コンテンツ ライブラリは、仮想マシン テンプレート、vApp テンプレート、および他のファイル タイプ用のコンテナ オブジェクトです。vSphere 管理者は、ライブラリ内のテンプレートを使用して仮想マシンおよび vApp を vSphere インベントリにデプロイできます。同一の場所または異なる場所にある複数の vCenter Server インスタンス間でテンプレートとファイルを共有すると、ワークロードの大規模なデプロイで、一貫性、コンプライアンス、効率性、自動化が実現します。

コンテンツ ライブラリは単一の vCenter Server インスタンスから作成して管理しますが、相互に HTTP(S) トラフィックが許可されている場合は、他の vCenter Server インスタンスとライブラリ アイテムを共有できます。

公開ライブラリと購読済みライブラリが同じ vCenter Single Sign-On ドメインにある vCenter Server システムに属し、両方のライブラリがバッキング ストレージとしてデータストアを使用する場合、これらのライブラリ間の同期には最適化された転送速度のメリットを活用できます。転送速度の最適化は、相互に直接接続されている ESXi ホストによって管理されているデータストアにコンテンツを格納できるライブラリ間で可能になります。したがって、ライブラリ間の同期は ESXi ホストから ESXi ホストへの直接転送によって処理されます。データストアの VMware vSphere Storage APIs - Array Integration (VAAI) が有効になっている場合、公開ライブラリと購読済みライブラリ間のライブラリ コンテンツの同期はさらに最適化されます。この場合、コンテンツはデータストア間の直接転送によって同期されます。

ライブラリ アイテムとは、仮想マシン テンプレート、vApp テンプレート、またはライブラリ内のその他のタイプのファイルのことです。アイテムには単一のファイルまたは複数ファイルを含めることができます。仮想マシンテンプレートと vApp テンプレートの場合、各アイテムには複数のファイルが含まれます。たとえば、OVF テンプレートは複数のファイルのセットであるため、OVF テンプレートをライブラリにアップロードすると、実際にはテンプレートに関連するすべてのファイル(.ovf.vmdk、および .mf)がアップロードされますが、vSphere Web Client ではコンテンツ ライブラリ内の .ovf ファイルのみが表示されます。

ローカル ライブラリまたは購読済みライブラリの 2 種類のライブラリを作成できます。

ローカル ライブラリ

ローカル ライブラリは、単一の vCenter Server インスタンスにアイテムを保存します。ローカル ライブラリを公開して、他の vCenter Server システムのユーザーが、そのローカル ライブラリを購読できるようにすることができます。コンテンツ ライブラリを外部に公開する場合は、認証用のパスワードを設定できます。

仮想マシン テンプレートと vApp テンプレートは、コンテンツ ライブラリに OVF ファイル形式で格納されます。ISO イメージ、テキスト ファイルなどの他のファイル タイプをコンテンツ ライブラリにアップロードすることもできます。

購読済みライブラリ

公開ライブラリを購読するには、購読済みライブラリを作成します。購読済みライブラリは、公開ライブラリと同じ vCenter Server インスタンスに作成するか、または異なる vCenter Server システムで作成できます。[ライブラリの作成] ウィザードには、購読済みライブラリの作成直後に公開ライブラリのすべてのコンテンツをダウンロードするオプションや、公開ライブラリのアイテムのメタデータのみをダウンロードし、その後コンテンツを完全にダウンロードするは使用するアイテムのみとするオプションがあります。

購読済みライブラリのコンテンツを最新の状態で維持するには、購読済みライブラリとソースの公開ライブラリを一定の間隔で自動的に同期します。購読済みライブラリは手動で同期することもできます。

ソースの公開ライブラリからコンテンツを即座にダウンロードするか、必要な場合にのみダウンロードしてストレージ容量を管理するかをオプションで指定できます。

購読済みライブラリの同期で、公開ライブラリのすべてのコンテンツを即座にダウンロードするオプションが設定されている場合は、アイテムのメタデータとコンテンツの両方が同期されます。新しいアイテムがあれば、同期する際に、購読済みライブラリの格納場所に完全にダウンロードされます。

購読済みライブラリの同期で、必要な場合にのみコンテンツをダウンロードするオプションが設定されている場合は、公開ライブラリのライブラリ アイテムのメタデータのみが同期され、アイテムのコンテンツはダウンロードされません。これにより、ストレージ容量を節約できます。ライブラリ アイテムを使用する必要がある場合は、 そのアイテムを同期する必要があります。 アイテムの使用が完了したら、アイテムのコンテンツを削除してストレージの容量を解放できます。購読済みライブラリで、必要な場合にのみコンテンツをダウンロードするオプションが設定されている場合は、購読済みライブラリの同期によってソース公開ライブラリのすべてのアイテムのメタデータのみがダウンロードされ、ライブラリ アイテムの同期によってそのアイテムの完全なコンテンツがストレージにダウンロードされます。

購読済みライブラリを使用する場合、コンテンツを利用することはできますが、コンテンツを提供することはできません。公開ライブラリの管理者のみがテンプレートとファイルを管理できます。

表 1. vSphere Web Client に購読済みライブラリを作成することで購読できるソース オブジェクト
ソース オブジェクト [すべてのライブラリ コンテンツをすぐにダウンロード] のオプションを使用して、vSphere Web Client に購読済みライブラリを作成 [必要な場合にのみライブラリ コンテンツをダウンロード] のオプションを使用して、vSphere Web Client に購読済みライブラリを作成
vCenter Server 6.0 インスタンスで実行されるライブラリ サポート サポート
vCloud Director 5.5 インスタンスで実行されるカタログ サポート サポート対象外
サードパーティ製ライブラリ サードパーティ製ライブラリのユーザー名が vcsp である場合、認証を必要とするサードパーティ製ライブラリはサポート対象となります。ソースのサードパーティ製ライブラリのユーザー名が vcsp 以外である場合は、VMware vCloud Suite API を使用して購読できます。 サードパーティ製ライブラリのユーザー名が vcsp である場合、認証を必要とするサードパーティ製ライブラリはサポート対象となります。ソースのサードパーティ製ライブラリのユーザー名が vcsp 以外である場合は、VMware vCloud Suite API を使用して購読できます。

ライブラリでは、ファイル システムまたはデータストアにコンテンツが保存されます。最適なパフォーマンスを確保するには、公開ライブラリにはファイル システムを、ローカル ライブラリおよび購読済みライブラリにはデータストアを使用します。