Microsoft Azure ポータルでは、VDI クライアント ベースのデスクトップ、RDS ベースのセッション デスクトップ、または RDS ベースのリモート アプリケーションで使用する Windows ゲスト OS を使用して仮想マシン (VM) を作成します。この仮想マシンは、Horizon Cloud ポッドで使用したものと同じサブスクリプションを使用して作成します。
この仮想マシンは、ポッドが接続されている同じ Microsoft Azure VNet(仮想ネットワーク)で作成される必要があります。また、この仮想マシンは、vmw-hcs-podID-base-vms
という名前のリソース グループに作成する必要があります。ここで、podID はポッドの UUID 識別子です。Horizon Cloud は、そのリソース グループにある仮想マシンを自動的に検出します。[ストレージ - 管理対象ディスクを使用] を [はい] に設定している場合、Horizon Cloud はコンソールのインベントリ画面にそれらの仮想マシンをリストします。
手動でインポートした仮想マシンを Horizon Cloud で使用できるようにするには、次の手順を実行する必要があります。
- Microsoft Azure Marketplace から Microsoft Windows 仮想マシンを入手します。Horizon Cloud on Microsoft Azure で使用できるようにするには、インポートされたすべての基本イメージを、Azure Marketplace をソースとする Windows ベースの仮想マシンから構築する必要があります。他のオリジンから取得したイメージを試し、コンソールがコンソール ワークフロー内でのイメージの使用を妨げない場合でも、そのような画像の使用はサポートされていません。
- このリリースの Horizon Cloud での使用がサポートされているオペレーティング システムに合わせます。サポートされているオペレーティング システムに関するナレッジベースの記事へのリンクは、Horizon Cloud — 使用可能な環境、オペレーティング システムのサポート ページにあります。
- Azure Marketplace から Microsoft Windows 仮想マシンを作成する場合は、次のリストにある対応する仮想マシン モデルを使用します。
次の表に示すモデルは、Horizon Cloud での使用が検証されたモデルです。これらのモデルを使用して、手動でインポートされたイメージをコンソールの [インポートされた仮想マシン] ページに表示し、そのページで使用可能なワークフロー アクションを実行することができます。
注:
Horizon Cloud で Windows 11 OS のサポートを有効にするには、ポッドが v2204 リリースのマニフェスト バージョン以降を実行していること、そして仮想マシンが直接 Azure Marketplace から提供されていることが必要です。イメージを後で処理することはできません。共有イメージ ギャラリー (SIG)、Azure 管理対象イメージ、Azure 仮想マシン スナップショットなど、その他のソースからの Windows 11 仮想マシンのインポートは現在サポートされていません。Horizon Agents Installer (HAI) を実行してエージェントを Windows 11 仮想マシンにインストールする場合は、バージョン 22.1 以降を使用する必要があります。
使用事例 |
手動インポート用の仮想マシン モデル |
非 GPU、Windows 11 以外のオペレーティング システム |
Standard_DS2_v2 |
非 GPU、Windows 11 OS または Windows 11 Enterprise マルチセッション OS |
Standard_D4s_v3 |
GPU 対応の Windows 10 OS、Windows 10 Enterprise マルチセッション OS、または Windows Server OS |
- Standard_NV12s_v3
- Standard_NV4as_v4
インポートされた Standard_NV4as_v4 仮想マシンを Horizon Cloud で使用するには、ポッドが v2204 リリースのマニフェスト バージョン以降を実行していること、仮想マシンが直接 Azure Marketplace から提供されていること、そして Windows 10 OS(単一セッションまたはマルチセッション)または Windows Server OS を使用することが必要です。(Horizon Cloud は現在、Windows 11 OS を使用するインポートされた Standard_NV4as_v4 の使用をサポートしていません。) |
GPU 対応の Windows 11 OS または Windows 11 Enterprise マルチセッション OS シングルポッド イメージ |
Standard_NV12s_v3 |
Windows 7 OS、GPU なし |
Standard_DS2_v2。Windows 7 では、GPU はデフォルトでサポートされていません。 |
注: Microsoft GPU 対応の NV シリーズ、NVv4 シリーズ、および NCv3 シリーズは、一部の Microsoft Azure リージョンでのみ使用できる場合があります。ポッドで GPU ベースのデスクトップまたはリモート アプリケーションをプロビジョニングするには、Microsoft がそれらの GPU 対応の仮想マシン シリーズを使用できるようにしている Microsoft Azure リージョンにポッドを配置する必要があります。詳細については、
リージョン別の Azure 製品を参照してください。
Horizon Cloud の Microsoft Azure 仮想マシンのタイプとサイズの詳細については、VMware ナレッジベースの記事 KB77120を参照してください。Microsoft Azure ドキュメントの仮想マシンのサイズの詳細については、Azure の Windows 仮想マシンのサイズを参照してください。
前提条件
仮想マシンを作成している対象のポッドに関する次の情報を取得します。この情報を表示するには、
Horizon Cloud 管理コンソールで
に移動し、ポッドの名前をクリックして、ポッドの詳細ページを開きます。ポッドの [サマリ] タブから次を取得します。
- ポッドを接続する仮想ネットワークの名前。仮想マシンの作成では、同じ仮想ネットワークを選択する必要があります。
- 仮想マシンを作成している対象のポッドの ID。ポッドの ID は、UUID 形式の識別子です。この UUID は Microsoft Azure ポータルでそのポッドのリソース グループを識別するために必要になります。これにより、どのリソース グループで仮想マシンを検索すればよいかを特定できます。
- ポッドを手動で作成されたサブネットにデプロイした場合は、デスクトップ(テナント)サブネットの名前を取得します。仮想マシンを作成するときは、同じサブネットを選択する必要があります。
手順
- ポッドのデプロイに使用するサブスクリプションに関連付けられている Microsoft Azure アカウントを使用して、Microsoft Azure ポータルにログインします。
- ポータルで、ポッドの
vmw-hcs-podID-base-vms
リソース グループに移動します。
- その
vmw-hcs-podID-base-vms
リソース グループで、[作成] をクリックします。
この時点で、Microsoft Azure ポータルには通常、
[リソースの作成] ペインが表示されます。
- Azure Marketplace を使用して、使用する Microsoft Windows オペレーティング システムを見つけて選択します。
この仮想マシンを単一セッション VDI デスクトップ、マルチセッション デスクトップ、またはリモート アプリケーションのどのゴールド イメージとして使用するかに基づいて、オペレーティング システムを選択します。
Horizon Cloud によってサポートされるオペレーティング システムについてのナレッジベースの記事へのリンクについては、ドキュメントのトピック
Horizon Cloud(環境、オペレーティング システム、互換性)を参照してください。
重要: GPU ベースの RDS ベース デスクトップの基盤として NVIDIA GRID ドライバの NV シリーズ仮想マシンを使用する計画の場合は、Microsoft Windows Server 2012 R2 の使用を避けます。NVIDIA ドライバの制限により、各 Windows Server 2012 R2 ファーム仮想マシンにアクセスするエンド ユーザー セッションの数は、それぞれ最大 20 セッションに制限されます。
GPU ベースのデスクトップを使用する場合は、Microsoft Windows 7 を選択しないでください。Horizon Cloud では、GPU とともに Windows 7 を使用することはサポートされていません。
ポータルに
[仮想マシンの作成] ウィザードが表示されます。
- [基本] の手順で、以下の情報に従って必須フィールドに入力します。この表に記載されていない項目については、デフォルトのままにします。
オプション |
説明 |
[サブスクリプション] |
このゴールド イメージを作成するポッドに対して、ポッドのサブスクリプションがここで選択されていることを確認します。 |
[リソース グループ] |
そのポッドの base-vms リソース グループ (vmw-hcs-podID-base-vms ) を選択します。 |
[仮想マシン名] |
この仮想マシンに最大 15 文字の英数字の名前を付けます。 |
[リージョン] |
ポッドの Microsoft Azure リージョンと一致するリージョンを選択します。
注: GPU ベースの仮想マシンを使用する場合、サブスクリプションには、使用可能な NV シリーズまたは NVv4 のいずれかの仮想マシン タイプに対する Microsoft Azure リージョンの割り当てが必要です。すべての仮想マシン シリーズがすべての Microsoft Azure リージョンで使用できるわけではありません。
|
[可用性オプション] |
通常は [インフラストラクチャの冗長性なし] を選択します。 |
[イメージ] |
選択内容が使用する Windows オペレーティング システムと一致していることを確認します。 |
[サイズ] |
前の使用事例と仮想マシン モデルの表に基づいて、仮想マシンのサイズを選択します。次の表に、Horizon Cloud のイメージ インポートおよびイメージ公開ワークフローでの使用が検証されたモデルを示します。 |
[ユーザー名] |
仮想マシンのデフォルト管理者アカウントの名前を入力します。 |
[パスワード] [パスワードの確認] |
デフォルトの管理者アカウントのパスワードを入力して確定します。 パスワードは、Microsoft Azure が仮想マシンに対して定義するパスワードの複雑さのルールに準拠している必要があります。通常、パスワードの長さは 12 文字以上で、1 つの小文字、1 つの大文字、1 つの数字、およびバックスラッシュ (¥) またはハイフン (-) 以外の 1 つの特殊文字を含む必要があります。 |
[パブリック受信ポート] |
RDP を使用してインターネット経由で仮想マシンに接続することによってエージェントをインストールできるようにする場合は、[選択したポートを許可] を選択してから、[RDP](ポート 3389)を選択します。 |
[ライセンス] セクション |
画面に表示される指示に従います。選択した Microsoft オペレーティング システムで組織が使用している有効なライセンスに適した選択肢を選択します。 |
- [ディスク] の手順に進みます([次: ディスク>])。
- [ディスク] の手順で、[オペレーティング システム ディスク タイプ] に [標準の SSD] または [標準の HDD] を選択します。
この仮想マシンを GPU ベースのゴールド イメージで使用する場合は、ディスク タイプに
[標準 HDD] を選択します。それ以外の場合は、デフォルトの
[SSD] 設定を保持するか、必要に応じて
[HDD] を選択します。
- (オプション) [ディスク] の手順で、この基本イメージに基づく仮想デスクトップまたは RDSH インスタンスがデータ ディスクを持つようにする場合は、[データ ディスク] セクションを使用して、データ ディスクを作成してこのベース仮想マシンに接続します。
データ ディスクを指定する場合は、
[ソース タイプ] で、
[なし(空のディスク)] を選択します。他の選択肢については、デフォルトをそのまま使用するか、変更することができます。データ ディスクの名前はカスタマイズできます。必要な設定を指定したら、
[OK] をクリックします。
データ ディスクが [ディスク] の手順に表示されている場合、オプションでデータ ディスクの [ホスト キャッシュ] 設定を選択できます。通常、データ ディスクの使用目的に最も適している設定に応じて、設定を選択します。
- [ディスク] の手順で、[詳細] セクションを展開し、[管理対象ディスクを使用] が選択されていることを確認します。
注意:
Horizon Cloud でこの仮想マシンを使用するには、
[管理対象ディスクを使用] を選択する必要があります。エージェントに関連するソフトウェア コンポーネントをインストールするインストーラを実行する前に仮想マシンで
[管理対象ディスクを使用] が選択されていない場合、
Horizon Cloud はこの仮想マシンを使用できないため、別のものを新しく作成する必要があります。
- [ネットワーク] の手順に進みます([次: ネットワーク >])。
- [ネットワーク] の手順で、以下で説明するように仮想ネットワークとサブネットを設定し、[確認および作成] をクリックして構成内容を保存して、確認の手順に進みます。
その他すべての設定ではデフォルト値を使用します。
注目:
- 上記の前提条件セクションの説明のように、ポッドが使用する VNet と同じように [仮想ネットワーク] を設定する必要があります。
- [ネットワーク] 画面のその他のオプションは変更しないでください(拡張機能なし、など)。これらのオプションはデフォルト設定のままにします。次の表に記載されている内容以外は変更しないでください。
オプション |
説明 |
[仮想ネットワーク] |
[仮想ネットワーク] をクリックし、ポッドが接続されているのと同じ仮想ネットワーク (VNet ) を選択します。 |
[サブネット] |
[サブネット] をクリックし、ポッドのデスクトップ(テナント)サブネットを 1 つ選択します。ポッドをデプロイしたときに、ポッド デプロイヤが自動的にサブネットを作成した場合、このサブネットは vmw-hcs-podID-net-tenant という名前になります。 |
[パブリック IP アドレス]、[NIC ネットワーク セキュリティ グループ]、[パブリック受信ポート]、[受信ポートの選択] |
RDP を使用してインターネット経由で仮想マシンに接続することによってエージェントをインストールできるようにする場合は、新しいパブリック IP アドレス、基本ネットワーク セキュリティ グループを作成することを選択し、[選択したポートを許可] を選択してから、[RDP](ポート 3389)を選択します。 VNet に接続された VPN 経由または Azure Bastion を使用してエージェントをインストールする場合は、[パブリック IP アドレス] に対して [なし] を選択し、ネットワーク セキュリティ グループに対して独自の選択を行い、受信ポートを防止することができます。 |
[ネットワークの高速化] |
本書の執筆時点では、Azure ポータルはデフォルトでこれを選択します。デフォルトをそのまま使用することも、この設定をクリアすることもできます。 |
[確認および作成] をクリックすると、検証が実行されます。検証に成功すると、ウィザードは最後の手順に移動します。
- 最後の手順ではサマリを確認します。特にリソース グループ、仮想ネットワーク、サブネットの設定が正しいこと、そして [管理対象ディスクを使用] が
Yes
に設定されていることを確認します。
リソース グループとサブネット名には、ポッドの UUID (
podID) が含まれています。
設定 |
値 |
リソース グループ |
vmw-hcs-podID-base-vms |
管理対象ディスクを使用 |
Yes |
仮想ネットワーク |
ポッドの仮想ネットワーク。 |
サブネット |
vmw-hcs-podID-net-tenant |
- ペインの下部にある [作成] ボタンをクリックして仮想マシンのデプロイを開始します。
結果
Microsoft Azure は新しい仮想マシンのリソース グループへのデプロイを開始します。Microsoft Azure で仮想マシンが正常にデプロイされると、
Horizon Cloud コンソールの [インポートされた仮想マシン] ページに仮想マシンが表示されます。このページでは、エージェント関連のコンポーネントをまだインストールしていないため、仮想マシンのエージェントの状態が
Not Paired
として表示されます。
注: 管理ディスクを使用して仮想マシンを作成することや、ポッドのプライマリ テナント サブネットに接続することや、ポッドの
base-vms
リソース グループに配置することなどの条件を遵守しているにもかかわらず、ページに仮想マシンが表示されない場合があります。これは、タグが付いていない仮想マシンをポッドが認識しないというまれに生じる問題が原因である可能性があります。この問題を回避するには、Microsoft Azure ポータルで、仮想マシンにタグを手動で追加します。タグには任意の値を指定できます。Microsoft Azure ポータルで、[仮想マシンの概要] ページで、
[ タグ(変更)] が表示されたら、
[変更] をクリックして、タグを追加します。[インポートされた仮想マシン] ページを更新します。
次のタスク
仮想マシンの完全なデプロイには数分かかることがあります。仮想マシンが作成され、準備が完了したことがポータルのダッシュボードに示されたら、仮想マシンのパブリック IP アドレスへのリモート デスクトップ接続を行い、ベース仮想マシンの構成を続行します。エージェントをインストールする前に手動で作成した仮想マシンを準備する の手順を完了させます。