択します。
    4. VMware Aria Automation OrchestratorPIPELINES としてタグ付けしたワークフローを選択します。
      作成したカスタム ワークフローを選択した場合は、入力パラメータ値の入力が必要になることがあります。
    5. [タスクの実行][条件に基づく] をクリックします。
      VMware Aria Automation Orchestrator タスクに条件を適用する必要がある場合は、条件 領域で入力します。
    6. パイプラインの実行時に適用する条件を入力します。
      パイプラインを実行するタイミング 条件の選択
      条件に基づく

      定義した条件が true に評価される場合にのみ、パイプライン タスクを実行します。条件が false の場合、タスクはスキップされます。

      Orchestrator タスクには、ブール式を含めることができます。次のオペランドと演算子を使用できます。

      • ${pipeline.variableName} などのパイプライン変数。変数を入力するときは、中括弧のみを使用します。
      • ${Stage1.task1.machines[0].value.hostIp[0]} などのタスク出力変数。
      • ${releasePipelineName} などのデフォルトのパイプライン バインド変数。
      • truefalse'true''false' などの大文字と小文字を区別しないブール値。
      • 引用符を含めない整数値または 10 進数値。
      • "test"'test' など一重引用符または二重引用符で囲んだ文字列値。
      • == Equals!= Not Equals など文字列タイプおよび数値タイプの値。
      • >>=<<= などの関係演算子。
      • &&|| などのブール論理。
      • +-*/ などの算術演算子。
      • 丸括弧でネストされた式。
      • リテラル値 ABCD を含む文字列は false に評価され、タスクはスキップされます。
      • 単項演算子はサポートされていません。

      たとえば、${Stage1.task1.output} == “Passed” || ${pipeline.variableName} == 39 のような条件があります。

      常時 [常時] を選択した場合、パイプラインは条件なしでタスクを実行します。
    7. あいさつのメッセージを入力します。
    8. [タスクの検証] をクリックし、発生したエラーを修正します。
  4. パイプラインを保存し、有効にして実行します。
  5. パイプラインの実行後、結果を確認します。
    1. [実行] をクリックします。
    2. パイプラインをクリックします。
    3. タスクをクリックします。
    4. 結果、入力値、およびプロパティを確認します。
      ワークフロー実行 ID、誰がいつタスクに応答したか、また、応答にコメントを含めたかを把握できます。

結果

完了です。Automation Pipelines で使用する VMware Aria Automation Orchestrator ワークフローにタグを付け、Automation Pipelines パイプラインに Orchestrator タスクを追加しました。DevOps 環境でのアクションを自動化するワークフローがパイプラインで実行されるようになります。

例: Orchestrator タスクの出力形式

Orchestrator タスクの出力形式は、この例のようになります。

[{
                "name": "result",
                "type": "STRING",
                "description": "Result of workflow run.",
                "value": ""
},
{
                "name": "message",
                "type": "STRING",
                "description": "Message",
                "value": ""
}]

次のタスク

引き続きパイプラインに Orchestrator ワークフロー タスクを含めて、開発環境、テスト環境、および本番環境でタスクを自動化できるようにします。