vSphere ESX Agent Manager は、ESXi ホストに vSphere インストール バンドル (VIB) をデプロイします。

ホストにデプロイするには、ホスト、vCenter Server、および NSX Manager で DNS を設定する必要があります。デプロイには、ESXi ホストの再起動は必要はありませんが、VIB を更新または削除するときには、ESXi ホストを再起動する必要があります。

VIB は、NSX Manager でホストされ、zip ファイルで提供されます。

このファイルは、https://<NSX-Manager-IP>/bin/vdn/nwfabric.properties から入手できます。ダウンロードする zip ファイルは、NSX と ESXi のバージョンによって異なります。たとえば NSX 6.4.0 の場合、vSphere 6.0 ホストでは、https://<NSX-Manager-IP>/bin/vdn/vibs-6.4.0/6.0-buildNumber/vxlan.zip ファイルが使用されます。

# 6.0 VDN EAM Info
VDN_VIB_PATH.1=/bin/vdn/vibs-6.4.0/6.0-7263674/vxlan.zip
VDN_VIB_VERSION.1=7263674
VDN_HOST_PRODUCT_LINE.1=embeddedEsx
VDN_HOST_VERSION.1=6.0.*

# 6.5 VDN EAM Info
VDN_VIB_PATH.2=/bin/vdn/vibs-6.4.0/6.5-7263674/vxlan.zip
VDN_VIB_VERSION.2=7263674
VDN_HOST_PRODUCT_LINE.2=embeddedEsx
VDN_HOST_VERSION.2=6.5.*

# 6.6 VDN EAM Info
VDN_VIB_PATH.3=/bin/vdn/vibs-6.4.0/6.6-7263674/vxlan.zip
VDN_VIB_VERSION.3=7263674
VDN_HOST_PRODUCT_LINE.3=embeddedEsx
VDN_HOST_VERSION.3=6.6.*

# 6.6.2 VDN EAM Info for SDDC
VDN_VIB_PATH.4=/bin/vdn/vibs-6.4.0-sddc/6.6-7263674/vxlan.zip
VDN_VIB_VERSION.4=7263674
VDN_HOST_PRODUCT_LINE.4=embeddedEsx.sddc
VDN_HOST_VERSION.4=6.6.2

# Single Version associated with all the VIBs pointed by above VDN_VIB_PATH(s)
VDN_VIB_VERSION=6.4.0.7269135

# Legacy vib location. Used by code to discover avaialble legacy vibs.
LEGACY_VDN_VIB_PATH_FS=/common/em/components/vdn/vibs/legacy/

ホストにインストールされている VIB は、NSX と ESXi のバージョンによって異なります。

ESXi バージョン NSX バージョン インストールされている VIB
6.0 以降 6.3.2 以前
  • esx-vsip
  • esx-vxlan
6.0 以降 6.3.3 以降
  • esx-nsxv
esxcli software vib list コマンドを使用すると、インストールされている VIB を表示できます。
[root@esx-01a:~] esxcli software vib list | grep -e vsip -e vxlan
esx-vsip                       6.0.0-0.0.XXXXXXX                     VMware  VMwareCertified   2016-04-20
esx-vxlan                      6.0.0-0.0.XXXXXXX                     VMware  VMwareCertified   2016-04-20
または
esxcli software vib list | grep nsxv
esx-nsxv                       6.0.0-0.0.XXXXXXX                     VMware  VMwareCertified   2017-08-11

ホストを準備するときの一般的な問題

ホストを準備するときに発生する問題には、次のものがあります。
  • ESX Agent Manager (EAM) が VIB のデプロイに失敗する。
    • ホストの DNS が正しく設定されていない可能性があります。
    • ESXi、NSX Manager、および vCenter Server 間で必要なポートがファイアウォールによってブロックされている可能性があります。

    [解決 (Resolve)] オプションをクリックすると、ほとんどの問題が解決されます。インストール ステータスに「準備ができていません」と表示されるを参照してください。

  • 古いバージョンの VIB がすでにインストールされている。この場合には、ユーザーがホストを再起動する必要があります。
  • NSX Manager と vCenter Server で通信の問題が発生します。ネットワークとセキュリティ プラグインの [ホストの準備 (Host Preparation)] タブに、すべてのホストが適切に表示されません。
    • vCenter Server がすべてのホストとクラスタを認識できることを確認します。

[解決 (Resolve)] オプションで問題が解決しない場合は、[解決] オプションを使用して解決できない問題を参照してください。

ホスト準備 (VIB) のトラブルシューティング

  • ホストの通信チャネルの健全性を確認します。通信チャネルの健全性の確認 を参照してください。
  • vSphere ESX Agent Manager にエラーがないか確認します。

    [vCenter Server ホーム] > [管理] > [vCenter Server 拡張機能] > [vSphere ESX Agent Manager (vCenter home > Administration > vCenter Server Extensions > vSphere ESX Agent Manager)]

    vSphere ESX Agent Manager で、「VCNS160」というプリフィックスのエージェンシーのステータスを確認します。ステータスが健全ではないエージェンシーを選択してその問題を確認します。

    エージェンシーのステータスはアラートとして表示されます。この問題は、エージェント VIB モジュールがインストールされていないことです。

  • 問題があるホストで、tail /var/log/esxupdate.log コマンドを実行します。

    ログ ファイルには、ホストで検出されたエラーが表示されます。

ホスト準備 (UWA) のトラブルシューティング

NSX Manager は、2 つのユーザー ワールド エージェントをクラスタ内のすべてのホスト上に設定します。
  • メッセージング バス UWA (vsfwd)
  • 制御プレーン UWA (netcpa)

""

まれに、VIB のインストールには成功するものの、何らかの理由によって、一方または両方のユーザー ワールド エージェントが正しく機能しない場合があります。以下のような問題が発生している場合があります。
  • ファイアウォールのステータスが健全ではない。

    ""

  • ハイパーバイザーとコントローラ間の制御プレーンがダウンしている。NSX Manager システム イベントを確認します。『NSX のログ作成とシステム イベント』を参照してください。

    ホストのメッセージング インフラストラクチャが停止すると、[システム イベント] ページにイベント メッセージが表示されます。

1 台以上の ESXi ホストが影響を受けている場合、Web ユーザー インターフェイスで NSX Manager アプライアンスにアクセスし、[サマリ (Summary)] タブで、メッセージ バス サービスのステータスを確認します。RabbitMQ が停止している場合には、再起動します。

NSX Manager アプライアンス ユーザー インターフェイスの [サマリ] ページには、RabbitMQ コンポーネントのステータスが表示されます。

NSX Manager でメッセージ バス サービスが有効な場合:
  • ESXi ホストで /etc/init.d/vShield-Stateful-Firewall status コマンドを実行して、ホスト上のメッセージ バス エージェントとユーザー ワールド エージェントの状態を確認します。
    [root@esx-01a:~] /etc/init.d/vShield-Stateful-Firewall status
    vShield-Stateful-Firewall is running
    
  • /var/log/vsfwd.log で、ホストのメッセージ バスとユーザー ワールドのログを確認します。
  • esxcfg-advcfg -l | grep Rmq コマンドを ESXi ホストで実行して、すべての Rmq 変数を表示します。16 個の Rmq 変数が表示されます。
    [root@esx-01a:~] esxcfg-advcfg -l | grep Rmq
    /UserVars/RmqIpAddress [String] : Connection info for RMQ Broker
    /UserVars/RmqUsername [String] : RMQ Broker Username
    /UserVars/RmqPassword [String] : RMQ Broker Password
    /UserVars/RmqVHost [String] : RMQ Broker VHost
    /UserVars/RmqVsmRequestQueue [String] : RMQ Broker VSM Request Queue
    /UserVars/RmqPort [String] : RMQ Broker Port
    /UserVars/RmqVsmExchange [String] : RMQ Broker VSM Exchange
    /UserVars/RmqClientPeerName [String] : RMQ Broker Client Peer Name
    /UserVars/RmqHostId [String] : RMQ Broker Client HostId
    /UserVars/RmqHostVer [String] : RMQ Broker Client HostVer
    /UserVars/RmqClientId [String] : RMQ Broker Client Id
    /UserVars/RmqClientToken [String] : RMQ Broker Client Token
    /UserVars/RmqClientRequestQueue [String] : RMQ Broker Client Request Queue
    /UserVars/RmqClientResponseQueue [String] : RMQ Broker Client Response Queue
    /UserVars/RmqClientExchange [String] : RMQ Broker Client Exchange
    /UserVars/RmqSslCertSha1ThumbprintBase64 [String] : RMQ Broker Server Certificate base64 Encoded Sha1 Hash
    
  • esxcfg-advcfg -g /UserVars/RmqIpAddress コマンドを ESXi ホストで実行します。NSX Manager の IP アドレスが表示されます。
    [root@esx-01a:~] esxcfg-advcfg -g /UserVars/RmqIpAddress
    Value of RmqIpAddress is 192.168.110.15
  • esxcli network ip connection list | grep 5671 コマンドを ESXi ホストで実行して、有効なメッセージ バス接続を確認します。
    [root@esx-01a:~] esxcli network ip connection list | grep 5671
    tcp         0       0  192.168.110.51:29969            192.168.110.15:5671   ESTABLISHED     35505  newreno  vsfwd
    tcp         0       0  192.168.110.51:29968            192.168.110.15:5671   ESTABLISHED     35505  newreno  vsfwd
    

制御プレーン エージェントに関連する問題については、制御プレーン エージェント (netcpa) の問題を参照してください。